おっくんぶるーす (本日の奥野祐子)

ピアノ弾き歌い詩人、奥野祐子の日々のつぶやき、ライヴスケジュール案内

10月のライブ情報とエッセイです!

2017-10-01 20:16:30 | 日記
10月のライブ情報とエッセイをお届けします。

奥野祐子ピアノ弾き語りライブ


 
10月8日【日】ライブハウスコタン
出演:デビデツヤ・小穴正幸・奥野祐子
開場:17:30 開演:18:00 ¥2000 (ドリンク代別)出演は、20時ごろ

 コタンは、都営新宿線 曙橋 下車、A2出口を出て右、あけぼのばし通り商店街を抜け、ちよだ鮨のところを右折、すぐ左側のビル、地下1階   (03-3357-7093) 
〒162-0065 新宿区住吉町9-1 アイランドコート曙橋 B1階


10月 25日【水】   下北沢ロフト      (03-3412-6990)
開場:18:30 開演:19:00 \1500(1ドリンク付き)出演時間はブログで確認してください
下北沢ロフトは、小田急線又は、井の頭線、下北沢駅南口から、商店街の中を通り10分くらい。 


10月22日【日】 代々木バーバラ  
出演時間など、詳細は、ブログかfacebookで確認ください
バーバラは前売り券がお得! 奥野のブログにて、コメントを通じて予約ができます。または、                    お店までお電話ください。当日来られる前でも もちろん大丈夫です!   (03-3320-5896)

奥野祐子ブログhttp://blog.goo.ne.jp/okkunblues Googleで検索下さいFacebook,「奥野祐子」もやっています。(短いものですが、ライブの動画見られます!)




ゆっくり、体全体をすましていないと、逃してしまうことがある。
この「すます」は、「済ます」ではなく、「澄ます」。濁り、曇り、雑念などを除いて混じりけのない状態にすることだ。
もう、ずっと長い間、そういう状態を忘れていた。体全体を澄ます・・・だからと言って、五感をそばだて すきなく気持ちを最大限に緊張させて、どこから何が来たって大丈夫だぞ!と、スパイ同士の腹の探り合いの戦いのように構えることではない。むしろ真逆の感じ。


気持ちよくライブで歌えているときに、あとから気づいたら、体が澄んでいた、そんな状態になっていたことがあるのだ。
どこにも力が入らず、何も心配せず、自分の体が気持ちよく鳴っていて、穏やかで、音がどんどんと外に飛んでゆく。
滑らかに。私の中から出ていく音は、なんだか音というよりも光に近い。
ものすごい速さで私の内から出て行って、どんどん外に向かって、誰かのところに飛んで行ってしまう。
悲しい歌を歌っていても、はたまた元気に明るい歌を歌っていても、体を澄まして歌っているときは、どちらも同じく ただの「音」なのだ。感情の入り込むすきがなく、ただいい音、自分が思い描く美しい次の一音だけを出そうとしている。
奏でるというより、ていねいに そっと音を置いていくような、そんな感じだ。


今朝、仕事に行く前に、布団の上にごろんとあおむけに寝転がって、窓からのぞく青空を ぽか~んと見上げていた。
どこからともなく イヌのブルースの足音がして、おぼつかない足取りの彼が現れた。
何のためらいもなく、寝ている私の右の二の腕の上に、身投げをするように体を投げ出し、ドスンとぶつかるように座り込んで、そのまま寝息を立てて眠り始めた。
彼に声をかけることも、撫でることもなく、ただ そのまま二人で重なり合って じっとしていた。
その時、私は最近で一番、ブルースのことを理解していたと思う。無意識に、なんだか体が澄み切っていた気がするのだ。
ブル-スの体の重さ、年老いて 目も少しずつ見えなくなり、耳も少し遠くなり、体の平衡感覚も鈍って、思うように歩けない。その彼の見ている、感じている、ゆっくり流れる気だるい世界を、一瞬 一緒に感じていた。

重力に逆らえない皮膚のたるみ、老いてやさしくなった目つき、飼い主のにおいや体温のそばに、若い時よりずっと執着し、そばにいたい、安心したいと頼り切っている、馬鹿正直なくらい一途な信頼感。そのすべてが愛しいと思った。
静かに 通い合った瞬間、ブルースの中に、「年老いてゆく」ことへの、かなしみは ひとかけらもなかった。
ただ静かに着実に重なってゆく時間に対する 従順で素直な、そして あっけらかんとした 楽天的な瞳だけがあった。
ブルース、君は偉いよ。本当に。
   



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