みーばい亭ブログ

言いたい放題! 飲み放題!

ホムンクルスの受難

2012-04-29 23:17:52 | 生き物の話
今回は昨年の秋にアップした記事の続編です。
まずはこちらへどうぞ。

8年前に磯水槽を立ち上げた当初から、刺胞動物のポリプは何度となく湧いて出ているのだが、残念ながら育ちきったことが無い。
ある程度までは大きくなるのだが、いつも間にか消えてしまうことの繰り返し。
このホムンクルスも、冬前に姿が見えなくなってしまったので、同じ運命を辿ったものと諦めきっていたのだが・・・。
年が明けた2月、サンゴ砂の間から触手を広げている、小さなイソギンチャクを発見。
あのホムクルスと同一個体であるという確証はないが、秋からこっち、水槽に投入したのはろ過海水だけだから、それ以前に入り込んだ幼生が育った事は間違いない。
よくぞ生きていた! と、極寒の中、ハートウォーミンなサプライズを喜んだのだが・・。
このホムちゃん、普段は砂に潜りこんで、ほんの偶にしか砂上に姿を見せてくれない。
結果、飼い主もついその存在を忘れがちになる。
で、久しぶりに日本海の海水を投入した先週、ついうっかり底砂を掻きまわして毒抜きをしてしまったわけだ。
スッキリした底砂を眺めながら、ハッと気付いた時には、すでにあとの祭り。
ま、覆水盆に返らず、過去にこだわっても宝くじは当たらないと、再びあっさりと諦めたのだが・・・。
翌朝、水槽を覗くと、前面ガラスに貼りつくように触手を広げている。
自分で移動したのか、砂と一緒に流されたのかは知らないが、やれやれである。
おかげで、体壁から足盤まで、ガラス越しにつぶさに観察できるようになったのは、飼い主のガサツさ故の功罪か。
クリルの欠片などを触手に付けてやると、あんぐりと呑みこんで、筋肉の蠕動で消化器官に送り込む様子は、何度観察しても面白くて飽きない。
出来ることなら、消化されて排泄されるまでの過程を一部始終見届けたいのだが、酒精の誘惑に打ち勝てず、睡魔と争う気力も体力も萎えきってしまった自分が歯痒い今日この頃(^^;;

とにかく、水槽規模の地殻変動を乗り切って生き延びた小さなイソギンチャクの未来に幸あらんことを祈る!
・・・と、締めたいところだが、荒磯の生態系はそんなに甘くない。
刺胞動物にも、強力な天敵が存在するのだ。

ホムンクルスの苦難は続く。




コメント

さよなら妖怪

2012-04-21 22:30:17 | 生き物の話
♪おばけは死な~ない、病気もなんにもない・・、と歌にあるが、実際のところ・・・、一反木綿は心臓に針を刺されて、見越し入道はちゃんちゃんこで喉をふさがれて、ひでり神はノヅチに生気を吸いとられて・・・と、けっこう死んでいる。
まあ、勧善懲悪対決構図をとる以上、敵を殺さないとエンターテイメントとして成り立たないのだから仕方がない。
下手にヒューマニズムを前面に押し出すと、大佛次郎プロデュースの「新鞍馬天狗」みたいに、興行で大コケするのがオチである。
鞍馬天狗はアラカンが問答無用で新撰組を斬りまくってこそ鞍馬天狗なのだ。

さて、時代は少々溯るが、天保の妖怪として名高いのが、御存じ鳥居甲斐守忠耀。
蛮社の獄で洋学者を弾圧した・・と、云うより「遠山の金さん」の敵役と云う方が通りがいいか。
まあ、日本人なら誰でも知っている悪役である。
この鳥居耀蔵くん、自らの保身のために上役の水野忠邦を裏切って一旦は失脚させたが、これも妖怪じみた執心で復職した水野老中によって粛清され、丸亀藩お預けの身になったものの、しぶとく生き延び、結局明治6年まで生きて78歳で大往生を遂げたという。
宿敵遠山影元の没年が安政2年だから、因果応報の理を無視して金さんの死後17年を悠々と生きたことになる。
まさに、その異名に恥じない堂々たる妖怪ぶりである。

一方、みーばい亭磯水槽の妖怪さんはと云うと、淡白でなげやりな21世紀ニッポンの世相を反映してか、生物学的寿命に従順に生を終えた。
一時は20cmを越える巨体に成長したが、産卵を始めた頃から少しづつ縮みはじめ、やがて茶々丸が消え、半年ぶりに日本海の新鮮な海水を投入した今日、黒丸の死骸も確認した。
よれよれになりながらも交接に励み、死の二日前まで産卵を続けた執念は、これも妖怪の異名に恥じない生き様だった・・と、思いたい。

滑稽達磨がこんなことを云っている。
「お化け妖怪は、人間が感じたり考えたりするからいるのだ。」
ろくろ首、河童、一つ目小僧、傘お化け・・・、時代を越えて人がイメージを抱き続ける限り、妖怪は「不死」なのだ。
一度ネット上で公開された記事や画像は、永久に消えることが無いと云う。
それならば、このアマクサアメフラシたちも、本当に「不死」の妖怪なのかもしれない。
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侵略者を撃て!

