回覧板

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短歌味体Ⅲ1702-1801(作品集)

2017年06月15日 | 作品集
短歌味体 Ⅲ      日付
短歌味体Ⅲ 1702-1703 なんとなくシリーズ 2017年04月30日
短歌味体Ⅲ 1704-1705 なんとなくシリーズ・続 2017年05月01日
短歌味体Ⅲ 1706-1707 なんとなくシリーズ・続 2017年05月02日
短歌味体Ⅲ 1708-1709 なんとなくシリーズ・続 2017年05月03日
短歌味体Ⅲ 1710-1711 なんとなくシリーズ・続 2017年05月04日
短歌味体Ⅲ 1712-1713 なんとなくシリーズ・続    2017年05月05日
短歌味体Ⅲ 1714-1715 地名シリーズ 2017年05月06日
短歌味体Ⅲ 1716-1717 地名シリーズ・続 2017年05月07日
短歌味体Ⅲ 1718-1719 地名シリーズ・続  2017年05月08日
短歌味体Ⅲ 1720-1721 吉本隆明シリーズ・続  2017年05月09日
短歌味体Ⅲ 1722-1723 地名シリーズ・続   2017年05月10日
短歌味体Ⅲ 1724-1725 最後の場所シリーズ 2017年05月11日
短歌味体Ⅲ 1726-1727 自然詠シリーズ  2017年05月12日
短歌味体Ⅲ 1728-1730 自然詠シリーズ・続   2017年05月13日
短歌味体Ⅲ 1731-1732 黙っていてもシリーズ 2017年05月14日
短歌味体Ⅲ 1733-1734 最後の場所シリーズ・続 2017年05月15日
短歌味体Ⅲ 1735-1736 最後の場所シリーズ・続 2017年05月16日
短歌味体Ⅲ 1737-1738 ありありとシリーズ 2017年05月17日
短歌味体Ⅲ 1739-1740 ありありとシリーズ・続 2017年05月18日
短歌味体Ⅲ 1741-1742 ありありとシリーズ・続 2017年05月19日
短歌味体Ⅲ 1743-1744 ありありとシリーズ・続 2017年05月20日
短歌味体Ⅲ 1745-1746 吉本隆明シリーズ・続  2017年05月21日
短歌味体Ⅲ 1747-1748 わけわからなくてもシリーズ 2017年05月22日
短歌味体Ⅲ 1749-1750 わけわからなくてもシリーズ・続 2017年05月23日
短歌味体Ⅲ 1751-1752 話すシリーズ 2017年05月24日
短歌味体Ⅲ 1753-1754 話すシリーズ・続 2017年05月25日
短歌味体Ⅲ 1755-1756 話すシリーズ・続 2017年05月26日
短歌味体Ⅲ 1757-1758 話すシリーズ・続 2017年05月27日
短歌味体Ⅲ 1759-1760 じぶんシリーズ 2017年05月28日
短歌味体Ⅲ 1761-1762 じぶんシリーズ・続 2017年05月29日
短歌味体Ⅲ 1763-1765 じぶんシリーズ・続  2017年05月30日
短歌味体Ⅲ 1766-1767 死シリーズ・続 2017年05月31日
短歌味体Ⅲ 1768-1770 死シリーズ・続  2017年06月01日
短歌味体Ⅲ 1771-1773 死シリーズ・続 2017年06月02日 
短歌味体Ⅲ 1774-1776 言葉ではシリーズ 2017年06月03日
短歌味体Ⅲ 1777-1778 言葉ではシリーズ・続 2017年06月04日
短歌味体Ⅲ 1779-1780 じぶんシリーズ・続  2017年06月05日
短歌味体Ⅲ 1781-1782 じぶんシリーズ・続  2017年06月06日
短歌味体Ⅲ 1783-1784 言葉ではシリーズ・続  2017年06月07日
短歌味体Ⅲ 1785-1786 言葉ではシリーズ・続  2017年06月08日
短歌味体Ⅲ 1787-1788 吉本隆明シリーズ・続  2017年06月09日
短歌味体Ⅲ 1789-1790 即興詩シリーズ・続 2017年06月10日
短歌味体Ⅲ 1791-1792 即興詩シリーズ・続  2017年06月11日
短歌味体Ⅲ 1793-1794 即興詩シリーズ・続 2017年06月12日
短歌味体Ⅲ 1795-1796 即興詩シリーズ・続 2017年06月13日
短歌味体Ⅲ 1797-1798 即興詩シリーズ・続 2017年06月14日
短歌味体Ⅲ 1799-1801 即興詩シリーズ・続 2017年06月15日

