面河山岳博物館へようこそ!

石鎚山系と久万高原の自然、博物館の活動などを紹介するブログ

愛媛のクワガタムシ相の調査

2010-01-20 11:40:21 | 調査研究

現在、博物館では、愛媛県のどこにどんなクワガタムシが分布しているかについて把握するため、個人や研究機関の標本を調査し、採集データをまとめています。
標本一つ一つから採集場所や採集年月日を抜き出すという作業は、とても地味で時間のかかる作業です。

今年の10月、愛知県で生物多様性条約第10回締結国会議が開催されます。
テレビ等で最近よく耳にするCOP10(コップテン)というのがこの会議のこと。
生物多様性を守り、生物資源を持続的に利用していくことが地球規模で大きな課題となっています。
生物多様性とは単に生き物がいっぱいいるという意味ではありません。
遺伝子、種(しゅ)、これらが関係し合う生態系、そして地形や植生などを含めた景観、これらすべての多様性を含む考え方です。
愛媛県のどこにどんな種類の昆虫がいるのか。このような基礎的な情報を集積していくことは、地域の生物多様性の一端を理解することに繋がります。
このことは私たちが今後どのように自然を保全してけばいいのかを考える足掛かりとなるはずです。

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昆虫の冬越し観察

2010-01-14 09:26:56 | 自然

博物館の周りには、冬越しをする昆虫の観察用に「隙間トラップ」を仕掛けています。

「隙間トラップ」とはベニヤ板を数枚重ねて作ったもので、間に割り箸を挟んでいるため数ミリの隙間があります。
冬越しの場所としてこの隙間を利用する様々な昆虫を観察することができます。

写真中央に集まっているのはナミテントウ。
その周囲にはクサギカメムシとオオトビサシガメがいます。
越冬昆虫としては全くの普通種で、久万高原町では人家の中でも越冬中のものがよく見つかります。

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