OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

クマゼミの産卵痕

2017年08月22日 | 今日このごろ
クマゼミの産卵痕

 庭の植木が伸びすぎたので剪定していたら、トネリコの枝に見慣れない痕があった。クマゼミの産卵痕と考えた。

産卵痕 以下いずれも 2017.8.21 小倉南区自宅

 産卵痕は、昨年剪定してできた枯れた部分で、直径1センチぐらいのところに限られている。上の写真では、左右二本の枯れ枝に見られ、左側では100か所以上、右の枝では50か所ぐらいの場所がささくれだっている。ささくれは、長さ3ミリ程度、幅0.8ミリぐらいで、どれも上方から差し込んだ産卵管で外に向かって樹皮を剥いたようになっている。ささくれの陰に産卵の穴がある。穴の配列には規則性は無さそう。

拡大写真

 内部がどうなっているか、二つに縦割りにしてみた。

枯れ枝を二つに割る(23日・画像を変更した)

 写真は、左が枝先側。スケールは1センチ。下に、上の写真を薄くして、穴の縁(青線)、卵(黄色)を示した。枝の中央を柔らかい木質の部分(黒線)が貫いている。穴は斜めに入って、次第に曲がり、枝の方向に近くなっていく。卵は白色で1ミリよりやや長い米粒型。
 庭から取ってきたこの標本、このあとどうしようか。クマゼミは樹の樹液を吸うから樹木のためにはよくないし、朝方やかましいから返さないのがいいのかなあ。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
面白い! (クロちゃん)
2017-08-22 23:58:54
セミの産卵痕、気にしたこと無かったです。
枝を割るところ、さすが先生ですね!
勉強になりました。
産卵痕 (OK)
2017-08-23 14:00:10
はずかしながら、木の枝にセミの卵があることは知っていましたが、確かなものは初めて見ました。

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