・民主主義って何だ？ ～「民主主義は多数決」はあやまり～

民主主義って何だ？　　

最近、「自由と民主主義に基づく政治を求めます」という主張を掲げ活動する（主に）大学生のグループであるＳＥＡＬｓ(シールズ)が社会を元気にしてくれています。
「民主主義って何だ？」は、彼らのラップ調の代表的コールのひとつ。

一方、安倍首相は、一向に国民の理解をえられず、
審議を重ねるほど法案の矛盾や違憲性、
立法事実（その法律の必要性を根拠づける事実）の欠如が露呈してくる安全保障法案について

「民主主義ですから、多数決で決する」
と繰り返しています。

Ｑ「民主主義って何だ？」　Ａ「多数決だ」でしょうか？
これは違います。

「民主主義は個人の尊重の原理を基礎とする」（芦部信義）
「リベラルでない民主制は、民主制の否定であり多かれ少なかれ独裁的性格を帯びる。民主制は人権の保障を本質とする。」（宮沢俊義）
つまり、民主主義は、主権者である民衆ひとりひとりの権利が尊重されていることを前提としているのです。
多数決を民主制と呼んで「為政者が自分の地位や権力を守るために民意を利用する」手段とするような場合を「プレビシット」あるいは「プレビシット民主制」といい、危険な民主制の考え方とされています。
多数決を民主主義だと理解している首相は、政治の根本を理解していないわけです。


こうなると、国政に関わる国会議員には、基礎的な試験でも受けてもらい、最低限の理解があることをチェックしたいような気がします。
それでも、権力に関わる者の本性として権力欲といった邪（よこしま）な気持は出てくるでしょうけど、最低限のことが血肉になっていれば、
「さすがにそれは、言えないよね」
というブレーキが、自らかかるはず。

今の政権は、この認識がないために躊躇がないのか
あるいは、大多数の国民は何も理解していないから何をしてもばれないと思っているのか。
「（参院選がある）来年夏までには国民も忘れる」という官邸内の声があると聞くところを見ると、後者であって、国民がなめられているようにも思えます。

「国民なめんな！」
もよく聞くSEALsのコールのひとつですが
一方で政権に「なめるな！」と抗議しつつ、
他方では、「なめられない私たち」であるためのひとりひとりの足固め（理解）と、そういう仲間を増やすことが重要ですね。