大前研一のニュースのポイント

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日本経済の行く末に懸念。官僚も裁判官も経済の勉強不足だ

2007年08月28日 | ニュースの視点
米系投資ファンドのスティール・パートナーズ・ジャパンがブルドックソースによる買収防衛策の発動差し止めを求めた仮処分申請で、最高裁は防衛策を適法と認め、スティールの抗告を棄却する決定を下した。

これを受けて、8日、スティールは、ブルドックの株式公開買い付け(TOB)価格を1,700円から425円に引き下げると発表した。

今回の最高裁の判決ではスティールによる利益のみを追求した投資姿勢について、明らかに否定的な見解を示しているが、その認識こそ問題だと私は思う。

デイトレーダーが顕著な例だが、誰もチャリティで株を買うわけはなく、利益を追求するのは当たり前のことだ。

もし、それを否定するならば、全ての投資家を否定することと同義ではないだろうか。

裁判官の方々は、経済に関して勉強不足だと言わざるを得ない。

また、さらに輪をかけて情けないと感じたのが、2007年9月3日号のプレジデント誌に掲載された経済産業省の事務次官・北畑隆生氏のインタビュー記事だ。

北畑氏は、インタビューの中で、『国は命をかけて外資から「鉄」を守る』などと述べている。

また、今回のスティールの判決についても、『理解しやすいものだった』という見解を示している。

事務次官という立場にいる人が、「命をかけて~を守る」と言うような個人が使う類の言葉を、日本国に対して使うのは大きな問題だ。

さらに、「外資から~を守る」という国際感覚に欠けた時代遅れの認識には、私は寒気すら覚えた。

もし、こんな論理がまかり通ってしまうなら、世界中の投資家は日本から逃げていくことになるだろう。

官僚の方には、もっと国際感覚を磨き、まともに経済を勉強してもらいたいと強く願うばかりだ。

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