華の会

日本文化を考える

東京八王子 多摩の桜

2005年06月10日 | 
多摩に自生する桜

東京都と神奈川県にまたがる多摩丘陵に
長い間、正体不明とされた「ヤブザクラ」という
林の中に咲く自生の桜がある。
この桜は「ソメイヨシノ」よりも一週間ほど早く、
多摩丘陵の雑木林の中で咲くという。
落葉小高木、花弁は5個
花びらは白色から少し淡紅色を帯びる桜である。

ヤブザクラの写真
http://tosakah.hp.infoseek.co.jp/p02/0203/021311f.jpg

日本に自生する桜のほとんどの種類が
染色体は16本の2倍体であるのに
ヤブザクラは24本の3倍体である。
3倍体の桜は自然界に少なく
愛知教育大学の渡邉幹男助教授が
遺伝子を調べるとヤブザクラは
マメザクラと江戸彼岸の交雑種だという。
染色体をマメザクラから16本、
残りの8本をエドヒガンザクラから得た雑種だった。

さらに、大原隆明・富山県中央植物園技師は
今まで、ヤブザクラのちょっと変わった仲間と
されていた桜が新種であると発見され
最近「ホシザクラ」と名づけられた。

星桜の写真
http://www.airbepal.com/bn/10509172356200/1112949449.html

両者の桜には花びらの裏にあるがくの形や
葉の縁の形などに差が見られるが、
染色体は同じ3倍体の24本、
種子はできず、根の先から出た芽で
クローン繁殖をするなどの共通点があるという。

現在の多摩丘陵には、二つの桜の親となった、
豆桜と江戸彼岸が近接する場所はない。
どちらも、1万年以上前の地球の寒冷期に
偶々、マメザクラと江戸彼岸の生育分布が重なり、
この2種類の桜の間に出来た雑種の中で、
二つの桜がそれぞれ根を伸ばしてクローンを作り、
分布を広げて、多摩に残ったのが
現在のヤブザクラやホシザクラという種の異なる
特異な桜ではないのかと推定されている。

「ヤブザクラ」も「ホシザクラ」も
南大沢の都立大学の構内に
植えてあるようなので
来年の春には咲いている所を
見に行こうと思います。

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1 コメント

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やぶさくら (ふくちゃん)
2006-04-14 10:21:33
昨年の記事ですが、コメントさせていただきます。

やぶさくら、ほしさくら

のこともはじめて知りました。

私の実家がその多摩丘陵で、桜の写真にアクセスしたところ見慣れた風景で驚きました。

そんなところで新種が発見されていたとは!!

私も来年見に行きたいと思います。



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