おかめそばを追っかけて

信州信濃の新蕎麦よりもあたしゃ「おかめ」のそばがいい

そば所 よし田(銀座)

2012年05月16日 | 中央区


銀座中央通りの一本裏手。
大店の、昔ながらの大衆的な蕎麦屋の雰囲気を色濃く残すファサードに惹かれ、吸い込まれるように店内へ。
入るとすぐ左手に2階への階段があったが、1階のテーブル席へ通される。
通りに面したところには小上がりも4卓あり、ご年配のご夫婦が瓶ビールを飲みながらくつろいでいた。

12時にまだならないというのに8割方が埋まっており、平日にもかかわらずスーツ姿の50代サラリーマン数組が、サントリーオールドのボトルをテーブルに置き、賑やかにやっている。
紫煙も上がっている。各テーブルには灰皿も置かれている。そうか。

壁にはつまみのメニューが短冊で貼られているが、値段の表記は見当たらない。
卓上のメニューもそれは同じ。
酒を飲み、つまみを取る客は値段を気にしないということか。そうかそうか。

一番安価なもり・かけは500円。おそらく機械捏ね、機械打ちでしょうが、銀座でこの価格は破格といっていいでしょう。
蕎麦もバリエーションは豊富で、確かこちらでは「コロッケそば(1,000円)」が有名だったと記憶していたが、ここはやはりおかめそばをお願いすることに。



●五目(おかめ)そば(950円)
具は見えるところでは、かしわ×2、筍×3片、かまぼこ×2片、鳴門巻、鶉の卵、三つ葉。下には海苔や油揚げも敷かれ、レモンの皮も一片添えられている。
メニューにもしっかりと“五目”と書かれてあるように顔を模したタイプではないが、随分と豪勢で賑やかな蕎麦である。
蕎麦切りは中庸で均一な太さ。生煮えではないが、やや硬いのが気になった。
甘汁は返しが強いのか黒みがちで、やや辛め。蕎麦とともに蕎麦湯も運ばれてきたので、好みによっては始めから埋めながら飲んでもいいかもしれない。

注文して供されるまでが5分。滞在時間は15分。
銀座での食事で時間が取れないときに、ふとまた思い出すかもしれない。


そば所 よし田
東京都中央区銀座7-7-8
03-3571-0526
営業:【月〜金】11:30〜22:00
   【土・祝】11:30〜21:00
定休:日

おかめ度:(★なし:五目蕎麦タイプ)
http://www.yoshidasoba.jp/store/
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翁庵(神楽坂)

2011年10月28日 | 新宿区


神楽坂下。
東京メトロ飯田橋駅B3出口の正面にあるのがこちら『翁庵』。

店内は右手に小上がりで6人掛けのテーブルが5卓、左手に4人掛けのテーブルが4卓、2人掛けのテーブルが1卓という構成。
厨房やレジがある奥のほうには「お座敷へどうぞ」といった案内が貼られていたので、2階もあるのかもしれない。
昼時をちょっと過ぎたせいか客入りはまばらだったが、ところどころで紫煙が上がっている。卓上には灰皿があるため、全席喫煙可なのでしょう。
比較的ご年配の方が多く、近隣の住民の憩いの場となっている模様。昔ながらの通し営業というスタイルもそれに起因しているのでしょうね。
席に着くと、お茶とともに冷奴が運ばれてきた。これはちょっと珍しい。
花番さんは3人いたが、1人は空いてる席でテレビを見ながら賄いを食べていた。いいなあ、こういう肩の凝らない雰囲気。

メニューは卓上にあるが、壁にも黒木に白で抜かれた古めかしい短冊で貼られてある。
一番安価なもり・かけは600円。おそらく機械捏ね、機械打ちでしょうね。
蕎麦は品数が豊富で、ご飯ものもお定まりのものが充実している。
またつまみの種類もなかなかのもので、夜は居酒屋使いする客も多そうです。
こちらでは「かつそば」なる豚カツが載った蕎麦が有名だそうだが、ここはやはりおかめそばをお願いすることに。



