王子ペットクリニック
犬・猫・小動物、がんと免疫療法・・・ペットのことは当動物病院にご相談ください。



本日はリンパ球療法を行いました。

この子は口腔内に悪性の腫瘍があります。

リンパ球療法とは自分の血液からリンパ球を分離して、培養・増殖させて、また体に戻すという療法です。腫瘍の進行を抑えたり、QOLの改善を目的としています。

また、この治療は副作用が本当に少ないのが大変いいところです。

今日は培養したリンパ球を初めて投与しました。







増殖培養中のリンパ球です。これを、血液の中に戻すことでがん細胞と作用させます。副作用はほとんどありません。
外科治療、化学療法と組み合わせることがより効果的です。











自己活性化リンパ球療法の4つの特長について述べておきましょう。

(1)副作用がほとんどない
(2)延命効果が期待できる
(3)自覚症状(QOL)の改善がみられる
(4)他療法との相乗効果


(1)副作用がほとんどない

自らのリンパ球を増殖して投与する訳ですから、拒絶反応など、副作用の心配がほとんどありません。だからどのような段階のガンであっても、また、患者さんの体の衰弱が激しくても、長期にわたって安心して使うことができます。また抗ガン剤や放射線療法との併用効果についても研究されており、免疫力強化や副作用の軽減などが報告されています。患者さんにとって最大の利点です。

(2)延命効果が見られる
現在、免疫療法を行っている患者様の中には末期ガンと呼ばれる段階の方が多くいらっしゃいます。その半数以上は、体が弱りきっていたりガンの転移が広範囲に及んでいたりして、手術療法や放射線療法などの治療法を選択できません。抗ガン剤などで、体を痛めつけるのではなく、なるべく癌を大きくしないことに主眼をおいた治療法になります。

(3)自覚症状の改善が図れる
ガンが進行すると痛みや貧血など、患者さんにとって大変つらい自覚症状が現れますが、免疫療法にはこうした苦痛をやわらげる作用があります。自覚症状が改善されることで、たとえ体内にガンが残っていたとしても、患者さんは通常の生活を送ることができるようになります。食欲がなく体重の減少が見られるような症例でも、リンパ球投与後に食欲が戻り体重が増加するような効果が期待できます。

(4)他の療法との相乗効果
手術後の再発予防のみならず、他の治療方法との併用による相乗効果が期待できます。化学療法、放射線療法、さらには漢方療法、温熱療法などの様々な治療法との併用で効果を上げている症例があります。他の療法による副作用の軽減といった効果も期待できます。





人体はおよそ60兆個の細胞が集まってできています。ガンは、この膨大な数の正常細胞のうちのたった一つの細胞が、ガン細胞に変化するところから始まります。正常細胞がガン細胞に変わると、次のような特徴を持ちます。

<無限に増殖する>
ガン細胞は宿主(患者さん)から栄養をとれるだけとって、ひたすらふえ続けようとします。

<浸潤する> ガン細胞はたんぱく質を破壊する酵素を出し、周囲の組織や臓器の壁を食い破って体の奥深くへ侵入し広がっていきます。

<転移する> ガン細胞は群をなすまでに成長すると、血液やリンパ液に乗って体の別の場所へ移動し、移動した先々の組織や臓器を破壊していきます。


こうした性質はガンが成長するに従って現れてきます。ガンはその成長過程に即して、「早期ガン」「進行ガン」「末期ガン」に分けることができます。早期ガンのなかでもごく初期のものは「初期ガン」、また、現在はガンではないけれどもほうっておけば将来ガンになる可能性があるものを「前ガン病変」と呼びます。

早期ガンとは、ガン細胞はあるけれどもまだ浸潤や転移は起こっていない状態です。したがって、手術でガンを確実に取り去ることができ、完治も期待できます。

治療が難しくなるのは、浸潤、転移が起こる進行期以降です。この時期では、ガンが体のあちこちに転移していることが多く、手術によって完全にガン病巣を取り除くことが非常に困難となります。また、ガン細胞が広がるにつれて、臓器や組織の正常な働きが侵され、患者さんの全身状態も悪くなるという問題も生じます。

