杉浦 ひとみの瞳

弁護士杉浦ひとみの視点から、出会った人やできごとについて、感じたままに。

・「法律が存続しながら死文化すること」

2013-03-24 00:30:25 | 憲法問題
成年後見選挙権の違憲判決の控訴期限が28日なのですが、政府ではその対応を苦慮しているということなのです。

3月23日の朝日新聞によれば、
控訴すれば非難を浴びそうで懸念するが
控訴しないと、法改正が間に合わず、選挙事務が混乱するということなのです。

そこでご存じの方教えていただきたいのですが、
例えば、昭和48年の尊属殺重罰規定の違憲判断
(これは最高裁判決ではありますが判決の個別的効力ということでは理論的には同様かと思います)
のあと、この規定は平成7年まで存続していました。
でも判決後は使われていませんでした。

このように、法律が廃止されず存続しながら、死文化するときに
検察庁や裁判所ではどんな取り決めがあって、この死文化が徹底されていたのでしょうか。

今回公選法11条1項1号違憲を、国が控訴しないとすれば、
東京地裁の判断を尊重したことになり,国の方針として、
同条がないものとして諸手続を施行することもできるのではないでしょうか。
それほど、難しいことなのでしょうか。

もし、そういったやり方があるのなら、
控訴しない理由の要因がなくなるのではないかと思うのですが。

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1 コメント

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Unknown (阿部尚)
2013-03-26 16:56:49
恩赦や罪名・罰条の変更、普通殺として起訴すること等は尊属殺人の規定が存在し続けたとしても既存の法律の運用の問題として対処が可能でしょうが、公選法11条1項の存在を前提としつつ選挙権を認めるということは超法規的措置にならざるを得ず法律による行政という観点からも難しいのではないでしょうか。だったらまずは速やかに同条項を廃止して全員に選挙権を認めたうえで、現実に生じる問題には事後的個別的に対処しつつ、適切な立法を目指すのが筋だと思うのですが、どうやら国は控訴するようでそうは考えてもらえないようですね。

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