大前研一のニュースのポイント

世界的な経営コンサルティング 大前研一氏が日本と世界のニュースを解説します。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

IBMが世界一のシェアを誇ったPC事業から撤退した理由/コモディティ化した事業にしがみつく企業の苦戦

2012年10月02日 | ニュースの視点
 日本IBMは11日、設立75周年を祝うフォーラムを開催した。
 
 その中で、サミュエル・パルミサーノ会長が講演し、
 「企業リーダーは日々の業務をマネージすると同時に
 未来も創造しなければならない」と強調。
 
 長期的な視野にたって経営するため、常に自らに投げかけるべき
 「5つの問い」を紹介した。
 
 このパルミサーノ氏の5つの問いは非常に参考になるので、
 ぜひビジネスパーソンなら目を通してもらいたい内容である。
 
 私がその中でも特に重要だと感じたのは、
 「コモディティ化にどう対処すべきか?」というものだ。
 
 ご存知のように、IBMは
 「世界一のシェアだったパソコン事業からいち早く撤退」している。
 
 これが問いに対する答えそのものだ。
 
 すなわち、どれほど現在利益が出ている中核事業であっても、
 それがコモディティ化しつつあり、将来の中核事業には
 なりえないのならば、速やかに撤退するということだ。
 
 いかにその決断を早くできるか、それが重要だということである。
 
 IBMが当時世界一のパソコン事業を投げ出した時に、「もったいない」と
 言っていた人も大勢いましたが、IBMは「コモディティ化の恐ろしさ」を
 分かっていたのだ。
 
 IBMのような給与が高い大企業において、中核事業がコモディティ化
 してしまったら絶対にやっていけないと知っていたのだ。
 
 結果、IBMにしかできないソリューションカンパニーとして
 生き残る道を選び、見事にメインフレーム事業の再生に成功した。
 
 私もマッキンゼーで20数年間にわたって世界一高いコンサルティングを
 提供していたので「コモディティ化の恐ろしさ」は理解しているつもりだ。
 
 私の場合で言えば、「コンサルティングノウハウ」と呼べるようなものは、
 全て本で公開した。
 
 ノウハウを超えた部分で付加価値を創りだし、それを提供できたからこそ、
 私は半年で1億円を超えるほどの金額でサービスを提供できたのだと思う。
 
 次の軸足になる事業が見つかっていないと中核事業から撤退できない、
 と考える人もいるかも知れないが、先に手放すことを考えるべきだと
 私は思う。
 
 将来性のない事業に「しがみつく」企業では勝ち残ることはできないと思う。

 パソコン事業にしがみついたヒューレット・パッカードが今どれほど
 苦労しているかを見れば明白だと思う。
 
 コモディティ化する事業にしがみついてしまい困っている企業は、
 日本にもたくさんある。
 
 プラズマテレビ事業でコモディティ化の波に飲まれたパイオニアは、
 次のGPS事業でも全く同じ道を辿った。
 
 十数万円するGPS機器を販売していたものの、コモディティ化した市場では
 世界標準は約4万円になり、ついにはiPhone・iPadが登場し無料でGPSが
 使えるようになってしまった。
 
 今、十数万円を出費して車にGPS機能をつける人がどれだけいるだろうか?
 
 NEC、富士通、シャープなど、日本の電機メーカーのほとんどが
 同じ状況にあるのではないかと思う。
 
 今、経営不振で騒がれているシャープにしても、
 液晶テレビ事業がコモディティ化し、それにしがみついた結果が
 「3000億円の赤字」である。
 
 シャープは、従業員の賞与と給与を削減する追加リストラ策を発表し、
 人件費の削減効果は140億円を見込んでいるとのことだが、
 3000億円の赤字である。この程度の削減策では全く足りない。
 
 今シャープの経営陣は、「なぜこの会社がトラブルを抱えているのか」
 「どうしたら状況を打開できるのか」全く分かっていないと思う。
 
 この期に及んで、時間が解決してくれると考えている節がある。
 
 今月末に銀行から3000億円の借入を行うようだが、
 これから先は地獄のような状況しか待ち受けていないと思う。
  
 コモディティ化の恐ろしさを理解し、その兆候が見え始めた時に、
 いかに素早く意思決定できるか。
 
 この重要性をぜひ今回のパルミサーノ氏の5つの問いから
 学んでもらいたいと思う。
ジャンル:
ウェブログ
コメント (4)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« シャープもルネサスも、生き... | トップ | 民主党と違い盛り上がりを見... »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
文体が変 (ima)
2012-10-17 08:33:25
文体が気になって、読めません。である調、ですます調いずれかに統一されていないのは、口述筆記?
「3000億円の赤字ですから」という表現が面白い (上石)
2012-10-19 06:55:02
 「ですから」は、「だから」の丁寧語だ。「ゆえに」と同じ意味だから論理的とも言えるが、「です・ます」調の優しくて柔らかい表現よりも、さらに丁寧に書こうとしている。何ででしょうか?
 それでも7つ書かれている「思う」は、「思います」ではない。
Unknown (パルちゃん)
2012-10-25 15:10:55
サミュエル・パルミサーノ会長の基調講演はこちら。ビジネスパーソンなら目を通してもらいたい内容である。

http://www.youtube.com/watch?v=4pbgVoqlcg4&list=PLoELubR45xwU6nOaUG3DSfTAk3kZERCLC&index=3&feature=plcp
Unknown (経済)
2012-11-02 16:25:21
今、HPのパソコン世界シェアは伸びる一方です。
「コモディティ化」が撤退の兆しとは、コンサルティング業の固定観念で何処に根拠を求めているのか?。
コンサルティングに反した事業で伸びている会社が沢山あります。事業の部外者であるコンサルタントが事業を見渡せるというのは傲慢そのものでコンサルタント業を誤解している。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ニュースの視点」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事