2012-04-14 22:43:52 | 生き物の話
管理人がローンの返済に頭を痛めている間に、地球の人口は70億人を突破したらしい。
バルタン星の生き残り20億人が、地球移住を強行しようとした当時、地球の人口は30億台だったというから、この半世紀でほぼ倍増したことになる。

ところがどっこい、数を頼んで地球の支配者面している人類が、本当に地球の支配者かと云えば、さにあらず。

試みにWikipediaで引いてみると、現在、地球上で知られている生物種の半数以上は「昆虫」であり、未記載種を含めると100万種を越えるといわれている・・らしい。
ちなみに、日本昆虫協会理事の木村義志氏によると、少なく見積もっても地球上の生き物の90%以上は昆虫であり、その種類は200万を超えるとか。
まあ、昆虫の種類が100万であろうが200万であろうが、一介の勤め人にはどうでもいいことなのだが、昆虫と云う種族がその個体数において地球上の他の生物種を圧倒していることは否定のしようがないだろう。
ウイルスか、気候変動か、核戦争かは知りまへんが、地球上から人類か消え去っても、昆虫さんは確実に生き残らはりますわ。
ゴキブリや、アリや、ハエやら、たいして害のない昆虫の撲滅に必死になっているそこの人。
あんたらはバルタン星人よりタチの悪い連中を相手にしているわけですよ。
アリは蟻酸の臭いが強いせいか、あまり好みませんが、ゴキブリやハエやガは、おかしな薬剤を使わずに、手づかみで捕まえてピンセットで頭を潰して殺してから、お宅のオカヤドカリに与えてやってくださいな。
うちのオカヤドカリは、昆虫喰って10年以上生きとります。

ところがどっこい(2回目)、地球上で非常識に繁栄している昆虫が、唯一進出できない聖域がある。
それが、「海」。


昆虫の侵略を阻止している海の一大勢力が、我らが甲殻軍団である。
エビ・カニ・ヤドカリなどのエリートはもちろん、鰓脚、蔓脚、顎脚、等脚、端脚等々歴史に名を残さない雑兵たちをも、みーばい亭は力いっぱい応援しています。

下の画像の士官候補生にも、それなりに期待していますが・・・。
BGMは「Up Where We Belong」で、どうぞ。
当時、皮ジャン、ブーツ、チェーンだった管理人には、侵略者(インヴェーダー)の文化ですが(^^;



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Antonio Baka Guy!

2012-04-07 21:53:14 | 新・ほろ酔いキッチン
随分と昔の話だが、嘉門達夫のネタに「ジミなものハデなものシリーズ」というのがあった。

例えば、
ジミな将来の夢は・・・習字の先生
ハデな将来の夢は・・・世界征服!

ジミな実験は・・・・・ろ過
ハデな実験は・・・・・核実験!

てな具合に続くのだが、その中に
ジミな海辺のレジャーは・・・潮干狩り
ハデな海辺のレジャーは・・・スキューバ・ダイビング!
という一節がある。

スキューバ・ダイビングがハデかどうかはともかくとして、その両方を趣味にしている管理人は、世間的に見れば「両極端な奴」なのだろうか?
自分的には否定したいのだが、パソコン・デスク横のCDラックを見ると「ダムド」「ストラングラーズⅣ」「セックスピストルズ」などのオリジナル・パンク勢の対角に「嘉手刈林昌」「瀬良垣苗子」「大城美佐子」等々の沖縄民謡が並んでいるし、「リチャード・ヘル&ヴォイドス」の横に「桜川唯丸師匠」、「ボブ・マーリー&ウェイラーズ」の下に「神田福丸姐さん」の全曲集があったりするから、幽体離脱して客観的に観察すれば、あながち誤解と言えないこともないのかもしれない(^^ゞ
あ~、ややこしい!

それはともかく、春である。
朝方、雪が降っていたが春である。
ほんでもって大潮である。
ウインドブレーカーの下にフリース2枚重ねで出撃したのである。

結果・・・。

アサリ少々、マテガイ若干、ハマグリ数個、そして・・・バカガイ山盛り!!
鮨屋のカウンターなら10年分は優にあるだろう。
この季節の定番「初桜」の生酒(!)のあてに、刺身、てっぱい、バター醤油炒めで堪能したが、もちろん夫婦2人の所帯では食べきれるわけもなく、3分の一ほどを生姜をきかせた時雨煮に、残りは茹で汁と一緒に冷凍保存。
天麩羅、かき揚げ、煮物、炒め物・・・当分、みーばい亭は青柳料理が続く見込み(^^)v

さて、話題転換

みーばい亭生き物係が、半日浜辺で這い蹲っていたわけだから、当然、甲殻軍団の勢力図にも変動があったわけで・・・、以下予告


もういっちょ!


だんだん、マニアックになるなぁ・・、この水槽(^^;


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