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なっちゃん、SOS出したのに 虐待死、生かされぬ教訓

2016年10月18日 11時52分56秒 | 
なっちゃん、SOS出したのに 虐待死、生かされぬ教訓
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バルーン割るやつ(16/10/17 15:00)
http://digital.asahi.com/articles/ASJB25R1XJB2UUPI005.html?rm=522

 「ばあちゃん、ばあちゃん」。なっちゃんと呼ばれていた当時4歳の女の子が照れるように玄関に立っているのを見て、祖母(63)は驚いた。兵庫県三田市の自宅から祖母の家まで7キロの道を一人で歩いてきた。2009年春のことだ。

 なっちゃんは継母から「どこでも好きなところに行け」と言われたという。祖母は「小さな子を一人で出してどういうことだ」と思い、虐待の疑いがあるとして、市に相談した。

 なっちゃんは2歳の時に実母を病気で亡くし、しばらく祖父母に預けられていたが、父親の再婚を機に、父と継母のもとで暮らすようになっていた。

 親族や自治体への取材、裁判記録、県の検証報告書などによると、なっちゃんは何度も虐待の「サイン」を発していた。

 09年夏、なっちゃんのほおにたたかれた痕があるのに幼稚園が気づいた。虐待があったとして、県が管轄する児童相談所(児相)が一時保護したが、1カ月ほどで自宅に戻した。預かり時間が長い保育所に通わせて継母の育児の負担を軽くし、見守ることにした。

その保育所も、顔などのあざや傷に3度気づいたが、日常で起こったけがだと判断し、すぐに市に知らせなかった。

 そして09年11月、なっちゃんは自宅で倒れて病院に運ばれ、5日後に亡くなった。5年と3カ月の命だった。死因は急性硬膜下血腫による脳機能障害。継母は暴行を否定したが、裁判では頭に強い衝撃を加える暴行があったと認定された。

 翌10年、県の児童虐待防止委員会が事件の検証報告書をまとめた。なっちゃんのあざや傷などの情報が市や児相に十分に伝わっていなかったとして「どんな小さなけがでも市や児相は保育所から正確な情報提供を求める必要がある」などと指摘した。

 だが、虐待の疑いがあると真っ先に市に相談していた祖母は、県から事情を聴かれることはなかった。祖母はさまざまな異変に気づき、幼稚園にも「変わったことがあれば教えてほしい」と見守りをお願いしていた。報告書はこうした経緯には触れていない。

 祖母が暮らすマンションの部屋には、なっちゃんの写真が並ぶ。外出をする時も寝る時も声をかける。「なっちゃんはいっぱいSOSを出していたのに、周りの大人たちが救えなかった。何が起きていたのか報告書で丁寧に検証してほしかった」

 報告書がつくられて1年もたたない11年6月、同じ兵庫県の姫路市で、保育所や行政の連携不足が指摘される事件が起きた。2歳の男の子が母親の交際相手に転ばされたうえ、上半身を強く揺さぶられて意識不明の重体になった。このときも、男の子が通っていた保育所が頭や足のけがの痕に3回気づいていたが、防ぐことはできなかった。

■教訓、生かされたケースも

 虐待事件の検証が十分に生かされていない。福岡市では09年、生後7カ月の男児が育児放棄(ネグレクト)で亡くなった。男児は乳幼児健診を受けておらず、家庭訪問でも会えていなかった。これを教訓に市は、未受診の家庭を保健師が訪問し、原則2度会えなければ情報を他の関係部署とも共有して対応するなどのルールをつくった。

 こうした改善策は全国に広がらず、未受診の子が虐待の被害に遭う事件はその後も続いた。11年に、健診に来なくなった青森県の6歳男児が父親の暴行で死亡。県は13年、未受診の子の情報収集を強化するよう市町村に呼びかけた。

 神奈川県厚木市でも14年、同じように健診を受けなくなった男児が白骨化した遺体で見つかった。父親のネグレクトで5歳ごろ死亡し、7年以上たっていた。

 一方、検証の教訓が、情報共有の新たな仕組みに生かされたケースもある。

 和歌山県で13年、父親が2歳の男児に暴行を加えて死亡させた事件。父親は11年にも男児への傷害容疑で逮捕され、男児は児相に保護された後、乳児院に移されていた。だが父親が不起訴処分になった約1年半後、児相は親子関係が良くなったとみて親元に戻した。事件はその直後に起きた。

 和歌山地検は11年の事件について、「常習的に行った証拠がない」として不起訴(起訴猶予)にしていたが、児相は「虐待の事実が明らかでない」と誤って判断していた。児相は地検に理由を聞いておらず、検証報告書では「児相が適切な判断を行うには捜査情報などを得ることが望ましい」と指摘された。

 これを受け、県は法務省に虐待防止のために捜査情報を児相に提供するよう要望。同省は14年、児童虐待事件に関する捜査の経緯や不起訴処分の理由などを児相に情報提供するよう全国の検察に通知した。(五十嵐聖士郎、山本奈朱香)

     ◇

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