
さてさて、なんとか最後の1頭を仕留めたころには汗だくになっていました。
落ち着いて血抜きをし、罠を外そうと前足を見ると…なんとそこには恐ろしい光景が!
前足は蹴爪の上の部分の関節がはずれ、そこから皮が破れ、肉がちぎれ、骨がむき出しになっていました。
その結果、足は腱3本ほどで繋がっていただけに過ぎなかったのです。

もしこの腱が切れていれば襲われるか逃がすかしていたでしょう。
危なかった!
やっつけたイノシシはメスだからよかったものの、オスならもっと激しい反撃を繰り出してその勢いで本当に腱を切っていたかもしれません。
イノシシの鋭い牙が猟師に致命傷を与えるというのはよく聞く話です。
今回は無事にやっつけられて本当に良かった!
ちなみに、まれに3本足のイノシシが罠にかかることがありますが、こういう状態で足を切って逃げ絵本の海賊のように骨をコツコツ言わせながら生きているのです。
イノシシの生命力というのは本当にすごいです。
一息ついて、獲物を運び出す前に辺りにある罠をすべて撤去することにしました。
これ以上イノシシが獲れるとなると若干恐怖です(肉が余る…)。
むやみな殺生はしなくてかまいません。
次のがかからないうちにすべての罠を外し終え、運び出しのルートをチェックしました。
車までは遠いですが、坂道を利用し竹やぶを抜けて畑の斜面に引きずり出せば楽なようです。
結構重そうですが、手伝いも期待できないので一人で頑張るほかありません。
畑には車も入れるようなので、近くまで車を移動しようとしたところ畑仕事をしているおじいさんに出会いました。
猟師は礼儀正しくしないといけません。
挨拶をして、畑の道に車を入れてもいいかどうかたずねました。
きゃしゃな体のおじいさんは麦わら帽に作業服、腰に鎌をさして答えます。
「あぁ〜?」
めちゃ耳が遠い・・・。
大声で何度か説明し、やっと了承を得ました。
畑の際に車を止め、いよいよ運び出しだと気合を入れて車から降りるとなんとおじいさんがふたたびこちらにあるいてきます。
「イノシシ〜?イノシシ〜?
わしゃぁ、いっぺんもみたことがない。
せっかくやから、みせてもらぉうかいの」
細い体でガクガクしながら、急な斜面をついてきました。
「どうやってとったんかいの〜」
「生きとるんかいの〜」
ちょっと心配になりながら、かなりの高齢と思われるおじいさんを誘導してイノシシの場所に戻ります。
「はぁぁ〜、これがイノシシかぁ〜」
おじいさんはさほど驚いた様子もなく、イノシシ見学です。
私は「おじいさん、誰か若いもん呼んできてくれんかな〜」などと淡い期待をしつつ、口輪を引っ張って運び出しにかかりました。
すると、もしやあるまい・・・と思っていたことが現実に!
「おもい〜やろ。
ひっぱるん手伝うわ〜」
えー!!おじいさん、大丈夫なんっ!?
ぽっきり折れそうな細い腕、転んだら危ないで!!
でも、おじいさんはやる気満々です。
実際イノシシはかなり重く、相当気合を入れないと一人では大変な重さでした。
とりあえず私メインで引っ張っていくことにし、おじいさんと一緒に声を合わせて引きずります。

せーの!ズルッ・・・せーの!ズルッ・・・
少しずつですが、順調に運び出していけました。
しかし、おじいさんに負担をかけまいとちょっと早めに力を入れて思いっきり引っ張るのでかなりの重労働です。
「おもいの〜
おもいの〜」
おじいさんがつぶやきます。
がんばって引っ張るも、途中で3回は休憩を入れないと最後まで引っ張れませんでした。
ようやく車のところまでやってきました。
ここでしばし休憩です。
「これは肉とるんやろ〜
イノシシの肉は高いんやろ〜」
などと会話します。
休憩を終えて積み込みの体勢に移ります。
ラッキーなことに坂道は車の荷台の高さに近いところまであり、地べたから引き上げるのに比べると楽に行きそうです。
ここはお得意の竹竿レールで積み込みだ!
そう思って竹を切ってくるも、おじいさんは畑にあったミニ手押し車を持ってきて
「これを〜
つかえ〜」

この場はありがたくお借りすることにして、なんとか手押し車にイノシシを乗せました。
それが思いのほか調子よく、うまく荷台の高さまで上げることができました。
そこからはいよいよ積み込みです。
私が車の荷台に移り、中からイノシシの巨体を引っ張り込みます。
見かねたおじいさんがイノシシの頭を下から支え、サポート!
お互い力を合わせてズリズリッと、ようやく積み込みが終了しました。
ホッとしておじいさんの方を見ると・・・
じいちゃん、血まみれや〜!!