 

 


   [短歌味体Ⅲ] なんとなくシリーズ


1702
なんとなく落ち着かないのは
椅子の固さ
だけではなく底流するものがある


1703
ぼんやりと椅子に座れば
次々に
岸辺に寄せてくる記憶がある




   [短歌味体Ⅲ] なんとなくシリーズ・続



1704
主流から外れるように
側にある
人形を手に取ってみる


1705
なんとなくうれしい感じ
芽生え出し
からだも軽く浮かぶような




   [短歌味体Ⅲ] なんとなくシリーズ・続



1706
なんとなく手に取ってみた
ありふれた
小石がとっても重くなることがある


1707
飛び石をいつものように
踏んでいる
なんとなくcrackという言葉が浮上する




   [短歌味体Ⅲ] なんとなくシリーズ・続



1708
なんとなくこぼしてしまった
一滴
あれよあれよと波立ち泡立つ


1709
焚き火でものんびりしてると
パチパチパチ
付け火のように燃え上がり来る




   [短歌味体Ⅲ] なんとなくシリーズ・続



1710
一枚の葉を裏返す
見たことの
ない風景が流れている


1711
間にふと流れ込んだ
小さな風
ふたりの心の紙片をめくる




   [短歌味体Ⅲ] なんとなくシリーズ・続



1712
ほんとうはどうでもいいけど
仕事なら
たたいてのばしてまげなくては


1713
降り積もる今度やったらと
身構えて
雪解けの朝に出会うことがある




   [短歌味体Ⅲ] 地名シリーズ



1714
黒髪は見知ったひびき
健軍は
見知らぬ他人の響きがある

註.黒髪も健軍も熊本の町の名。


1715
見知った地の名を聴けば
耳底を
流れゆくもの跳ねる魚もいる




   [短歌味体Ⅲ] 地名シリーズ・続



1716
山田と聞けば響く子ども等の
三年の内に
降り積もった時のにぎわい


1717
福岡の飯塚の下の
山田はもう
嘉麻市になっちまって私の記憶は




   [短歌味体Ⅲ] 地名シリーズ・続



1718
「させほ」か「させぼ」か知らない
ちいさな字(あざ)が
夜の闇に明滅している


1719
ほんとうはどちらにも無縁
な音坂を
上り下り行き来して来たか




   [短歌味体Ⅲ] 吉本隆明シリーズ・続


1720
透き通る抽象の
度の強い
水をあおらないと〈あい〉は言えない「ある抒情」


1721
かたくなに拒んでしまう
〈愛〉は
波立つ大洋から審判される『母型論』




   [短歌味体Ⅲ] 地名シリーズ・続



1722
大観望に立ち眺めれば
遙かに
妻の実家の浮き立ち見える


1723
なんどもなんども行き来する
地の名は
まなざしの奧に匂いしみてゆく




   [短歌味体Ⅲ] 最後の場所シリーズ



1724
たったひと言でも
風になびき
転がり加速してしまう場所がある


1725
その峠一歩踏み越えて
しまったら
人と人とが変色してしまう




   [短歌味体Ⅲ] 自然詠シリーズ



1726
ザァーと雨の中を
潜り抜け
てゆくチャップチャップ着


1727
青葉前線波打ち
次々に
越えていく塗りつぶしていく




   [短歌味体Ⅲ] 自然詠シリーズ・続



1728
庭の木の枯れてしまった
すぐ隣
金木犀は威勢よく育つ


1729
たぶん葛(くず)が樹上を
制圧
するように根争いをしたか


1730
葛の花人の視線の
向こうで
日差しを浴びて紫の匂う




   [短歌味体Ⅲ] 黙っていてもシリーズ


1731
言葉やみ沈黙のカーテン
下りていても
位置と速度と情感は揺れる


1732
語っても黙っていても
わからない
内心の言葉の細道がある




   [短歌味体Ⅲ] 最後の場所シリーズ・続



1733
背後から一瞬の
痛撃は
たましいに閃光の走る


1734
もう どうでもいいやと
閉じていく
その一瞬、のスローモーション




   [短歌味体Ⅲ] 最後の場所シリーズ・続


