JR北海道大沼駅付近で脱線した貨物列車は、
帯広市から埼玉県熊谷市までジャガイモを運ぶ列車でした。
ジャガイモの収穫時期にだけ運行される専用列車。
石北本線には“たまねぎ列車”がありますが、この列車は“ジャガイモ列車”ですね。
何のために埼玉県熊谷市までジャガイモを運ぶのか?
実は熊谷市には十勝北部5農協共同の倉庫などが10棟(熊谷市消費地集出荷施設)あり、
ここを基地に首都圏のユーザーにジャガイモを供給しています。
またJA士幌町は同県東松山市に「関東食品開発研究所」を持っており、
首都圏向けにカルビー社のポテトチップスの製造を行っています。
つまり脱線したこの列車はジャガイモの生産地・十勝から消費地・東京に、
ジャガイモを送り届けるという大事な役割を持っているのです。
そしてJA士幌町では独自に加工を行い付加価値を付け業者に販売している。
普通のJAは生産するだけでその先は丸投げ、
ましてや北海道から遠い首都圏まで持って行って加工・販売を行うなど考えられない。
生産から販売の直前まで一貫して行うことによって利益を最大化している。
これこそが十勝農業の強さです。
その強さの一翼を担っていた貨物列車。
台風やこの事故の影響で滞貨も発生していると聞きます。
早く正常化するといいですね。
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