●おかめそば(850円)
具は蒲鉾×2、鳴門巻、麩、ほうれん草、椎茸、玉子焼きという構成で、柚子皮が一片浮かんでいる。運ばれた瞬間から柚子の爽やかな香りが鼻孔をくすぐる。
形は“崩れおかめ”というか、顔を模していない自由奔放タイプで、これといった感慨はない。
甘く炊かれた椎茸はなかなかよく、最後のデザート代わりになるかもしれない。
肝心の蕎麦切りはやや細め。蕎麦の香りは皆無に近い。
甘汁はやや辛めの仕上がり。卓上にはなぜか初めから蕎麦湯が置かれており、最後にちょっと埋めて飲んだ。

メニューを見ると「◎印は<冷やし>も出来ます」と書かれてある。
おかめそばにも印が付いており、今度は冷やしおかめが食べてみたいですね。


翁庵
新宿区神楽坂1-10
03-3260-2715
営業:【月〜金】11:00〜22:00
   【土・祝】11:00〜20:30
定休:日

おかめ度:(★なし:五目蕎麦タイプ)
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池の端藪蕎麦(上野)

2011年10月25日 | 文京区


1954年(昭和29年)6月創業。
言わずと知れた藪蕎麦御三家のひとつです。

辺りは上野の歓楽街のため猥雑で忙しない雰囲気もあるが、ここだけは別世界。
入口には緑が多く、水も流れており、落ち着いたイメージを醸し出している。

店内は左手に2人掛けのテーブルが2卓と4人掛けのテーブルが2卓、右手に小上がりで2人掛けのテーブルが6卓という構成。
この日の客層は圧倒的に年配の方が多いですね。20代、30代はまあ見られない。
また、BGMがないのがいい。流れている時間がどこか遅いような、そんな錯覚に襲われる。

卓上にあるメニューを見ると、一番安価なざる・かけは600円。老舗にしては良心的な値付けです。
板わさ(500円)、わさびいも(500円)、焼き海苔(500円)など古典的なつまみがあるのも魅力的。
また、日本酒が菊正宗の樽酒(600円)一種類なのも潔い。
蕎麦では巣ごもりそば(1,600円)も気になったが、やはりここはおかめそばをお願いすることに。



●おかめそば(950円)
具は蒲鉾×2、島田湯葉、庄内麩、三つ葉、鶉の卵黄という構成。葱と山葵が小皿で添えられている。
蒲鉾の配置や島田湯葉を使っている点など、幕末の頃、江戸・下谷七軒町にあった『太田庵(明治期に廃業)』が考案したおかめそばの原型をしっかりと守っている模様。ゆえに、卵黄や三つ葉がアシンメトリーなのが少し惜しい。
また、山葵が添えられているのも案外少ないんです。ぱっと思い出せるのは同じく藪蕎麦御三家のひとつである『並木藪蕎麦』くらいでしょうか。
細めの蕎麦切りは挽きぐるみだそうですが、その姿は見ためにも可憐で美しい。汁の熱さにも負けず、凛とした存在感がある。
甘汁は透明感がある。藪蕎麦だからといって辛すぎることはなく、また甘すぎることもなく、出汁の主張も穏やかで、バランスが非常に優れている。すべての要素が混然一体となったそれは、“幸せ”の一言である。
ひさびさに“品”を感じるおかめに出合えました。


池の端藪蕎麦
文京区湯島3-44-7
03-3831-8977
営業:【月〜土】11:30〜14:00、16:30〜20:00
   【日・祝】11:30〜20:00
定休:水
http://www.yabu-soba.com/

おかめ度:★★★(正統派おかめ)
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音羽 甲州屋(江戸川橋)

2011年09月26日 | 文京区


目白坂下南。
江戸川橋駅からもほど近く、まさに江戸川橋のはす向かいにあるのがこちら『音羽 甲州屋』。

最近建て直したのかファサードはモダンで、白い暖簾が秋風になびく。
なかに入ると採光はよく、清潔感ある空気が漂う。
ただ、花番さんが独りで忙しいためか入っても「いらっしゃい」の声がなく、左見右見し、なんとなく空いてる席に座ってしまった。
あとから来た客はそれに焦れたのか、空席があるにもかかわらず帰ってしまっていた。

