おひさまのレシピ

我輩は主婦である。我輩の節約レシピを紹介しよう。

2005年12月08日 | お話
今夜はとても寒く、
北風はキミを突き刺しているかもしれない。
葉がみるみるうちになくなったキミは、
誰も近寄ることもなく、ただ独りたたずんでいる。
毎日何のヘンテツもないキミ。
ねぇ、ホントにがんばってるの?
やる気あるの?
もうずっと、このままだったらどうしよう。
ボクはキミの周りをうろうろして、心配するばかり。

今朝は雪だよ。
キミの上にも、雪がどっさりつもり、枝が折れてしまった。
これからボクはどこで昼寝をすればいいの?
どうして、がんばらなかったの?
暖かい毛布の中から飛び出して、キミの元へ走る。
泣きながら責めたボクを許して。
キミがこの寒い中じっと耐えていたのを知ろうともしなかった。
折れた枝から、暖かい湯気が出ているのを見て、
キミが必死で生きようとしていたのを知ったんだ。

それからボクは、毎日キミの無事を祈り、
少しでも風をしのいで欲しくて、ご主人様からもらった毛布をキミにかけた。
でも、キミは毛布なんかいらないと、すぐに風に飛ばしてしまったね。
独りで戦うキミの強さを知ったよ。

それからボクは、ただ「がんばれ」それしか言えず、
(正確には「ニャー」だけだけど、きっとキミは猫語がわかるはずだから)
ボクはそれしかできない、自分を呪った。
だけど、信じてる。キミがまだ生きてること。

それから、暖かい風が吹き出した頃、
キミの枝から、蕾がたくさんつき始めてボクはキミが生きてることを知り、
飛び上がるほど嬉しかった。
また昼寝に快適な葉を沢山つけてくれるのだ、
夏に生まれたばかりのボクはそう思っていた。
だから、キミが白くて小さい花を枝いっぱいに咲かせた時、
奇跡が起きたと思ったよ。
ボクのご主人様がキミのこと「さくら」と教えてくれた。
さくら、なんで教えてくれなかったの、
そんなに美しく咲くことを。

キミは、花びらをシャワーのように降らせながら
初めてボクに口をきいてくれたね。
「ずっと、そばで見ててくれて、ありがとう」

何もできなかったボクに、
しかも、キミを疑って、キミを罵ったボクに
そう言って、キミが笑ったのを見て、なんでか涙がでた。
ボクは、キミのこと愛してる。
そう、ボクはキミのこと愛してるんだ。
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