トドの小部屋

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終わった人

2017-03-07 15:19:51 | 
内館牧子さんの「終わった人」(講談社)を読み終わりました。ここでの「終わった人」は定年退職して、第一線を退いた人を指します。私も退職した身。「終わった人」なので読んだ1冊でした。主人公の田代壮介は東大の法科を卒業し、メガバンク万邦銀行(合併後はたちばな銀行)に就職。仕事人間で、とんとんと出世し、役員昇格の可能性が出てきた40代の終わりごろ、同期との出世競争に負け、49歳でたちばなシステム株式会社(子会社)に取締役総務部長として出向させられた。そして2年後には転籍を命ぜられ、たちばなシステム株式会社の社員となった。もはや本部に戻る芽は摘みとられた。それでもたちばなシステム株式会社を自分が来たことで良くしようと努力し、専務取締役で定年を迎えた。たちばな銀行から転籍前に取締役になっていたので年俸1300万円は最後まで保証されていた。しかし、サラリーマンとして、彼はやりきった感がなかったのだった。退職後の毎日をいかにして過ごすか、時間つぶしの苦痛な日々。やりたいこともとくになく、フィットネスクラブに行ってもジジババのサロン。カルチャーセンターに行き、郷里の岩手出身の石川啄木を学び、東大大学院に進学するための論文を書こうかなど、いろいろ画策するが、本心は仕事がしたいのだった。彼はまだ「終わった人」になりたくなかった。カルチャーセンターの受付の女性に報われない恋もした。そんなある日、カルチャーセンターで知り合った鈴木という若いIT企業経営者から、経営顧問になってほしいと依頼される。鈴木の「ゴールドツリー」は社員の平均年齢が若く、65歳の壮介の企業経験と年齢的重みを必要としていたのだった。壮介はその申し出を受け入れ、ゴールドツリーに経営顧問として勤務することになったのだったが・・・仕事だけが生きがいだった人はこうなるのかなぁと思いながら読みました。内館さんが書いておられる「あとがき」にもとても納得した私なのでした。お薦めです。
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