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「官邸ちゃんねる」電磁パルス攻撃2。




その日私は、午後からの社内会議に備えて資料をまとめていた。その時、緊急のアラートが私のスマホから鳴り始めた。これはネットで何度も聞いたことのあるJアラートだった。職場の他のスマホからも同じ警告音が鳴り響いた。

みなさん、廊下に出てください。窓のない非常階段に移動して!

私は社員に声をかけ移動した。と確認した時、空が明るく光った。
そして数秒後、ドドド〜ン。という低い振動が空気を覆いその瞬間ビルの灯りが全部消えた。

シーンとした静寂。誰一人声を出さない。キーンと耳鳴りがする。
私達は生き残ったのか。私達は生き残ったらしい。



オフィスに戻るとやはり全ての電灯は消え、パソコンは立ち上がらない。スマホも同様だ。電源ボタンを押してもウンともスンとも言わない。

ただ幸いJアラートが事前に鳴ったおかげで、誰もエレベーターには乗っていなかったようだ。もしこのブラックアウトの瞬間エレベータに乗り込んでいたら、脱出するのは一苦労であろう。
私は映画ダイハードの1シーンを思い浮かべた。





第二波を警戒して、1時間ほどビルの非常階段に皆を避難させていたが、2回目の攻撃がなさそうであることを確認して、社員を家に帰す指示を出した。
みな311の経験から、歩いて帰る道順はそれぞれ知っていたのが幸いだった。

道路に出ると、自動車が全て道路の真ん中で止まっていた。走行していたエンジンがみな急に停止してしまったのだ。
何人かは車の中やそばにいたが、大半の車はもう乗り捨てられて空っぽであった。

道路沿いのコンビニも停電したままである。ガラスの自動ドアは人が通れるほどに手動で開けられていた。おそらく店員が外に出るためにこじ開けたか、あるいは部外者がコンビニの中のものを取るために侵入したのか。店内を見ると数人の男が、店内のミネラルウォーターを自分のリュックに詰めていた。

これから「飲水」が何よりも貴重な世界になることを、まだ私は知らなかった。



半日かけて帰宅するともうすっかり日が暮れかけていた。街の灯りは全て消えて無人のようであるが、よく見ると大通りには人が大勢歩いている。

家族は無事に帰宅していた。どこも同じ様相で、まずは歩いて帰る。ということになったようだ。もし大震災であれば、火災の危険があるため、半日は都心ビルにとどまるのが鉄則であるが、ブラックアウトの場合は、火事が起きる可能性は低いのであろう。

家には、飲水と食料の備蓄は1週間あるので、電気の復旧まで自宅で待機していようと考えていたが、それは甘い考えであった。
1週間たっっても電気もガスも水道も通信も全く復旧の目処がなかった。

最初のうちは、警察署や市役所などの機関にも人がいたが、そのうち建物は誰もいなくなってしまった。そうであろう。停電しかつ電話もインターネットも通じないのであれば、何の仕事もできない。

職員といえども家庭もあるだろう。その多くは私と同じように帰宅して家族とともにいるのだろうと思う。



ブラックアウトから3週間たった。我が家の飲水と食料の備蓄もとうに底をついた。近くの無人のコンビニやスーパーからいくばくかは入手することはできたが、もうほとんどが最初の数日で店の棚から消えていた。当然店員もレジもない状態なので、みな盗んでいったわけであるが。

近くの病院も全て閉院になっていた。大きい病院であれば発電装置もあるだろうが、数日も持たないだろう。また医療機器も全て回路が焼けているため、まともな治療はできない。

多くの病院に入院していた大勢の方がおそらく亡くなったことを思うとご本人もまたそれを見殺しにせざるを得なかった医療従事者の方々のことを思うと胸が痛い。閉院された病院の前と通るたびに暗澹たる気持ちとなる。

ある街の一角は丸ごと全焼していた。おそらくガスが止まっているので、家内で火を焚いた不始末で火事になった家があったのであろう。ただし火事になっても通報する電話も、消化する消防車もないため、火事は燃え広がり、大通りや川などで食い止められるまでその一角が燃え尽きたのであった。
ここにいた人たちはみな逃げ切れたのであろうか。



そういえば3週間もたち街には異臭が立ち込めていた。当然ゴミの収集は来ない。またトイレの水道も止まっているため、外で用を足す人がいるのであろう。うっかり壁にそばには近づくことはできない。
また持病を持った高齢者などは、生活のインフラが止まったことで、家で亡くなる方も増えていくと考えられる。ただ亡くなったとしてもその亡骸を誰がどこに運ぶのであろうか。
動く車はない。道路は停止した車が塞いでいるため、まともに走ることもできない。もし運べたとしても稼働している火葬場もいない。職員もいない。

この街の異臭の中には、亡くなった方の亡骸の臭いも含まれているのだろうか。



備蓄が尽きる直前、私は決意した。このまま東京にいても恐らく座して死ぬだけである。水と食料を求めて移動しなければならない。どこに?考えられるのは、1,ひたすら田舎 2,皇居 3,米軍基地

もしインフラ普及の見込みがあるのであれば、それまでの間、皇居に避難することは考えられる。関東大震災で炊き出しがあったことを思い出したのだ。また情報が途切れているが、皇居にいれば、きっと何かわかるかもしれない。しかしインフラ復旧の目処がたたないこと、都民の多くが皇居にすでに殺到していること。皇居の備蓄の水や食料も有限であることを考えると、これから皇居に向かうのは得策ではないように思えた。

あるいはとにかく田舎に疎開することも考えられる。水と食料が時給自足できる地域に。ただし自分には田舎に親戚はいない。ひたすら山に向かって歩くか。

あるいは米軍基地。横田または横須賀。とにかく日本全体が麻痺したのであれば、同盟国であるアメリカが何らかの救援をするはずである。

私は横田基地まで歩くことにした。家にあった古い地図(昔は車を運転する家にはどこにでも道路地図は必須でありました)を頼りに、家族で横田基地まで歩いた。残り少ない飲水を倹約しながら。



しかし横田基地に着いた私達を待っていたのは絶望であった。基地周辺には鉄条網が張り巡らされ、一般人は一切入れないようにシャットアウトされていたのだった。

どうもアメリカは、本国自体が大騒動となっており、日本を助けるどころではなくなっているということだった。大きな地震だか噴火があったというのがその場で聞いた噂だった。ただ彼らもまた人からの又聞きでありどこまでが本当かはわからない。

横田基地が駄目なのであれば、やはり自給自足ができる田舎に向かうしかなかった。



つづく



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