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歌曲集「啄木によせて歌える」楽譜になった15首

2015-10-20 21:34:20 | 短歌 俳句
      石川啄木の短歌 15首
      越谷達之助 氏が選び楽譜になっています

 若き日の一時期、これは極めて短い時期でしたが
啄木に深い関心を寄せたことがありました。
啄木の歌集「一握の砂」「悲しき玩具」「呼子と口笛」
など幾冊かの文庫本を読み終えた頃、日本史を教えて
いた先生が「時代閉塞の現状」を読むように本を貸して
下さいました。
作品名読み: じだいへいそくのげんじょう
副題(強権、純粋自然主義の最後および明日の考察)
当時はたいへん感銘を受けました。現代の日本を考察す
ると、今の時代にも充分適応する論説だと思います。
啄木は幸徳秋水が関わったとされる「大逆事件」などを
契機に社会主義思想に目覚めたとされています。
それはそれとして、誰もが啄木の短歌を読む限り青春の
惑い、淡い恋のゆらめき、故郷への郷愁など、自己の青春
時代と重なる純情さや、清冽な命への共鳴が広がるのでは
ないかと思います。
 百年以上前に生まれている「越谷達之介」氏が啄木の
短歌に心寄せ、抒情あふれる歌曲を織り成したことを思う
と15曲に及ぶ啄木の短歌を、再認識する良い機会となり
ました。
楽譜まで載せることはできませんが、以下に記載した15首
から、啄木の心と時代を汲み取れたら幸いです。

1 初恋
砂山の砂に腹這い 初恋の 
いたみを遠くおもい出ずる日

2 ある日
ある日、ふと、やまいを忘れ 牛の啼く
真似をしてみぬ妻子の留守に

3 わかれ来て
わかれ来て ふと瞬けば ゆくりなく 
つめたきものの頬をつたえり

4 やわらかに柳あおめる 
やわらかに柳あおめる 北上の
岸辺目に見ゆ泣けとごとくに

5 流木
砂山の裾によこたわる流木に 
あたり見まわし物言いてみる

6 入日影
うす紅く雪にながれて 入日影
曠野の汽車の窓を照らせり

7 雪あかり
さいはての駅に下り立ち 雪あかり
さびしき町にあゆみ入りにき

8 ダリア
放たれし女のごとく我が妻の
振舞う日なりダリアを見入る

9 友の恋歌
函館の青柳町こそかなしけれ 
友の恋歌矢ぐるまの花

10 ふるさとの空
ふるさとの空遠みかも 高き屋に
ひとりのぼりて愁いて下る

11 たわむれに
たわむれに母を背負いて そのあまり
軽きに泣きて三歩あゆまず

12 花
友がみな われよりえらく見ゆる日よ 
花を買い来て妻としたしむ

13 口説
宗次郎に おかねが泣きて口説き居り 
大根の花白き夕暮れ

14 夜霧
気がつけば しっとりと夜霧下りて居り
ながくも街をさまよえるかな

15 口笛
夜寝ても口笛を吹きぬ 口笛は
十五の我の歌にしありけり
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