人形の文学論

人形表象による内面表現を切り口に、新しい文学論の構築を目指す。
研究と日常、わんことの生活、そしてブックレビュー。

佐藤亜紀さん『吸血鬼』ツイッター文学賞受賞おめでとうございます!

2017-03-08 00:11:00 | 佐藤亜紀関連
反応遅くて申し訳ありませぬが、
私たちが(ご本人をお呼びして)日本文学協会ラウンドテーブルで扱った『吸血鬼』が、ツイッター文学賞を受賞したとのこと。
佐藤亜紀さん、おめでとうございます。

そういえばラウンドテーブルのときに、訳語の問題で「なぜ吸血鬼」という語になったのか、「鬼」っていうのは何なのか、という話題になったのですが、
「心の鬼」の話すればよかったかなあ、とふと思いました。
紫式部に

 絵に、物の怪のつきたる女のみにくきかたかきける後に、鬼になりたるもとの妻を、小法師のしばりたるかたかきて、男は経読みて物の怪せめたるところを見て
44 亡き人にかごとをかけてわづらふもおのが心の鬼にやはあらむ(『紫式部集』)


って歌があるんですよね。
ものすごく近代的な解釈で、ちょっと面白くない、って思ってたんですが。
『吸血鬼』の中で、マチェクの父親が次のように説明するんですね。

 ―ウピール、言うのはものの喩えですわ。村の嫌われ者をそう言うばっかで。あれはウピールだろ言うてこそっと後ろ指を指す分には、まだ形もねえ。皆が皆そう言うて後ろ指さして、嫌な顔をしてるうちに段々と人の形を取って、終いにはぴたっとその人間の姿形になるがれすて。ま、そうなったら人間、終いですの。(240頁)

思えば、マチェクの父親が一番近代的な解釈をしてるわけですが。「心の鬼」って、この説明に割と合致するかも、と思いました、です。

*『紫式部集』の引用は新潮日本古典集成、『吸血鬼』は佐藤亜紀『吸血鬼』(講談社、2016年)による。

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