どんぴんからりん

昔話・絵本いろいろ。語るのを目的としたものでしたが・・。それにしてもまるで森に迷い込んだ感じです。(2012.9から)

オフェリアと影の一座

2016年12月20日 | 創作(外国)
 絵本にもなっている(文: ミヒャエル・エンデ 絵: フリードリヒ・ヘッヘルマン 訳: 矢川 澄子/岩波書店)のですが、調べてみると、そのほかの地域でも取り上げられていました。

 主人公は劇場をお払い箱になったオフェリア。
 といってもオフェリアさんは、表舞台に立つ舞台俳優ではなく、裏役のプロンプターです。

 世界中のあらゆる悲劇、喜劇をそらんじて、本なしでもすらすら暗唱でき、仕事に打ち込んできたオフェリアでしたが、映画やテレビに押されて、町の劇場は閉鎖され、お払いばこになります。
 最後の公演が終わって、誰もいなくなった劇場を立ち去りかねていたオフェリアさんは、影法師と出会います。
 影法師は「だれのものでもない影」でした。

 オフェリアさんは、さびしがる影法師をわが身に引き受けます。うわさをきいた「だれのものでもない影」や「だれのものにもなりたくない影」たちが、つぎつぎにオフェリアさんのところへ舞い込んできます。

 狭い部屋が影たちでいっぱいになり、とうとうケンカまで始めます。オフェリアさんはケンカがだいきらいです。でも芝居のセリフや舞台の上でならどんなあらそいだって許されます。そこで思いついたのが、影たちに自分に染み付いた世界の名作を教えることでした。

 ところが、しだいに、近所迷惑と思われたオフェリアさんは、アパートの家主から家賃を二倍にするといわれて、トランク一つと影たちを詰め込んだハンドバックをもって、あてもない旅にでます。
 しまいにやってきたのは海辺。疲れて座り込んだオフェリアはうとうと眠り込んでしまいます。

 影法師たちは、オフェリアさんに、いまこそ恩返しをしようと決心します。そして「オフェリアと影の一座」として、村々を旅して公演を続けていきます。 
 オフェリアさんはだんだん有名になり、どこでも歓迎されるようになります。
 しばらくしてお金もたまり、車を買い込み、世界中を旅するようになります。

 しかし、なみはずれて大きな影があらわれて・・・。じつはこの影は「死」。

 オフェリアさんがこの影を引き受けると、彼女はひえびえとした影にすっぽりつつまれ、あたりは一面闇に閉ざされます。
 けれども次の瞬間には、にわかにぱっとあらたな眼がひらかれたような気がします。
 そこは・・・・。

 生きているときには決して光をあびることのなかった人生の最後にまっていた素敵なスポットライト。
 芝居好きの人にはたまらない話です。

 おはなし会で、こんな素敵な話にあえるとは!
 まだまだ楽しい出会いがありそうです。

 オフェリアというのは、大女優になってもらわなければと、親が「ハムレット」からつけた名前でした。
 眼鏡をかけた小さなおばさんです。

 影に「死」と名乗られて、それでも「いらっしゃい」とこたえるオフェリアさんの胸の内はどうだったのでしょうか。  


             魔法の学校 エンデのメルヘェン集/矢川澄子他訳/岩波書店/1996年初版


 この話を4か月ほどかけて勉強会で語ってみました。読んだときは抵抗がなかったのですが、語ってみると主語の「オフェリアさん」というのが、少し多すぎるかなと思いました。
 流れのなかでいわなくてもいいと思われたところを、少しカットしてみました。





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