1735
いいかげんくり返しても
そこをはずしたら
という最後のそこがある


1736
逃げ逃げて後追い来る
まぼろしに
おびえたたましいの落下していく

註.日々の事件を思って。




   [短歌味体Ⅲ] ありありとシリーズ



1737
ものごとには以前も以後も
ありありと
あって生きて歩いているぞ


1738
感動は日々薄れゆく
眼差しの
深みに触れ いまここに ありありと湧く




   [短歌味体Ⅲ] ありありとシリーズ・続



1739
深々と時の流れに
埋もるるも
急発進で浮上して来るイメージ


1740
忘れてたその人の名が
様々な
イメージ群引き連れて来る




   [短歌味体Ⅲ] ありありとシリーズ・続



1741
自らの嫌な部分
ああそれそれ
と思い出させる嫌々(ケンケン)迫る


1742
生涯の両端は
不明に包まれ
登りに登って?いまここにいる




   [短歌味体Ⅲ] ありありとシリーズ・続



1743
回転草は乾いた大地を
抜けていく
しっとり緑成す芽生えはあるか

註.「回転草」は、西部劇で枯れ草が転がる場面に出て来たもの。乾いた荒涼とした感じがあった。


1744
記憶像ふいと湧き立ち
現在の
イメージの生命線に立つ




   [短歌味体Ⅲ] 吉本隆明シリーズ・続



1745
まずかったなあ ああまずかったよ
静かに深く
対話する「五月の空に」


1746
ほんとうは口には出せぬ
鈍色(にびいろ)の
ひとりっきりの『悲劇の解読』




   [短歌味体Ⅲ] わけわからなくてもシリーズ



1747
そっけんほんみゃく
ぞっけん
ぼんみゃくどーいどい


1748
そこから入りゆっくり下り
右行けば
心たかぶる少年の日々




   [短歌味体Ⅲ] わけわからなくてもシリーズ・続



1749
ゆーらいあゆーゆーゆーゆ
ゆーらいあ
ゆーゆーゆーゆゆうらいあひーぷ


1750
あとひとつ小石積んだら
何かが
ひび割れねじれがらがらがらん




   [短歌味体Ⅲ] 話すシリーズ



1751
話している言葉の通路を
踏み外し
どっぴんしゃんと心手をつく


1752
「愛は」と語り出したら
後追う
白いカーテンの覆いかける




   [短歌味体Ⅲ] 話すシリーズ・続



1753
話してる薄膜隔て
浮かぬ顔
心の染みて浮上してくる


1754
話してるリズムに乗って
どんぶらこ
急流に入りウッキャキャキャ




   [短歌味体Ⅲ] 話すシリーズ・続



1755
寄せては返すつながりの
波束(はそく)の場に
揺れ揺られて話してるよ


1756
きみは今平均台に
乗っている
と気づいてしまうとバイブレーション




   [短歌味体Ⅲ] 話すシリーズ・続



1757
視野の隅をよぎって散った
木のひと葉
話してる軌道が少しずれる


1758
誰もいない静かな岸辺
言葉の石を
投げているるんるるんとはねていく




   [短歌味体Ⅲ] じぶんシリーズ



1759
ここはどこの細道じゃ
自分
ぶんぶんと飛び立つものがある


1760
引き絞り自分と言うとき
わたしの中
ひとつの場所を目ざす流れがある




   [短歌味体Ⅲ] じぶんシリーズ・続



1761
自分(ジブン)する場があって
じぶんと
みんなの方に分かれていく


1762
いろんな結合手の
ゆらゆらと
迫り来る間(あわい)にじぶんは立つ




   [短歌味体Ⅲ] じぶんシリーズ・続



1763
みんなみんなみんな
じろじろじ
ろじろじろじ視線の通路の


1764
視線は高層ビル下
湧いてくる
視線の村からの古びた手紙のように


1765
目まいする視線の渦に
ダイブする
遙かなまぼろしの村に立つじぶん




   [短歌味体Ⅲ] 死シリーズ・続



1766
心臓の拍動する
魂の
集落遙か、記号の脳都市は


1767
まぼろしを駆動する
ぶんぶんぶん
目まいするよ貧血のおお脳!