このようにガンは進行するにしたがって性質が変わっていくので、治療の取り組み方も初期、早期と進行期以降ではおのずと異なってきます。





<免疫細胞療法>
 全身療法 免疫細胞療法には、特異的免疫細胞療法と非特異的免疫細胞療法があります。特異的免疫細胞療法として樹状細胞療法、非特異的免疫細胞療法として活性化リンパ球(LAK)療法があります。副作用のほとんどない癌治療法として期待されていますが、経費と人手がかかることが問題となっています。

<手術>
局所療法 手術は、癌の病巣を直接身体から取り除くことができます。主に初期の癌に有効で、進行した癌では、転移癌や微小な癌が残っている可能性があり、完全に取りのぞくことは困難です。また、正常な部分(臓器)も一部とらなければならないこともあるので、それによる合併症がおきたり、生活の不自由が残ることがあります。

<化学療法(抗癌剤)>
全身療法 化学療法は、化学物質(抗癌剤)を用いて癌細胞の分裂を抑え、癌細胞を破壊する治療法です。抗癌剤には、癌細胞を死滅させるとともに、正常な細胞も傷害させてしまうという作用があります。理想的な抗癌剤は癌細胞だけに作用して、正常な組織には作用しないという薬ですが、残念ながらそのような薬は現在のところ存在しません。

<放射線・粒子線>

局所療法 放射線・粒子線は手術と同じく、癌とその周辺のみを治療する局所治療です。手術と異なるところは、臓器を摘出する必要がないので、治療前と同じような生活をすることが可能な治療手段であることです。近年、これらの技術は急速に進歩し、癌組織だけを照射し、周囲の正常組織にはできるだけ照射しないようにすることが可能になってきました。

<ホルモン療法>
全身療法 ある種の癌では、癌細胞の発育にホルモンを必要とします。そのホルモンと反対の作用をするホルモンを投与して、癌細胞の発育を阻止する治療法です。治療の対象となる主な癌は、乳癌、子宮体部癌、前立腺癌、甲状腺癌、腎癌などです。

<分子標的医薬>
全身療法 従来の抗癌剤の開発は、いかに癌細胞を殺傷するかに重点が置かれて開発されてきたため、癌細胞と正常細胞を区別する力が乏しく、結果として多くの副作用が生じていました。しかし、近年の分子生物学の進歩により、癌細胞だけが持つ特徴を分子レベルでとらえられるようになりました。それを標的とした薬が、分子標的医薬です。

<BRM療法>
全身療法 BRM療法は免疫系をはじめとして、身体全体の働きを調節することにより、治療効果を得ようとする治療です。つまり、癌を治そうとする患者さん自身のもつ力を手助けし、強めるものです。この治療法は単独で行われるよりも、むしろ免疫能が低下してしまう手術や放射線、化学療法などと併用することで、その治療効果を期待します。

<その他>
・血管新生抑制作用のある薬剤 セレブレックス、サリドマイド等
・温熱療法 温熱療法は、癌細胞が正常細胞と比べ熱に弱いという性質を利用した癌の治療法です。
・食事・サプリメント





癌と免疫について
人間には生まれつき免疫とよばれる働きが備わっており、体の中に侵入した細菌やウイルスを、体の中から取り除く働きがあります。
予防注射もこの原理を応用したもので、例えば「はしか」の予防注射を行って免疫をつけると「はしか」のウイルスは体の中に入ってこられなくなります(排除されます)。

体の免疫は、癌ができたり、転移したりすることとも、密接な関係があります。体の免疫力が低下した状態、例えば後天性の免疫不全症候群(エイズ)や薬によって生じる免疫の抑制された体の状態では、癌ができやすくなることが知られています。
癌は通常、手術や抗癌剤、放射線で取り除こうとするのが一般的ですが、近年はこれとは別に、人間の体に生まれつき備わっている免疫の力を利用したり、免疫の力を強めたりすることで癌の発症や進展を抑えようとすることが試みられています。これが免疫療法と呼ばれているものです。

免疫療法には特異的免疫療法と非特異的免疫療法というものがあります。

 <特異的免疫療法>
樹状細胞療法、ガン抗原認識型活性化リンパ球療法
患者様の癌を狙い撃ちすることができる、攻撃力の高い免疫反応が期待できます。
微小な癌に対して治療効果が期待できます。

<非特異的免疫療法>活性化リンパ球療法、BRM療法など

攻撃力は高くはないが、免疫力を全体的に高めることが出来ます。
微小な癌に対して治療効果が期待できます。