フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

12月6日(火) 晴れ

2016-12-07 02:13:44 | Weblog

8時、起床。

トースト、サラダ、紅茶の朝食。

「バターを塗る」という言い方があるが、私はトースにバターを塗らず、断片を置くだけである。マーガリンなら塗りやすいが、冷蔵庫から取り出したバターというのは塗りにくいのではないだろうか。なぜみんなバターを塗ろうとするのだろうか。不思議だ。世間(世界ではなく)七不思議の1つである。

10時に家を出て、大学へ。

駅への道で前に誰もいない瞬間があったので写真に撮る。早朝ではない。午前10時である。たまたまそういう一瞬が生じたのだ。まるで映画か何かの撮影で、スタッフが通行を規制をしているかのようである。

キャンパスンの前の諏訪通りの黄葉は今週が見納めであろう。

キャンパスンの中庭に誰もいない瞬間を撮る。まるで日曜日のキャンパスのようである。

昼休みにH君のゼミ論指導。文学部の卒論と文化構想学部の卒研は今週の木曜と金曜が論文の提出日だが、現代人間論系のゼミ論の提出は来週で、製本も必要ではないから、今週はまだ個別指導が可能なのである。

昼食はコンビニおにぎり3個。紅鮭、真昆布、南高梅、私の定番の三種。

1時半からK君のゼミ論指導。手土産にもってきてくれたケーキ(文キャンの向かいのカフェ「レトロ」で購入)を食べながら。

雑談の中でK君が言った。「同じゼミ論でも男子のものは社会的なテーマが多く、女子のものは個人的なものが多いですね」。そうだね。ただし、「個人的」というより「実存的」というべきだろう。現代社会にとって切実なテーマというよりも、自分自身にとって、自分の人生にとって切実なテーマを選ぶ傾向が女子にはある。それはそれで一つの在り方だろう。ほとんどの学生にとってゼミ論は最初で最後の論文だろう。ならば自分にとって切実な、これからの人生にとって重要なテーマを選ぶことは意味のあることである。

4限は院生の研究指導。

雑用を片付けて6時に大学を出る。風が冷たい。

蒲田に着いて、「有隣堂」で本を買う。

『婦人公論』。「能年玲奈」改め「のん」が表紙を飾っている。世間には理不尽なことがたくさんあるが、彼女が表舞台になかなか出てこられないのはその1つである。今回、アニメ『この世界の片隅に』で主人公の声を担当して、高い評価を得ていることを喜びたい。

「声の仕事は難しいとわかってはいました。でも、こうの史代さんが描かれた原作のマンガを読んで、一生に一度、出会えるか出会えないかという作品だなと確信して、絶対にやりたいと思いました。」

「原爆が落とされる悲しいシーンもありますが、戦争中であっても前を向いて生きていくすずさんの日常を大切に描いているところが、とても新鮮でした。・・・(中略)・・・普通にご飯を作って食べて毎日ちゃんと生きていくことが、どれほど大切なのかということにも、気づかされて。私は普通の生活をする才能があまりないのです(笑)。何かに熱中するかと思えば、寝すぎて一日つぶしちゃったりもする。もっときちんと生きていかなきゃダメですね(笑)。」

ロバート・A・ハインライン『輪廻の蛇』(ハヤカワ文庫)

同じ作家の『夏への扉』をとても面白く読んだので。SFというと、設定の面白さ、新奇さで競うようなところがあるが、ハインラインは文体(語り口)や主人公のキャラクターの魅力やストーリーテリングの面白さで読ませる。つまり文学作品としても優れているのである。

夕食は回鍋肉。

それと薩摩揚げ、サラダ、卵スープ、ご飯。

2時半、就寝。

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