辛口KOJIの 「キリリ」 といこう!!

HIV陽性者の家族と友人の会1st.geocities.yahoo.co.jp/gl/base_kobe

エイズ患者・感染者が急増、累計1万5037人に

2008年11月20日 | エイズの活動
今日の日記のタイトルは、読売新聞のものですが、どうして『急増』なのか意味不明です。

日本の年間のHIV感染・エイズ患者数が1000人を超えるのは4年連続ということで、倍増もしていないんです。とても急増しているとは言いがたいんです。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081119-OYT1T00649.htm

急増するのは、薬物使用(静脈注射による回し打ち)が増加している場合がほとんどで、日本の場合は、今はまだ深刻と言える状態ではありません。

急増しているのは、グラフの通り、お隣の台湾です。世界のHIVの指標では、これを急増と言うのでしょう。急増理由は、薬物使用です。日本では、なだらかな右肩上がり傾向にある。つまりこれを漸増といいます。

日本で今、最も深刻なのは、同性間の性的接触です。異性間の男性の中にも、男性同性愛者が入っている可能性が高いですから、対策は、まずそこからというのがごく普通です。

しかし、東京、名古屋、大阪、福岡など研究班のあるところ以外(札幌、仙台、那覇、横浜は対策を進めているが)は、ほとんど対策ができていないのです。そして、対策ができないのは、ゲイ・コミュニティ(日本ではゲイバーなどの集まるところ)が、少ないというのが最も大きな理由です。

つまり、ゲイ・コミュニティにターゲットを絞った啓発だけしかやってこなかったのですから、ある意味、ゲイコミュニティがないような日本の大半の自治体では、何をどうしていいのかさえ分からないのかもしれません。そして、研究班を中心とした予防啓発活動も10年以上が過ぎましたが、ますます増加する一方です。

これをどう見るか検証が必要な時期に来ていると私は考えています。

『ゲイに多いと言えば、差別・偏見が生じる可能性があるから』ならば、それを解消する努力をしなければならないことは明白です。しかし、それをやらない、または、やれない啓発活動が多いのです。

または、HIVの関係者はゲイに多いことを知っていますから、報道では、明示しなくとも、関係者は、暗黙のうちにゲイをやらなければならないのですが、やはり、やりやすいところの一般的な啓発か若者に向けてということになってしまいます。

神戸は、ゲイコミュニティをターゲットととしたものだけでは、あまりにゲイコミュニティが小さいので、有効ではありませんから、広く市民活動としての方向性を模索してきました。

人材も資金も全くの手弁当の状態ですが、3年間の活動を通じて神戸らしい対策の方向性が見えてきたと思っています。

今回の出版でも書きましたので、ぜひ、ご一読下されば嬉しいです。

この種の新聞報道は、全く正確な報道ではありません。日本では、大半の感染者が、まだ同性間ですから、HIVが広がっていない層にいくら検査を呼びかけても、検査数は増加しますが、新規の確認はそうそう増加しない状態が続いています。

つまり、税金の使い方としては、かなり無駄遣い状態の中で、無策を改めることなく、一定の評価を与えている国やエイズ動向委員会に問題があると言えるでしょう。

私は、今年は、自治体関係では、兵庫県下の神戸市、尼崎市、西宮市のエイズデーに関わらせて頂きますが、それらのエイズデーの方向性は、当然のことながら、

『HIV撲滅』ではなく、『ともに生きる』です。

エイズデーの共通テーマの『Living Together』は、いいにしても、『ちょっとの愛』や『大切なパートナーのために』は、使わず、先ずは、『ご自身のために』でしょう。

神戸もやっと関係者が、『ともに生きる』に馴染んできたところです。


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