なんじゃこりゃ〜!とは言わなかったけど・・・
おじいさんの軍手は血染めに、ズボンは裾の方にべったりと赤いものが・・・。
「ご、ごめんなさい〜!!!」
本当に申し訳ないことをしてしまいました。
イノシシの頭には、血抜きの時に着いた血が落ちずにべったりと付着していたのです。
おじいさんはしばらく茫然・・・
私は平謝り。
「これは〜
落ちんわいな・・・?」
「いや、落ちる!落ちるよ!!きっと・・・」

落ち込むおじいさんを励まして、そこで別れを告げました。
あとから思えば家まで送ってあげればよかった。
血染めのじいちゃんが帰ってきたら、きっと家の人は仰天したでしょうね。
しかも、女猟師がイノシシを引っ張るのを手伝った・・・って信じてもらえただろうか?
(誰だ!女と分からなかったかもなんて言ってるのは!)
じいちゃんが変なこと言い出した〜!ってならないことを祈りながら帰路につきました。
翌日、猪肉を持ってお礼のあいさつに伺ったことは言うまでもありません。
さて、持ち帰ったイノシシは計量するとなんと80キロでした!
またもやの体重レコード!新記録です。
なにが3,40キロだ、何が4,50キロだ、何が60キロだ〜!
80キロもあったよ!足切れなくてよかった。
初の大台に乗りました。
脂の乗りもちょうどよく、肥満体でもなく、しゅっとしていたから小さく見えたのかな。
まだまだ目を鍛えないといけませんね。

頭と足を取ってしまってグロイ写真になっちゃったので、頭と足を付けたしました。
だいたいこんなかんじかな。
それにしても、最後の締めでこんな大物が獲れるとは思ってもいませんでした。
そして度重なるラッキー。
私って狩猟の女神様に愛されてる!?って、ふたたび思ってしまうではありませんか。
とにもかくにも感謝ですね。
今回も、
里山の神様
いのししさん
じいちゃん
師匠
ありがとうございました!
後日談・・・この翌日から3日間、体中が筋肉痛になりましたとさ。
落ち着いて血抜きをし、罠を外そうと前足を見ると…なんとそこには恐ろしい光景が!
前足は蹴爪の上の部分の関節がはずれ、そこから皮が破れ、肉がちぎれ、骨がむき出しになっていました。
その結果、足は腱3本ほどで繋がっていただけに過ぎなかったのです。

