風の向くまま薫るまま

その日その時、感じたままに。

長崎犯科帳

2017-08-09 08:36:12 | 時代劇










1975年に日本テレビで放送された時代劇。主演は萬屋錦之介。


75年ですから、丁度『子連れ狼』の第二部(74年放送)と第三部(76年放送)との間に制作されたわけですね。



長崎といえば出島という海外との玄関口があって、異国情緒漂う海外貿易の拠点でした。それだけに豪商の力が強く、長崎奉行に就任すれば、賄賂だけで一生遊んで暮らせるだけの金が入ってくるなどとも云われていたとか。


そんな長崎に、萬屋さん演じる新奉行が就任してくる。この男、酒と女が好きな遊び人で、仕事もロクにしない「昼行燈」。豪商たちは扱いやすい相手だと、賄賂を持って日参する始末。


しかしこの奉行、実はこの賄賂を元手にして、悪党どもを密かに始末する「闇奉行」のリーダーだった……。





早い話が、必殺のパクリです(笑)。萬屋さん演じるお奉行様は、中村主水を偉くしたようなキャラクターだし、仲間の田中邦衛さんは医者の役で、メスを使って相手を倒し、火野正平さんはサイという中国製の武器を使う。



必殺に異国情緒を盛り込んだ珍品といってしまえばそれまでですが、物語的には結構見ごたえがあったように思います。


このドラマのシリーズ構成を担当した池田一郎という脚本家ですが、実は後に「隆慶一郎」の名で時代作家デビューをした方なんです。


前田慶次郎を主人公とし、漫画『花の慶次』の原作となった『一夢庵風流記』をはじめ、『吉原御免状』、『影武者徳川家康』などの作品で人気を博した方だったんです。道理で見ごたえがあったわけだ。



萬屋さんは白い着物に白い頭巾を被って登場し、基本的に素顔はさらさないんです。でも時々頭巾を外して、相手に自分の正体を明かして驚かせてから倒す、なんてこともやってた。これが後半に行くにしたがって、毎回顔をさらすようになっていく。多分視聴者からの評判が良かったのでしょうね(笑)こうしてパターンが出来上がっていくわけです。



当時勢いのあった『必殺』(パクリですけど)に人気者の萬屋錦之介を出演させ、舞台を長崎に持って行ったというあたり、企画力の勝利だなと思うし、これに関わっていたのが、あの隆慶一郎だったとは


成る程と納得しますね。




隆さんの小説、また読みたくなったな。





長崎の原爆で犠牲となった方々に、心よりの追悼を捧げます。
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2 コメント

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Unknown (チャメゴン)
2017-08-09 10:38:45
異国情緒溢れる長崎。
私は修学旅行と、あと個人的に一度訪れています!!
隆慶一郎さんですか、興味ありますね〜。
長崎の犠牲者のご冥福をお祈り致します。
Unknown (薫風亭奥大道)
2017-08-09 18:47:04
チャメさん、隆慶一郎氏の小説は発想がとにかく面白い。『影武者徳川家康』などは、関ケ原の合戦で本物の家康は討死していて、その後は影武者によって天下が収められたとする話で、その影武者はなんと被差別民出身だという、まあスゴイ発想です。この方の小説にはサンカなどの被差別民が重要な役割を果たすことが多く、その被差別民を主人公にした小説もあるんです。テレビではできなかったことを思いっきり小説で描いている、という感じですかね。
でも被差別民だからといって決して暗くはない。むしろ爽快な話が多いといっていいでしょう。隆さんは被差別民を「自由民」と捉えて、寧ろそこにある種の理想を抱いていたといっていいのかもしれません。
それが良いか悪いかは別として、ですけどね。

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