風になった君へ・・・

１０月２日
水前寺競技場に於いて開催された
マスターズ陸上　九州大会。

我が岡岳アスリートクラブから７名の選手が参加した。






でもこの日
選手達の胸中は悲しみでいっぱいだった。
でも見えたかな？
みんな思いは一つだったんだよ・・・。



選手の心中を現しているのか
どんよりした曇り空。



時折強く吹く風に乗り運ばれてくる
金木犀の香り。










「そるたん」１６歳

そして君が１５歳


私たちは
まだ少年少女だった高校時代に
お互いの存在を知りました。

放課後、道場横を通るたびに
まだ、あどけなさの残る幼い表情には
みなぎる闘志が見え隠れしていました。


私は陸上部
君は柔道部
それぞれ違うクラブに席を置き
お互いの存在は知りつつも
挨拶程度で
一言の会話をすることも無く時は流れました。


２００１年だったかな？


下益城郡対抗の駅伝大会で
見覚えのある名前を見つけました。


高校を卒業して２５年近い月日が経っていたけれど
間違いなく君でした。


タスキを繋ぐために必死で頑張っている君に
「○○○君！ファイト！！」
と私は声をかけました。


君の表情は必死の形相から
「だれ？こんな所で俺を君づけで呼ぶのは？」
と言わんばかりの驚いた表情に変わりました。


それから懐かしい話に花が咲き
家族ぐるみのお付き合いが始まって
そして２００２年の１１月に
岡岳アスリートクラブが発足されました。

設立者の上田氏、佐藤選手そして君とで
３兄弟(別名・３バカ兄弟)
お互いの家族を交えてよく飲み会もしましたね。


県民体育祭
リレーマラソン
デコポン駅伝
マスターズ駅伝では同じチームで汗をかき


春闘駅伝ではライバルとなり
君と過ごしてきた時間はとてもとても
大切な時間でした。


一方トライアスロンという
過酷な競技でも大活躍でしたね。


そんな強靭な肉体と精神力を持った君



まるで朽ちた木がポキリと簡単に折れてしまうように・・・


家族は勿論
知人友人そしてアスリートクラブの仲間
職場の人たちの戸惑いは隠せません。



小さな箱に眠る君に私は文句をいいました。
「３人で走る約束してたじゃない！」



今年の２月
マスターズ駅伝の打ち上げが君との最後になってしまいました。



数十年の時を経て
スポーツを通し同じ街で再会し
色んな形で歩いてこられた事。


私をはじめ岡岳アスリートクラブの皆も忘れはしないよ！






君が眠りについたこの時期に
仄かに漂う金木犀の香り。

来年も再来年もずっと先も
この香りが風に乗り漂う季節には
きっとすぐ近くに君が居ることを感じ取れるかもしれないね。






君の愛する家族
遠くからそっと見守ります。


安らかに・・・。


でもサヨナラは言わないよ。











岡岳アスリートクラブマネージャー
そして先輩「そるたん」より。