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(波聞風問)消費増税延期 2度あることは3度ある? 原真人

2017年04月25日 22時42分23秒 | 行政
(波聞風問)消費増税延期 2度あることは3度ある? 原真人
行政・政治 2017年4月25日 (火)配信朝日新聞

 増税延期がなければ消費税率は今月から10%になっていた。昨年6月、安倍首相は突如「世界経済が大きなリスクに直面している」と増税の2年6カ月先送りを決めた。
 その後の米欧経済はけっこう良好で、国内も失業率が3%を切る完全雇用状態で悪くない。首相の見立ての誤りは明らかで、改めて延期の判断に疑問がふくらむ。
 それだけでない。いま専門家たちの間で2019年10月に再々設定された増税時期についても「延期される恐れが強い」(BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミスト)との見方が広がっている。なぜ、これほど早く「再々延期説」がくすぶるのか。
 第一に、長期政権化する安倍首相がそもそも消費増税に消極的なことがある。首相は政権発足前から決まっていた税率8%への引き上げは容認したものの、税率10%を2度延期している。同じ政権が2回も不人気な消費増税をさせられることに不満らしい。
 第二に、2年半後の景気のゆくえだ。19年秋の増税は、翌年に開催される東京五輪で経済が盛り上がっているから大丈夫という前提だった。だがオリンピックバブルは往々にして前年にはじける。建設投資があらかた終わり、翌年の開催が終われば消費ブームも去ると知れているからだ。
 第三に、これが一番大きいのだが、昨年の延期で「首相の公約」が簡単に覆される軽いものだとわかったことだ。最初の延期の際、首相は「再び延期することはない。みなさんにはっきりそう断言する」と公約した。だが2度目の延期会見で悪びれることなく「これまでのお約束とは異なる『新しい判断』」と、驚くべき言い訳を通した。
 とはいえ「3度目の延期」となれば、さすがに日本の財政再建への決意は国際市場から強く疑われることになるだろう。その行き着く先は日本国債や通貨円の崩落である。
 世界経済のお目付け役も心配なのだろう。最近来日した経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長は日本記者クラブの記者会見で、「2%幅引き上げが政治的な打撃になるなら、毎年1%幅ずつでもいい。難しい決断は先送りしやすいが、早くやってしまったほうがいい」と、日本政府の背中をおした。
 一方、増税反対派の殺し文句はいつも「消費増税で景気が悪くなれば元も子もない」だ。増税前には駆け込み需要があり、実施後はそのぶん消費が一時落ち込む。8%への引き上げ時には落ちこんだ底からなかなか回復せず、日本銀行でさえ、それが消費増税のせいだったと名指しした。
 ところが政府が改定した新しい国内総生産(GDP)統計データが昨年末に発表され、新たな事実が判明した。増税後の家計消費支出が思ったより回復していたのだ。
 「消費税犯人説」の根拠は大きくゆらいでいる。首相が再び延期するなら、今度はどんな理由をつけるのだろう。
 (はらまこと 編集委員)
 波聞風問(はもんふうもん)
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