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若者言葉が流行る理由

2008-03-02 05:28:10 | 時事


「 友人とは、あなたのすべてを知っていて、それでも、あなたを

  好いてくれる人のことである 」

               エルバート・ハバード ( アメリカの作家、工芸家 )

Your friend is the man who knows all about you and still likes you.

                                 Elbert Hubbard



近頃は、顔面が不細工でロン毛の男性を 『 ガンブロン 』 と呼ぶらしい。

程度が甚だしい場合は、『 チョガンブロン ( 超顔面不細工ロン毛 ) 』 だ。


私は 「 若者言葉 」 に関心があるので、若い男女の友達、仕事仲間から、実際の流行り言葉を教えてもらうようにしている。

少し前までは、関東と関西の流行り言葉が大きく異なり、文化圏が違えば通じなかったりしたのだが、ネットの影響からか、最近は伝搬性が早い。

ド派手なメイクの女子に、彼氏が 「 お前、なんか盛ってね? ( 少し化粧が濃いのではありませんか ) 」 などの関東弁を、最近は大阪の子も使う。

逆に、大阪弁から派生した流行り言葉を東京の若者が使うケースもあり、いわゆる若者言葉というのは 「 地域を超越した共通言語 」 のようだ。

そういった言葉が流行る傾向を、「 日本語の乱れ 」 だと嘆かわしく感じる御仁もいるだろうが、はたして、そうなのだろうか。


初めて地方から上京する際に、出身地の訛りや方言がコミュニケーションの壁になるのではないかと、不安に思う人は多いと思う。

私も東京の大学に入るとき、大阪弁の丸出しでは、会話が通じなかったり、あるいは馬鹿にされ、仲間外れにされるのではと不安だった。

当時を振り返ると、たしかに、イントネーションの違いから違和感をおぼえる場面もあったが、趣味や考え方の共通する仲間とは、すぐに仲良くなれた。

逆に、同じ大阪の出身者でも、言葉そのものは通じているようだが、微妙なニュアンスや、こちらの真意が正しく伝わらない相手もいる。

外資系の企業に勤めていたときにも、外国人の同僚と分かり合える反面、言葉の壁がない日本人に、まるで伝わらないと感じる場面があった。


友達や仲間をつくる際に、「 共通言語 」 の存在というものは、とても大事な役割を果たすことになる。

日本人同士なら、単純に、日本語なら共通言語だろうと思うのは間違いで、言葉というものは受け取り方次第で、意味が変わってしまうものなのだ。

たとえば、誰かに 「 今日中にお願いします 」 と頼んだとき、ある人は日付の変わる深夜零時までが今日中だと思い、ある人は終業時までだと思う。

また、別の人は 「 今日中ってことは “ 急ぐ ” という意味だから、もっと早く片付けなければ 」 と、気を回してくれる場合もあるだろう。

指示する人間が 「 5W1H ( 誰が、何を、いつ、どこで、どのように ) 」 を伝えれば誤解は生じないが、繁忙時、緊急時にはそんな余裕がない。


つまり、俗に言う 「 あうんの呼吸 」 みたいなものが必要で、言葉そのものよりも、そこに含まれる相手の期待や、メッセージを察する必要がある。

相手は 「 どんな気持ちで、その言葉を発したのか 」 を瞬時に読み取って、適切に対処することが 「 あうん 」 であり、「 共通言語 」 の認識だ。

同じ 「 検討します 」 でも、Aさんの場合には “ 社交辞令の断り文句 ” で、Bさんの場合は “ 善処するという約束 ” だったりする事例も多い。

概ね、社内の連携が良くない職場は 「 共通言語が定着していない 」 もので、上司、部下、同僚が、それぞれ相手に信頼感を抱いていない。

一見、アホみたいな作業だが、「 この会社で ○○ といえば、△△ の意味です 」 というマニュアルを徹底させてあげると、この問題は解決する。


人によっては、「 KY 」 だなどと言わず、普通に 「 空気が読めない 」 と言えばいいじゃないかと、流行り言葉、若者言葉を否定する方もいるだろう。

だが、そういった言葉遊びを通して、相手の真意を理解しようと努力したり、一種独特の “ 暗号 ” で 「 あうん 」 の共有を構築するのは良いことだ。

少子化が進行するにつれ、兄弟や、地域の友達が減る中で、若者言葉が 「 仲間を示すコミュニケーションツール 」 として、活用される実情もある。

内向的にみえる 「 引きこもり族 」 も、どこかに友達や、理解し合える心の拠り所を求めるから、「 オタク語 」 を発信し合っているように思う。

対人能力が低く、コミュニケーションが苦手な人々も、だからといって友達が欲しくないわけではなくて、むしろ、誰よりも仲間を求めている。


最近、頻繁に会っている代理店の営業 ( 30代 ) が 『 チョガンブロン 』 で、雇っているバイト ( 19歳女子 ) が、来社する度にクスクス笑う。

名刺も頂戴しているのだが、その印象が強すぎて 「 本名を覚えられない 」 ので困ってしまう。

他人の欠点を中傷するという点では悪口に変わりないが、若者言葉には、① 遠まわしな表現、② 曖昧な表現 で、湾曲的に変換される特徴もある。

オフィスの近くの喫茶店に、「 ミニ 力士 」 みたいなウェイトレスさんがいるのだが、前述のバイト ( スタイル良し ) は、“ ぽっちゃり系 ” と呼ぶ。

私が小声で、「 いや、どちらかというと “ うっちゃり系 ” じゃないか 」 と囁くと、「 それは、ひどすぎます 」 と冷ややかに叱られてしまった。

『 Tonight 今夜の気分 = エンピツ版 』

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2 コメント

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Unknown (スイ)
2008-03-05 03:53:14
若者ことばをこういう風にも見れるのか、とうなずきながら読ませてもらいました。私はまだ学生ですけど、会社別にそういうマニュアルというのは本当にあって欲しいですね。
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はじめまして (Oldsoldier Taka)
2008-03-10 20:36:24
コメントをありがとうございます。
gooブログは始めたばかりなので、システムの理解が足りず、せっかくコメントを頂戴しておりましたのに気付かず、返事が遅れてしまい、誠に申し訳ございませんでした。
よく研究してみると、若者言葉には 「 平安時代の流行語 」 に通じる背景があり、機械があれば、また書いてみたいと思っています。
今後とも、お気づきの点がございましたら、ご意見をお寄せいただきたいと存じます。
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