店内は中央に10人掛けの大テーブルがあり、それを囲むように4人掛けのテーブルが5卓、2人掛けのテーブルが1卓という構成。
卓上には灰皿があり、全席喫煙可なのが古い店だと想像させる。
水はセルフサービスで大テーブルに置かれており、各テーブルの客は各々注いで歩いていた。

メニューは卓上にあるが、壁にも古めかしい短冊で貼られてある。
一番安価なもり・かけは530円。おそらく機械捏ね、機械打ちでしょうが、都内でもかなり安い部類に属する。
そうめんや冷やしたぬきなど、季節商品にも力を入れている様子。
ご飯ものは玉子丼を筆頭に、カレー丼、親子丼、カツ丼、天丼などお定まりのものがいくつかある。
目的のおかめそばはメニューになく、「おかめうどん(750円)」の文字が見える。
「おかめそばは出来ますか?」と花番さんに訊くと、「出来ますよ。メニューに書ききれなくて……」との答え。
おかめそばをお願いすると、15分ほどで出てきた。



●おかめそば(750円)
具は麩、椎茸、筍×2、蒲鉾、鳴門巻、ほうれん草、茹で卵という構成。葱が小皿で添えられている。
湯気が立つほど熱々だが、レンゲは付いていない。所望すると、すぐに持ってきてくれた。
形は“崩れおかめ”というか、顔を模していない自由奔放タイプで、鳴門巻や茹で卵があるせいか、どことなく醤油ラーメンを想起させる。
椎茸は甘く炊かれており、なかなかの美味。蒲鉾も分厚いのが好印象。
肝心の蕎麦切りはやや白みがちで、太さは平均的。蕎麦の香りは皆無。
甘汁は出汁と醤油の調和が良好で、すっきりとしている。喉が渇くことなく、自然と全部飲み干してしまった。


音羽 甲州屋
文京区音羽1-2-18
03-3941-5488
営業:11:00〜21:00
定休:日

おかめ度:(★なし:五目蕎麦タイプ)
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並木藪蕎麦(浅草)

2011年02月28日 | 台東区


言わずと知れた藪蕎麦御三家のひとつ『並木藪蕎麦』。
建物はいつのものかは分からないが、大正2年(1913年)創業のこの店がこのたび改装すると聞き、最終営業日である2011年2月28日(月)にお邪魔してきた。

開店の11時よりもちょっと早めに着くと、並んでいるのは2人だけ。
混雑すると思っていたためちょっと拍子抜けしてしまったが、それがまた老舗店の醸し出す気張らない風格だからこそかもしれない。
いつもと変わらない味とサービスが提供され、時間と空気が穏やかに流れている。
ただ、天気だけはいまのたたずまいを偲んでか、涙雨。

店内は4人掛けのテーブルが1卓、6人掛けのテーブルが2卓、小上がりで4人掛けのテーブルが2卓、6人掛けのテーブルが2卓という構成。
入ると白の割烹着姿のベテランの花番さんが傘を預かってくれ、「どちらへでもどうぞ」と言うので小上がりへ座る。

メニューは卓上にはなく、壁に半紙で貼られている。
菊正宗の「樽酒(700円)」を飲みながら、「おかめそば」をいただくことに。



●おかめそば(950円)
一目で心を奪われた。
松茸こそ使われていないが、島田湯葉の下は松茸を模した生麩、それにかまぼこが2枚。
幕末の頃、江戸・下谷七軒町にあった『太田庵(明治期に廃業)』が考案したおかめそばが、そのまま蘇ったかのようです。
箸を付けるのが惜しく、しばらく見惚れてしまった。
いままで見たおかめのなかで、間違いなく一番美人でかわいい。

改装工事は2011年3月1日(火)から始まり、完了予定は10月30日(日)。
どのようなファサードや内装になるのかは分からないが、過剰な期待はせず、それでもちょっとはロマンを夢見ながら待つことにしましょう。
またこの美人に会いたいなあ。


並木藪蕎麦(浅草)
東京都台東区雷門2-11-9
03-3841-1340
営業:11:00〜19:30
定休:木曜
※2011年3月1日(火)から10月30日(日)は改装休業

おかめ度:★★★(正統派おかめ)
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