どんぴんからりん すつからりん

昔話・絵本いろいろ。語るのを目的としたものでしたが・・。それにしてもまるで森に迷い込んだ感じです。(2012.9から)

めんどりがやいたパン

2016年10月17日 | 昔話(外国)
     めんどりがやいたパン/中央アジア・シベリアのむかしばなし集/小桧山古男・訳 宮澤ナツ・画/新読書社/2006年初版

 中国シンチャンウイグル地区にすむ少数民族サラルの昔話で、後半部は、日本の「絵姿女房」を思わせる話です。

 日本版は、百姓の女房に横恋慕した殿さまのはなしですが、サラル版では、おいしいパンをたべた皇帝が、このパンをつくった”草かり男”のよめを自分のものにしようと画策します。

 草かり男は、文字通り山の草をかっては、それを売って暮らしをたてていました。
 ある日、黒いヘビにしめころされそうなまだらのヘビを助けると、ヘビの御殿にいき、おれいにめんどりを手に入れます。

 めんどりは、お礼に金貨、銀貨のどちらがいいかといわれて、助けたヘビの助言で手に入れたものでした。

 仕事から帰ってみると、テーブルの上にはおいしいパンがならんでいます。不思議に思った草かり男が、仕事にいくふりをして、すきまからのぞいてみると、めんどりが羽根をぬぐとパンをやいたり、お茶をわかしたりせっせと働いています。
 若者がめんどりの羽根を火の中にほうりこんでしまいます。そして娘はそのまま若者のよめになります。

 ところがおいしいパンをたべた皇帝は、若者に無理難題をいいつけます。皇帝の馬と競争したり、大きな山を平らにするのですが、若者はよめの協力でこれを切り抜けます。それでも皇帝はよめを御殿につれていってしまいます。

 するとよめは一切笑顔を見せなくなります。

 しかし、ものもらいがくると、よめは笑い出します。皇帝もよめの笑い顔をみるため、着ているものを取り替えると、よめはすかさず、門番にものもらいを追い出すように命じます。

 こうして草をかっていた男は皇帝になり、めんどりの生まれ変わりのよめは女王になります。

 昔話にでてくる職業もいろいろです。草をかって、それを売るというのもめずらしいのですが、草が家畜の貴重な飼料となっていたことを考えると不思議なことではありません。



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