気が付くと6時。カーテンを開けてベランダに出てみると、もう太陽が輝いている。やっぱり太陽が昇ると、人間前向きな気持ちになるものだ。さっきまでのどよ〜んとした雰囲気はどこかに消え、「よっしゃー、今日からレッスンだぞ〜」と叫びたい気持ちになっていた。今日も暑くなる予感がバリバリ。街はもう動き出していた。この時間ならラジオで音楽を聞いても大丈夫だろうと、部屋にあるラジカセ(カセットは壊れているが)のスイッチを入れ、アイ―リーFMにチューニングを合わせた。アイリーFM。自分にとっては日本でもぜひこのまま放送して欲しいと思えるラジオ局で、朝から晩までレゲエオンリーという、好きな人には最高の、嫌いな人には拷問のようなラジオ局である。ここ数年のルーツブームのおかげで、かかるレゲエも好みの曲が多く、名前すら聞いたことのない新人のすばらしい新曲を発掘したりすることができるのだ。
ご機嫌な時間を過ごしているうちに、もう9時近く。好きなことをしていると本当にあっという間に時間が流れていく。「しっかし、腹減ったなぁ…。でも両替をしていないからダウンタウンじゃ買い物すらできねぇしなぁ…」と思っているところにみよこさん登場。率のいい両替をしてくれる銀行に行ってからダウンタウンを案内してくれるとのこと。
ダウンタウン。色々なガイドブックには「観光客は近づかないほうがいいでしょう」と、なんの情報も与えられない場所。日本にいる限り、そういった間違った情報を信じるしかなかった。しかし、実際はちがった。みよこさん曰く「観光客が集まる場所のほうが、やばい連中が多い。観光客はお金を持っているからね。ダウンタウンのほうが現地の人達が生活している分、守ることをしっかり守ればそんなに危ない目にはあわないのかもしれない。でも、何がおこっても不思議じゃない場所であることは間違いない。」とのこと。
今回の訪JAまで、危険極まりないと身構えていたダウンタウンだったが、彼女のあまりにも普通に歩き出す姿にひきずられ、するっとダウンタウンへと足を踏み入れてしまった。(というか、アパート自体もダウンタウンの中にあるのだが) 彼女は歩きながら、相変わらずのマシンガントークでいろいろと説明をしてくれる。「ここのお弁当屋さんは安くてうまい。でも、4時くらいになったら閉まるから。」「ここのパンはおいしい。」などと空腹の私にはたまらないような情報を教えてくれる。それに加え「ここはあまり通らないほうがいいよ。自動車の整備工みたいな低賃金の人達が多く住んでいるから、ちょっと物騒。」などと、やはり安全に関する情報も少なくない。そしてついにこの話だ。「ここから先は絶対入らないでね。ゲットーだから。ここに入って何かあったら、私にもどうすることもできないから。というか、警察でも中がどうなっているのか把握していない場所だから。」と。そんな道がたくさんあるのだ。わかってはいたが「ゲットーってどんなところなんですか?」と聞いてみたが「低所得者が住んでいる地域ですよ。」と簡単に答えられてしまう。当然だ。それ以上知っているのはゲットーに住んでいる住民ぐらいだ。
入ったら最後になるかもしれないゲットーの中心へと続く道。そして旅行者である私が安全に歩くことのできる道。見た目に何の違いもなく、危険な匂いも嗅ぎ取ることができない。それほどそれらはあまりにも簡単につながっていた。レゲエが生まれた場所「ゲットー」への強い関心はあったが(だからこそ、それを察してみよこさんは強く『入るな』と言ったのだと思う)、命をかけるほどの義務感も興味も勇気もなかった私は「わかりました」と口に出す以外なかったのである。
ONE LOVE
次回予告
◆ 「ビンギマンと呼ばれた男」 第5章 プリン・スティーバとの出会い(3)をお届け予定です。ごめんなさい。レッスンは次or次次回からでした。
ご機嫌な時間を過ごしているうちに、もう9時近く。好きなことをしていると本当にあっという間に時間が流れていく。「しっかし、腹減ったなぁ…。でも両替をしていないからダウンタウンじゃ買い物すらできねぇしなぁ…」と思っているところにみよこさん登場。率のいい両替をしてくれる銀行に行ってからダウンタウンを案内してくれるとのこと。
ダウンタウン。色々なガイドブックには「観光客は近づかないほうがいいでしょう」と、なんの情報も与えられない場所。日本にいる限り、そういった間違った情報を信じるしかなかった。しかし、実際はちがった。みよこさん曰く「観光客が集まる場所のほうが、やばい連中が多い。観光客はお金を持っているからね。ダウンタウンのほうが現地の人達が生活している分、守ることをしっかり守ればそんなに危ない目にはあわないのかもしれない。でも、何がおこっても不思議じゃない場所であることは間違いない。」とのこと。
今回の訪JAまで、危険極まりないと身構えていたダウンタウンだったが、彼女のあまりにも普通に歩き出す姿にひきずられ、するっとダウンタウンへと足を踏み入れてしまった。(というか、アパート自体もダウンタウンの中にあるのだが) 彼女は歩きながら、相変わらずのマシンガントークでいろいろと説明をしてくれる。「ここのお弁当屋さんは安くてうまい。でも、4時くらいになったら閉まるから。」「ここのパンはおいしい。」などと空腹の私にはたまらないような情報を教えてくれる。それに加え「ここはあまり通らないほうがいいよ。自動車の整備工みたいな低賃金の人達が多く住んでいるから、ちょっと物騒。」などと、やはり安全に関する情報も少なくない。そしてついにこの話だ。「ここから先は絶対入らないでね。ゲットーだから。ここに入って何かあったら、私にもどうすることもできないから。というか、警察でも中がどうなっているのか把握していない場所だから。」と。そんな道がたくさんあるのだ。わかってはいたが「ゲットーってどんなところなんですか?」と聞いてみたが「低所得者が住んでいる地域ですよ。」と簡単に答えられてしまう。当然だ。それ以上知っているのはゲットーに住んでいる住民ぐらいだ。
入ったら最後になるかもしれないゲットーの中心へと続く道。そして旅行者である私が安全に歩くことのできる道。見た目に何の違いもなく、危険な匂いも嗅ぎ取ることができない。それほどそれらはあまりにも簡単につながっていた。レゲエが生まれた場所「ゲットー」への強い関心はあったが(だからこそ、それを察してみよこさんは強く『入るな』と言ったのだと思う)、命をかけるほどの義務感も興味も勇気もなかった私は「わかりました」と口に出す以外なかったのである。
ONE LOVE
次回予告
◆ 「ビンギマンと呼ばれた男」 第5章 プリン・スティーバとの出会い(3)をお届け予定です。ごめんなさい。レッスンは次or次次回からでした。









