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癌の「治療抵抗性」獲得機序を解明

2017年03月06日 19時50分59秒 | 医療情報
癌の「治療抵抗性」獲得機序を解明
東京医歯大、生体内で肝癌薬剤耐性株の作成に成功
QLifePro 医療ニュース2017年3月6日 (月)配信 癌投薬に関わる問題

 東京医科歯科大学は3月1日、肝細胞がん(肝がん)において生体内で抗血管新生剤の耐性株を作成することに成功し、治療抵抗性を獲得する分子メカニズムを世界で初めて明らかにしたと発表した。この研究は、同大大学院医歯学総合研究科分子腫瘍医学分野の田中真二教授、島田周助教、秋山好光講師、大畠慶映大学院生の研究グループによるもの。研究成果は「Molecular Cancer Therapeutics」オンライン版に2月28日付けで掲載されている。
 抗血管新生療法は、肝がんを含む多くのがん治療に使用されているが、初期には有効であっても繰り返し治療を続けると、やがて治療抵抗性を獲得し、再発や進行することが問題となっている。そこで今回の研究では、ヒト肝がん細胞を免疫不全マウスに皮下移植して、抗血管新生剤を投与し継代していくことで、薬剤耐性株を樹立することに成功。その薬剤耐性株を解析した結果、生体内で治療抵抗性を獲得するメカニズムを解明したという。
 研究グループは、抗血管新生剤を用いた長期的な治療により、生体内でがん細胞遺伝子のエピゲノム変化(プロモーター領域のDNA脱メチル化およびヒストン活性化修飾)が起こり、薬剤耐性化を起こすことをつきとめた。その結果、がん幹細胞化に関与するthymosin beta 4(Tβ4)の遺伝子発現が誘導され、治療抵抗性を獲得することが示唆された。実際の肝がん患者でもTβ4陽性の症例では、抗血管新生剤が効きにくいことが確認されており、感受性バイオマーカーのひとつであることがわかったという。
 今回の研究は、臨床での治療に近い状態を想定し、長期間の反復薬剤投与によって抗血管新生治療耐性の肝がんモデル化に成功し、生体内のエピゲノム変化によって薬剤耐性を獲得することを証明したもの。この成果は、がん治療抵抗性メカニズムを解明する重要な発見であり、エピゲノム変化の制御によって薬剤耐性化を阻止する新たな治療法の開発が期待されると、研究グループは述べている。
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