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肥満症、増える手術 胃切除に保険適用、後遺症の心配も

2015年09月08日 22時34分29秒 | 医療情報
肥満症、増える手術 胃切除に保険適用、後遺症の心配も

その他 2015年9月8日(火)配信朝日新聞

 肥満が原因の病気を抱える患者は、服薬や食事、運動療法などで減量を行う。そうした治療で改善しないときに、腹腔(ふくくう)鏡を使って胃を小さくする外科手術がある。昨年4月から、手術法の一つに公的医療保険が適用され、件数も年々増加している。ただ、後遺症が出ることもあり、慎重な判断が必要となる。

 千葉市のパート従業員の女性(42)は、小さい頃から太り気味だった。40歳を過ぎた頃から腰やひざの痛みがひどくなり、地元のかかりつけの診療所で痛み止めを処方してもらった。

 その度に減量の指導を受けたが成果が出ず、ストレスで逆に体重が増えた。糖尿病の診断を受け、昨年6月に千葉大病院(千葉市)の内科を受診した。

 身長は157センチで、受診時の体重は115・5キロ。体重を身長の2乗で割る体格指数(BMI)は46・9。25以上の「肥満」、35以上の「高度肥満」を大きく超えていた。

 通っていた同病院では胃の縮小手術を実施しているのを知った。食道・胃腸外科が行っていた腹腔鏡手術は自費診療で約200万円。だが、手術法の一つ「スリーブ状胃切除術」が昨年4月から保険適用となり費用が25万円以下になると判明。同病院が認可後の11月に手術した。手術前後に約1カ月間入院し、負担は16万円ですんだ。

 現在は月に1回、内科に通い、診察のほか、運動や食事の指導を受ける。現在の体重は79キロと、ピーク時から約40キロ減った。女性は「以前は特盛りの牛丼をペロリと食べることができたが、今は並の半分も食べられない。空腹を我慢することもなく、手術して良かった」と話す。

■「あくまでも最終手段」

 日本肥満学会の指針では、BMIが25以上で、糖尿病や脂質異常症など11の病気のいずれか、または内臓脂肪の面積が100平方センチ以上あると「肥満症」で治療必要とされる。薬や食事・運動指導が基本だ。

 しかし、これらの治療で十分な効果が得られず、一定の条件を満たせば、健康保険で外科手術を受けることができる。

 国内では、主に二つの手術がある。一つは保険適用のスリーブ(袖)状胃切除術で、主流となりつつある。胃の大半を切除し、残ったバナナ状の胃の容量は100ccほどになる。

 次いで多いのが「胃バイパス手術」だ。切り取った小さな胃と、小腸を伸ばしてつなげるが、食事制限に加え、消化吸収する腸管の距離が短くなることで、栄養の吸収が抑制される。

 ただ、千葉大病院で手術を担当する同大フロンティア医工学センターの林秀樹教授(消化器外科)は「肥満症の外科手術はあくまでも最終手段」と話す。

 手術をしても標準体重に戻るわけではなく、栄養素の欠乏で、貧血や爪が割れやすくなったり、髪の毛が薄くなったりする後遺症もある。林教授は「生活の活動範囲は広がるが、不自由も出てくる。決してバラ色ではない」と指摘する。

■保険適用は15施設

 日本肥満症治療学会によると、肥満症の外科治療を行っている国内22施設のうち15施設で保険を適用している。海外では2000年代から開腹手術に代わり、安全性が確立した腹腔鏡手術が増え始めた。国内では82年~07年は計186件だったが、昨年は年間200件を超えた。昨年までの合計は1043件にのぼる。

 保険適用の手術は今年6月までに計167件で、九州大が35件と最も多く、大分大25件、岩手医科大21件、大阪大15件(いずれも付属病院)など。学会によると、08年以降の集計(857件)で、手術後に合併症が起きる発症率は9・8%。出血が25件と最も多く、食事が通る部分の狭窄(きょうさく)や縫合不全など計84件が報告されている。患者平均のBMIは42・1、体重減少は28・5キロ。糖尿病は95%が改善し、高血圧は59%、高脂血症は61%が改善しているという。

 糖尿病の改善率はバイパス手術が96・2%と他の手術より高いという。ただ、同手術は現在、保険が適用されていない。学会理事で東邦大医療センター佐倉病院(千葉県)の岡住慎一教授は「バイパス手術の保険適用も学会として要望していきたい」と話す。(石塚広志)
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