もしこの腱が切れていれば襲われるか逃がすかしていたでしょう。
危なかった!
やっつけたイノシシはメスだからよかったものの、オスならもっと激しい反撃を繰り出してその勢いで本当に腱を切っていたかもしれません。
イノシシの鋭い牙が猟師に致命傷を与えるというのはよく聞く話です。
今回は無事にやっつけられて本当に良かった!
ちなみに、まれに3本足のイノシシが罠にかかることがありますが、こういう状態で足を切って逃げ絵本の海賊のように骨をコツコツ言わせながら生きているのです。
イノシシの生命力というのは本当にすごいです。
一息ついて、獲物を運び出す前に辺りにある罠をすべて撤去することにしました。
これ以上イノシシが獲れるとなると若干恐怖です(肉が余る…)。
むやみな殺生はしなくてかまいません。
次のがかからないうちにすべての罠を外し終え、運び出しのルートをチェックしました。
車までは遠いですが、坂道を利用し竹やぶを抜けて畑の斜面に引きずり出せば楽なようです。
結構重そうですが、手伝いも期待できないので一人で頑張るほかありません。
畑には車も入れるようなので、近くまで車を移動しようとしたところ畑仕事をしているおじいさんに出会いました。
猟師は礼儀正しくしないといけません。
挨拶をして、畑の道に車を入れてもいいかどうかたずねました。
きゃしゃな体のおじいさんは麦わら帽に作業服、腰に鎌をさして答えます。
「あぁ〜?」
めちゃ耳が遠い・・・。
大声で何度か説明し、やっと了承を得ました。
畑の際に車を止め、いよいよ運び出しだと気合を入れて車から降りるとなんとおじいさんがふたたびこちらにあるいてきます。
「イノシシ〜?イノシシ〜?
わしゃぁ、いっぺんもみたことがない。
せっかくやから、みせてもらぉうかいの」
細い体でガクガクしながら、急な斜面をついてきました。
「どうやってとったんかいの〜」
「生きとるんかいの〜」
ちょっと心配になりながら、かなりの高齢と思われるおじいさんを誘導してイノシシの場所に戻ります。
「はぁぁ〜、これがイノシシかぁ〜」
おじいさんはさほど驚いた様子もなく、イノシシ見学です。
私は「おじいさん、誰か若いもん呼んできてくれんかな〜」などと淡い期待をしつつ、口輪を引っ張って運び出しにかかりました。
すると、もしやあるまい・・・と思っていたことが現実に!
「おもい〜やろ。
ひっぱるん手伝うわ〜」
えー!!おじいさん、大丈夫なんっ!?
ぽっきり折れそうな細い腕、転んだら危ないで!!
でも、おじいさんはやる気満々です。
実際イノシシはかなり重く、相当気合を入れないと一人では大変な重さでした。
とりあえず私メインで引っ張っていくことにし、おじいさんと一緒に声を合わせて引きずります。

せーの!ズルッ・・・せーの!ズルッ・・・
少しずつですが、順調に運び出していけました。
しかし、おじいさんに負担をかけまいとちょっと早めに力を入れて思いっきり引っ張るのでかなりの重労働です。
「おもいの〜
おもいの〜」
おじいさんがつぶやきます。
がんばって引っ張るも、途中で3回は休憩を入れないと最後まで引っ張れませんでした。
ようやく車のところまでやってきました。
ここでしばし休憩です。
「これは肉とるんやろ〜
イノシシの肉は高いんやろ〜」
などと会話します。
休憩を終えて積み込みの体勢に移ります。
ラッキーなことに坂道は車の荷台の高さに近いところまであり、地べたから引き上げるのに比べると楽に行きそうです。
ここはお得意の竹竿レールで積み込みだ!
そう思って竹を切ってくるも、おじいさんは畑にあったミニ手押し車を持ってきて
「これを〜
つかえ〜」

この場はありがたくお借りすることにして、なんとか手押し車にイノシシを乗せました。
それが思いのほか調子よく、うまく荷台の高さまで上げることができました。
そこからはいよいよ積み込みです。
私が車の荷台に移り、中からイノシシの巨体を引っ張り込みます。
見かねたおじいさんがイノシシの頭を下から支え、サポート!
お互い力を合わせてズリズリッと、ようやく積み込みが終了しました。
ホッとしておじいさんの方を見ると・・・
じいちゃん、血まみれや〜!!

なんじゃこりゃ〜!とは言わなかったけど・・・
おじいさんの軍手は血染めに、ズボンは裾の方にべったりと赤いものが・・・。
「ご、ごめんなさい〜!!!」
本当に申し訳ないことをしてしまいました。
イノシシの頭には、血抜きの時に着いた血が落ちずにべったりと付着していたのです。
おじいさんはしばらく茫然・・・
私は平謝り。
「これは〜
落ちんわいな・・・?」
「いや、落ちる!落ちるよ!!きっと・・・」

落ち込むおじいさんを励まして、そこで別れを告げました。
あとから思えば家まで送ってあげればよかった。
血染めのじいちゃんが帰ってきたら、きっと家の人は仰天したでしょうね。
しかも、女猟師がイノシシを引っ張るのを手伝った・・・って信じてもらえただろうか?
(誰だ!女と分からなかったかもなんて言ってるのは!)
じいちゃんが変なこと言い出した〜!ってならないことを祈りながら帰路につきました。
翌日、猪肉を持ってお礼のあいさつに伺ったことは言うまでもありません。
さて、持ち帰ったイノシシは計量するとなんと80キロでした!
またもやの体重レコード!新記録です。
なにが3,40キロだ、何が4,50キロだ、何が60キロだ〜!
80キロもあったよ!足切れなくてよかった。
初の大台に乗りました。
脂の乗りもちょうどよく、肥満体でもなく、しゅっとしていたから小さく見えたのかな。
まだまだ目を鍛えないといけませんね。

