風の向くまま薫るまま

その日その時、感じたままに。

忠臣蔵を考える -その2- 【展開】

2016-12-07 23:15:12 | 時代劇





抑々なぜ浅野内匠頭が吉良上野介に刃傷に及んだのか、その理由は史実的には分かっていない、謎なんです。

その場に居合わせた梶川与惣兵衛の記録によれば、「この間の遺恨、覚えたか!」と浅野内匠頭が叫んだとあるようで、なにやら強い遺恨つまり恨みがあったらしいというところまでは分かっているのですが、


その遺恨、恨みの内容が

まったく分からない。


内匠頭は詮議の場においても、その遺恨の中身を語ることは一切なく、上野介は一切身に覚えはないと言い張るばかり。

真相は闇に包まれたまま、内匠頭は切腹します。



この、「理由が分からない」というところが「味噌」のような気がします。



理由が分からないからこそ、江戸雀達は様々な憶測を語り合い、その憶測は噂話となって江戸中を駆け回り、さも真実であるかのように語られることとなった、のではないでしょうか。



江戸城中において刀を抜くことは固く禁じられており、基本的に刀は玄関先などで預けることが決まりだったようですね。ただ式典の際などには、小さ刀という短い刀を携行することが許されていました。内匠頭が上野介に斬り付けたのがまさにこの小さ刀であり、それ故浅手を負わせる事しかできなかったのです。



刀を抜けば即切腹、藩にも類が及ぶ、そんなことは分かっているはずなのに、それでも敢えて刀を抜かなければならなかった。

よっぽどの仔細があったに違いない。江戸雀達はそう思ったのかもしれません。



よく考えてみれば、内匠頭が刀さえ抜かなければ、こんな大事にならずに済んだわけです。藩が取り潰されることもなく、藩士たちが路頭に迷うこともなかった。

内匠頭はもっと批判されてもしかるべきだったように思う。


でも何故か、そうはならなかったようです。不思議ですね。




あるいはそれは、実際に討ち入りが行われたからこそ、なのかもしれません。



事件発生より1年以上。浪士たちは耐えがたきを耐え、忍び難きを忍んで討ち入りに備え、決行させた。その武士の意気地に感銘を受けたから、それに伴うかたちで、内匠頭の評判も上がった、ということなのかもしれない。



事件はすでに結審しており、いまさら覆すことは出来ない。しかし赤穂の浪人たちは敢えてそこに異を唱えた。


つまり幕府に対して、公然と反旗を翻したのです。


赤穂浪士たちは吉良方にいくさを仕掛けただけではない、ある意味幕府にもいくさを仕掛けたのだ、ともいえるわけです。


この命がけの抗議に、江戸庶民は大いに感銘をうけたことでしょう。真の武士道これにありと誉めそやし、赤穂「義士」たちを、そして内匠頭を讃えた。



それは相対的に、吉良上野介という人物を徹底的に「悪人」に仕立てていく方向へと向いていくことになるのです。





今日はこんなところで



続きます。
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4 コメント

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Unknown (トキトキ)
2016-12-08 14:08:21
年末になると、「忠臣蔵」の再放送しておりますね。
(今は武井咲ちゃんですか)。
たくさんの人々が大石蔵之介を演じてこられて、しかも、四十七士なので、役者さんわんさかの群像劇のようになるので面白いのですよね。

思い出すのは、主君の事件を聞いて、赤穂の家臣達が集まっている時、短刀を、
「何故斬りつけたのか?短刀は、突き刺すものだろう!」
と話す場面がありました。ふむふむと思ったものです。
とにかく色々疑惑があるからこそ面白いのですね。将軍様も悪者にされちゃってますし。
今年こそは! (チャメゴン)
2016-12-08 15:29:46
そうですね!
例年、年末には赤穂浪士が放映されていますね。
今年こそは観てみようかな⁉︎
お兄さまのブログでしっかり学んでからね!!じゃ、いろいろ早く片付けとかなきゃ!!( ̄^ ̄)ゞ
Unknown (薫風亭奥大道)
2016-12-09 01:52:25
おトキさん、忠臣蔵は大筋がしっかりしていて、そこに様々なバリエーションを盛ることができるから、色々な物語が派生しやすいんです。四十七士それぞれに物語があって、誰を主人公にしてもそれなりの話が作れるし、四十七士の関係者で、直接討ち入りには関わらない人物を主役に置いて、違った角度から事件を見ることもできる。今やっている武井咲主演の奴がそれですね。
この自由度が忠臣蔵の強みですね。
Unknown (薫風亭奥大道)
2016-12-09 01:57:05
チャメさん、時代劇専門チャンネルは観られるかな?今月は正統派から派生形までいろいろ放送しますよ。忠臣蔵の魅力に浸るには最良の時期です。できれば御覧になってね。

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