大円の窓  OH MAD? NO MAD!

大円 一篇 (おおまど かずふみ)です。
SFホラー政治哲学小説、書いてみました。

ワン・ハンド・レイザーズ

2016年09月18日 | お題
こんにちは


つい最近、妻が不安そうな顔でこう言いました。
「知ってる? 最近・・・公園がね・・・大変なことに・・・」
そう、私も気づいていました。
「ああ、知ってる。この前なんか、夜、雨が降ってる中で、奴らゆらゆら動いていた」
「うぇ~っ、気味が悪い。襲ってこなかった?」
「大丈夫。危なくなったら、じっと立ち止まって、やつらの瞳孔を覗き込むんだ! そして、やつらが通り過ぎるのを待てばいい」
「なんか、まるで・・・」
「いや、やつらは新種。『ワン・ハンド・レイザーズ』って言うんだ」

みなさん、もうお分かりでしょう。ニンテンドーが、故意に流出させた電波感染式大脳辺縁系攻撃型ウイルス、「ポケモンGО」。これに感染すると、『ワン・ハンド・レイザー』というゾンビになる。それがあっという間に世界に広がりました。しかも、感染するのは人間だけ。どういう訳か、犬や猫には感染しない。サルにすら感染しない。これがシリアやクリミアにばらまかれたらどうなるのか、ちょっと興味があります。

さて我が家の近辺はと言いますと、公園を埋め尽くす大の大人たち。驚くことに子供がほとんどいない。うな垂れ立ち尽くす老人。下を向いたまま、ゆらゆら、ふらふら歩き回る中年男女。その姿は、まるで・・・
「いや~、アメリカでポケモンやってる奴が銃で撃ち殺されたらしいけど、撃ちたくなる気持ち・・・分からんでもない」

1968年に公開された「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」。
人に憑依することもなく、魔法を使うこともなく、目から光線が出るわけでもなく、口から火も吹かない。白化粧をした爺さんや婆さんが、両手をぶらりと垂れ下げて、わらわらと集まってくるだけ。
「これのどこが面白いの?」
いつも妻は冷めた目でこう言います。その度に私は、
「何を言う。これは来る近未来を見事に描いて見せた教育ドキュメンタリー番組だぞ」

なぜ人は、ゾンビに魅せられるのか?
これまで私が考えていた説は、『責任からの開放』。
スクリーンの中で、ゾンビから逃げ回る主人公たち。彼らは、何の躊躇もなくゾンビたちの頭を吹っ飛ばします。法や倫理どころか、社会に対する責任から完全に開放されるのです。つまり、好きにやっていい。
しかもそれだけではありません。ゾンビに喰われて、自分もゾンビになれば、それもまた社会に対する責任から完全に開放される。つまり、好きにやっていい。
「ゾンビになろうがなるまいが、どっちにしたって責任から開放される」
それがゾンビの魅力だと思っていたのです。

しかし、ワン・ハンド・レイザーズを見ていて気づいたことがあります。
『責任』とは観念論的問題だけではなく、生物学的問題、本能的問題なのではないか?
生物の責任とは、「周囲との適切な距離感を保ち、無用なリスクを回避すべく、注意を怠らないこと」。あるいは「獲物を捕獲するチャンスがあれば、躊躇なく仕留めること」。あるいは「自分のテリトリーを侵す者は、容赦なく攻撃すること」。
だとすれば、責任を捨てた者に対して、我々の反射脳は本能的に攻撃しようとするのではないか?

「いや~ね~っ! この前なんか、自転車で突っ込んできたのよ!」
ご近所のおばあさんのしかめっ面は、まさに牙を剥くポーズなのです。ですが、まだ分からないことがあります。
私たちの反射脳は、このゾンビたちを『獲物』として認識しているのでしょうか? それとも『敵』として認識しているのでしょうか? 脳の報酬系ネットワークが反応しているのでしょうか? 懲罰系ネットワークが反応しているのでしょうか?
これについては、今後、自分の脳味噌を観察していきたいと思います。


さて『責任』と言えば、東京都。築地問題が火を噴きました。オリンピック問題も近々火を噴きそうです。今時のリーダーたちは、市民の健康・安全なんてどうでも良い。市民の税金なんか使い放題。結局、「自分の懐の金」しか興味がないようです。
しつこいですが、「金」は手段です。「目的」ではありません。「目的」が理解できない者に哲学は無い。みなさん、なぜだと思いますか?
金は反射脳の領域、目的や哲学は熟考脳の領域。つまり考えることができないのです。考えることができない者に責任感はありません。みなさん、なぜだか分かりますか?
責任とは、未来を扱うことだからです。予測し、計画し、修正することができなければ、責任なんかとれるわけがない。え、じゃあ今時のリーダーたちは責任を取る気がないのか?
まさにそれこそが、東京都問題の面白さじゃないですか。これを議論しなくて何を議論する。