   [短歌味体Ⅲ] 死シリーズ・続



1768
通じない言葉の沼地
足捕られ
死臭のエロス飛び立つ鳥よ


1769
しなやかな具体のふるえなく
乾いた
言葉の大地病んだ記号の鳥よ


1770
死んだ記号の下に眠れ
わが沈黙は
若葉揺れる初夏を黙々とゆく




   [短歌味体Ⅲ] 死シリーズ・続



1771
見通したフーコーによれば
死は
全ゆるところに遍在する


1772
ということは言葉の内部も
生と死の
生動する分布がある


1773
したがって言葉の死は
いのちの
水源のからからからん




   [短歌味体Ⅲ] 言葉ではシリーズ



1774
ああそれはねそうそうそう
そこからは
ちょっと言葉では降下できない


1775
言葉道を走行している
どこにも
たどり着けないこともある


1776
急カーブ急発進
ここでは
どんな自由もあるあるあるさ




   [短歌味体Ⅲ] 言葉ではシリーズ・続



1777
言葉ではたどり着けない
峠だから
麓の方にただ手を振る


1778
言葉の舟には乗れない
事情があり
ただ微笑みながら歩いて行く




   [短歌味体Ⅲ] じぶんシリーズ・続



1779
みんなみんなみんな
ぶんぶんぶん
振り回してじぶんが溶けてしまってる


1780
じぶんの中滑走路があり
各地へ
行っては戻る自分飛行




   [短歌味体Ⅲ] じぶんシリーズ・続



1781
帰還する足取り重く
照らし出す
モビルスーツのほてりの余韻


1782
脱ぎ替えたふだん着の自分
鏡前
どう判定するかは思想の基準




   [短歌味体Ⅲ] 言葉ではシリーズ・続



1783
概念の空中ブランコ
出会えない
ゆあーんゆよーん足掻く言葉の


1784
言葉道で出会うには
街並みの
五十音に棚引く心模様よ




   [短歌味体Ⅲ] 言葉ではシリーズ・続



1785
言葉ではただ無音の
テレビを
見るばかりの時が流れる


1786
言葉では少し鋭角
すぎる交差
になってしまうラッシュアワー




   [短歌味体Ⅲ] 吉本隆明シリーズ・続



1787
もがいてもはい上がれない
蜘蛛の糸
人間界の「関係の絶対性」


1788
ふしぎかい?実感と実験
に芽生える
概念の誕生「内部の論理化」




   [短歌味体Ⅲ] 即興詩シリーズ・続



1789
何か見ても見ていなくても
ふいと地震
のように湧き上がってくる言葉


1790
あっ、はい。呼びかけられは
いつもふいに
感じてしまう心模様がある




   [短歌味体Ⅲ] 即興詩シリーズ・続



1791
道を踏み外してごろごろ
土手に出る
みどりの風に草の葉揺れている


1792
空虚な強い言葉で
蓋(ふた)しても
なんやねんとみどり洩れ立つ




   [短歌味体Ⅲ] 即興詩シリーズ・続



1793
次は何が沸き立つのか
わからない
ただ避(よ)けたり受けたりぶつかったり


1794
ひとりひとり魚のように
日々いろんな
物語の内を泳ぎ進む




   [短歌味体Ⅲ] 即興詩シリーズ・続



1795
ふと拾った木の葉揺れ
みるみると
赤く染まってゆくゆくは


1796
生きてる限りはセンサー
働き
みどりの周辺から葉脈へ




   [短歌味体Ⅲ] 即興詩シリーズ・続



1797
あわただしい時間と時間の
間には
ひっそりと下ってゆく斜面がある


1798
下った者には遙か上に
あっくせく
あっ苦急く蠢(うごめ)きのぼんやり見える




   [短歌味体Ⅲ] 即興詩シリーズ・続



1799
富士には月見草が
似合う
と思い始めたら額に座しゆく言葉よ


1800
赤富士だと思い始めて
あかあかと
もえゆく言葉の赤富士の


1801
翁(おきな)の嘆きも不治の
山に消え
貴種流離譚のフィナーレを奏(かな)づ




 

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