頭と足を取ってしまってグロイ写真になっちゃったので、頭と足を付けたしました。
だいたいこんなかんじかな。
それにしても、最後の締めでこんな大物が獲れるとは思ってもいませんでした。
そして度重なるラッキー。
私って狩猟の女神様に愛されてる!?って、ふたたび思ってしまうではありませんか。
とにもかくにも感謝ですね。
今回も、
里山の神様
いのししさん
じいちゃん
師匠
ありがとうございました!
後日談・・・この翌日から3日間、体中が筋肉痛になりましたとさ。










イノシシに出会った事のない都会もんの私には、山の中で見ず知らずのじいさんと二人きりなんて、イノシシ以上の怖さがあるわよ〜。
にしても、日々腕前をあげられているのですね。見習わなくてはです。
しかし、今回は危なかったですね。本当にご無事で何よりです。
僕は前にカラスに襲われたことがあるのですが(巣からヒナを取ってるときに)、その恐怖と言ったらありませんでした。
ましてや、命がけのイノシシとのサシの勝負ですからねえ。来シーズンもくれぐれもお気をつけて!
玉手箱的な・・・
ほんに 心配じゃったけん。
猪さんと並んで撮った写真が
やけに かわいいなって思ったよ。
今度は、どんなことをするのかな
うちんくの さとうきび畑計画
話ができるといいな〜
ヒレ肉 うまかった
手に入るなら
今度は、買いに行くけんね。
よろしくです。
しかし大きなイノシシ。最後がこの大きなイノシシというのも素晴しいです。それにしても絵が上手。絶対イノシシの絵本を書いたら良いと思うなぁ。(^^)
しかし、見習うとは何を・・・・。
まさかやぶちんさんもイノシシを・・・!?
(冗談です)
腕利き猟師、いい響きですね〜(笑)
あと20年もすればなれるでしょうか?
(20年も続けるのか・・・?)
しかし、カラスの子をとるとは命知らずですね!私にはできません〜。子を守る時の親はかなり危険ですよね。あの鋭い爪と口ばし、大丈夫でしたか?その後どうなったのかが気になります。
これからも気をつけて頑張りたいと思いますので、応援よろしくです!(?)
さとうきび畑、計画着々進行中ですか?
またお話聞かせてください。
稽古でまってます・・・なんちって
イノシシの絵本ですか?
では、川越氏プロデュースで・・・印税生活!?
ログハウスで、自分で狩った猪肉料理が売りっていうお店。
女の子であふれるかも?
猪肉250グラム800円です
大好きです共食いです
実は昨年の春から青森のレストランで料理修業する予定だったのですが、震災の影響で白紙になりました。
昨年は目標を失って右往左往してしまったのですが、いつかジビエ料理の店をやりたいというのは私の目標の1つです。頂く命、あまさず活用できるようこれからもチャンスをつかんで頑張りたいと思います。
猪肉はおいしいですね。
共食いと言うことは、猪年生まれですか?
って、誤字変換の揚げ足取りをついやってしまう悪い癖が・・・(笑)
毎回命がけには変わりないのですが、ちょっと脚色もアリですので(なんじゃこりゃー!とか)笑っていただければ幸いです。
猪肉了解です。また連絡しますね。
うまいこといかんかった
夫婦して大笑い〜〜〜
小町っちゃんも
「オイノコと猪物語」に大喜びしとります〜
満足の続編やったわ〜
じいちゃんエエ人やネェ
ほてからこのブログ、本になるのはいつ??
「オイノコと猪物語」、いつのまにか題名がついとる!(笑)
じいちゃんええ人でしょ。新キャラ登場です。
来期も会えると楽しいんですが。元気でいてほしいですね。
ところでこのブログ、本になるの?