東京都議会のドンと呼ばれた内田茂都議。豊洲が問題になると、背中を丸め、
「(私のせいじゃない)みんなで決めたことですよね・・・」
この映像をご覧になったみなさん、どう思われましたか?
(あれ~、ドンじゃなかったの~? な~んか幻滅~っ!)って思いませんでしたか?
いざと言う時、説明すらできないなんてあまりにも無責任です。

ご存知、石原慎太郎元都知事。これまで踏ん反り返って怒鳴っていた人が、背中を丸めて怒鳴ります。
「騙された」、「都庁は伏魔殿」
悪いのは役人、悪いのは部下だそうです。
(あれ~、「責任は私が取る」とか美談にしてなかったっけ~? な~んか幻滅~っ!)って思いませんでしたか?
いざと言う時、責任を取らない人間が、よくまああれほど踏ん反り返っていたものです。

https://www.youtube.com/watch?v=Jvo9tVhrOew
https://www.youtube.com/watch?v=HP8WdyLALwI

しかもどうやら嘘らしい。
「私は知らない」
顔を硬直させ、そう言い切る姿を見ながら、
(あれ~、最近どっかで見たような・・・)
そう、この方のお子様がインタビューで同じように、谷垣氏に責任を押し付け、背中を丸め、顔を硬直させ、嘘をついておられました。
昔から、家族ぐるみこうやって責任から逃げてきたんでしょうね。

https://www.youtube.com/watch?v=x1tyFFTeTbo
https://www.youtube.com/watch?v=MKbECDoFCB4


さらに、これより凄い人がいる。
「オリンピックは、小池都知事に全責任がある!」を連発する森喜朗東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長。最初っから、「責任なんか取らない!」と公言するリーダー。
みなさん。ご存知でしたか? この方、これでも日本の元総理大臣。最近お亡くなりになった加藤紘一氏は、この方のあまりの馬鹿さに反乱を起こしたほどです。しかも、あろうことか反乱失敗。バカ乱・アホ乱? ケセラン・パサランみたいで可愛いですか?
責任を取らずに許されるのなら、総理大臣は誰でもできる。豚だって、チンパンジーだって、オランウータンだって出来る。ちなみに、オランウータンと言う単語は、インドネシア語。「森(ウータン)の人(オラン)」と言う意味だそうです。

https://www.youtube.com/watch?v=x2cZeZu6STc


さてさて、「責任」と言うキーワードに関して、これほど材料が集まる事件もめずらしい。ですから私たちは考えなければならない。何を?
マスコミは、この調子で事件の真相を追って頂ければよい。何が目的で、どんな計画で、どういう進捗状況で、誰がいかに対処したのか? それを追求するのがマスコミ。
では、ネットは何を議論すべきでしょうか? いろいろあるでしょう。私が議論したいのは、
「リーダーに責任はとれるのか? リーダーは、何に責任を負うべきか?」
みなさん、どう思いますか?

まさに石原慎太郎氏が言いました。
「私は専門化じゃないんだから、そんなの分かるわけないでしょう!」
そう、リーダーは神ではない。神がいるとすれば、全てに責任を持つでしょうが、人には無理です。なのに神の振りをするリーダーがいる。踏ん反り返って、責任もとれないことを、ぺらぺら、ぺらぺら喋る人間がいる。

豊洲市場に関する全額賠償、関連する都知事や都庁の役人にできますか? 全額ですよ。
オリンピック関連施設で超過した費用、これに関する全額賠償、関連した政治家や役人にできますが? 全額ですよ。
爆発してしまった原子力発電所や処理できない汚染物質の全額賠償、関連した政治家や役人にできますが? 全額ですよ。
アベノミクスとやらで垂れ流した税金、関連した政治家や役人にできますが? 全額ですよ。
株式投資で消えていく一方の年金。構造的、理論的に減る一方ですが、これに関する全額賠償、関連した政治家や役人がすると思いますか? 全額ですよ。
タイヤを飛ばして女子供を殺した三菱自動車、その全額賠償、社長や社員はしましたか? それは適正でしたか? (ちなみに母親と2人のお子さんの命のお値段は、全部で550万円だったそうです)

できないし、してこなかったですよね。
これって、何故なんでしょうか? 何故、これほど無責任になれるんでしょうか? みなさん、どう思いますか?
そう、理論的・現実的にリーダーに全ての責任を取ることはできないのです。なのに「俺が全ての責任を取る」とか言った人間がいるそうですが、それは詐欺師です。そんな詐欺師を、英雄・偉人として崇め称える人間がいるそうですが、それはよほど評価能力が低い愚か者か詐欺師です。
この人たちの思考回路はどうなっているのでしょうか? みなさん、どう思いますか?

東日本大震災は、リーダーたちの化けの皮を剥ぎ取りました。あれ以来、リーダーたちの無責任さが次々に明るみになっています。それらを総合的に見ると、一つの結論に達すると思われます。この人達の思考回路は、次のようにつながっている。
「リーダーには責任が取れない。どうせ取れない責任ならば、一切取らなきゃいいじゃないか。好きなことを『やっちまえ!』」
以前お話した「やっちまった」マネジメントは、こうして誕生するのではないか?
え、それが許されるのか? それで済むのか?

そうですねえ、人類史を見ると、全ては回帰しています。例えば中国史を見ると、横暴な権力者、腐敗した役人は、行き着くところまで行くと、数の調整が入るようです。まとめて火で炙ったり、串に刺したり、腹を裂いてわたを抜いたり、頭を落として捌いたりしていました。感情的には酷いと思いますが、理論的には、
「この人たちは、取れないほどの責任を負った。もはや命で償うしかなかったのだろう」
え、「じゃあ、誰もリーダーなんかになれないじゃないか。どうしろって言うんだ」?

そうですねえ、リーダーができることと言えば、たった一つ。
「自分の責任範囲を限定し、社会や組織と合意する。合意したことに対しては責任を負わねばならないが、合意した以上の責任は負う必要はない」
例えていえば、小泉純一郎元内閣総理大臣。郵政民営化について国民と合意し、それを達成した。それが良かったか、悪かったかという議論はいろいろありますが、それが国民との合意事項。小泉純一郎は実に戦上手でした。
反対に、民主党の元総理佳彦。マニュフェストはほったらかして、消費増税をはじめ約束もしていない政策ばっかり断行。必要だったと言うのなら、断行前に総解散をして国民との合意を仕切り直すべきでした。つまり無責任。
国民に約束していないことをやりたがるという点では安倍総理も同じ臭いを発しています。だんだん民主党政権に対して感じていた嫌悪感が、じわじわ~っと苦い汁になって脳内に満ち満ちて来る。ところが・・・

新しい民進党の党首、かつてのクラリオンガールは、どうやら自民党ではなく小池百合子東京都知事を攻撃目標にしたようです。なんと、よりにもよって、幹事長を元総理大臣野田佳彦にしてしまいました。テレビに映るその顔に、扁桃体が爆発し、アドレナリンが全身を駆け巡ります。そして心が叫ぶのです。
「しっかりしろ、安倍晋三! 早く餃子の皮ぐらいには、前頭前野を厚くするんだ!」

いったいどのような評価基準で、このような幹事長を選んだのでしょうか? 保守系と呼ばれる民進党新党首、自民党と手を組む気なのでしょうか? それとも女同士の意地? 嫉妬? それとも、元総理がただただ好きだから? この人の評価能力を、みなさんはどう評価しますか?


さて、小池百合子東京都知事と言えば、あるコメンテーターがこんなことを言っていました。
「小池都知事は、(豊洲新市場問題を通して)パンドラの箱を開けてしまった。問題は、その蓋をどうやって閉じるか」
う~ん、みなさん、この意見をどう評価しますか?
「政治・行政の腐敗が露見して、都政が混乱している。早く沈静化しろ」という意味なのでしょうが、それってどう思いますか?
早く沈静化して、どうしようと言うのでしょうか? 元の状態に戻すってこと? 腐敗した状態に?
表現は汚いですが、ちょっと力んだだけで飛び出た●●●を、隠そうとして、穴に入れ戻す馬鹿はいません。それじゃあ、あまりに・・・生真面目すぎる。
ではどうすべきか? せっかくのチャンスです。これを機会に、私たちの役人に対する評価基準を修正すること。役人の評価基準を変えるのではありません。私たち自身の評価基準を変えなければなりません。生真面目な馬鹿と呼ばれる人々は、評価基準に合わせて行動します。私たちの評価基準が変われば、彼らの行動は自ずと変わるのです。問題は、われわれにあります。


さてさて、今日みなさんに考えていただきたいのは、マスコミが決して議論できないこと。

・東京都議ドン内田茂、千代田区選挙区だそうです。この人の支持者は、何を評価してこの人に投票したと思いますか? この人の支持者の評価能力は、高いと思いますか、低いと思いますか? この人の支持者に責任感は、あると思いますか、ないと思いますか? 

・石原慎太郎元都知事、この人の支持者は、何を評価してこの人に投票したと思いますか? この人の支持者の評価能力は、高いと思いますか、低いと思いますか? この人の支持者に責任感は、あると思いますか、ないと思いますか?

・森喜朗元総理大臣、石川2区(小松市、加賀市、能美市、白山市、野々市市、能美郡、川北町)が選挙区だそうです。この人の支持者は、何を評価してこの人に投票したと思いますか? この人の支持者の評価能力は、高いと思いますか、低いと思いますか? この人の支持者に責任感は、あると思いますか、ないと思いますか?

・今後、投票するに際して、何を評価するべきだと思いますか?
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