どんぴんからりん

昔話・絵本いろいろ。語るのを目的としたものでしたが・・。それにしてもまるで森に迷い込んだ感じです。(2012.9から)

いたずらおばけ・・イギリス、わたしゃほんとにうんがいい

2017年05月17日 | 絵本(昔話・外国)

          いたずらおばけ/瀬田貞二・訳 和田義三・絵/福音館書店/1978年月刊「こどものとも」発行

 イギリスの昔話の再話で、発行されたのは1978年ですが、瀬田貞二さんの生誕100年記念として2017年に出版されたものです。

 貧乏な一人暮らしのおばあさんが、ある日、道端に黒い大きな壺をみつけます。なかをのぞくと金貨がどっさり。

 ショールで引っ張って帰る途中、大きな家を買って、暖炉のそばでお茶をのもうと空想していましたが、引っ張るものが重くて、一息入れます。そしてもう一度壺を見ると、銀の塊だけ。

 金貨は死ぬほど心配だったけど、銀なら心配ないしと思いながら、もう一度一休みすると、今度は鉄ころがあるだけ。

 もういちど一休みすると今度は大きな石があるばかり。
 木戸を止める石がほしかったと、喜んで家に帰り、ショールをほどこうとすると、いきなり石はとびあがり、もくもく山のように大きくなって、おばあさんのところから逃げていきます。

 おばあさんは、いたずらおばけがこの目でみられるなんてと大喜び。

 このおばあさん、なにがあってもいい方いい方に受け止めます。

 貧乏でも心は豊か、なんともポジティブな生き方です。

 こんなふうに生きられたら何倍も人生が楽しくなること間違いありません。

 この話は「ヘドレイのべこコ」(イギリスとアイルランドの昔話/石井桃子・編訳 J・D・バトン・画/福音館書店/2002年初版)というタイトルで石井桃子訳がありますが、「やれやれ!おら、このあたりでも、いちばん運のいい人間さなあ。おらヘドレイのべこコをひとりじめにして、それも、あのように、えんりょなく、つきあってしまってよう。ああ、こりゃ、ごうせいなことだったなあ」というおばあさんの楽天さが楽しいおわりかたです。

 「ヘドレイのべこコ」がどんなものかは想像するしかないのですが、イギリスでは意味のある存在なのでしょう。

 べこっこは牛ですが、急に牛がでてくるのでわかりにくく、おばけのほうが身近です。

 ”べこっこ”というのがひっかって、木下順二訳(ジェイコブス作 イギリス民話選 ジャックと豆のつる 岩波書店)をみてみました。「ヘドレイの牛っこーというのはおばあさんのつくったでたらめなことばのわけだがーをみたんだからな」とあって、ようやく納得がいきました(「ヘドレイの牛っこ」というタイトルです)。 

 この話、せな けいこさんの作・絵で「わたしゃほんとにうんがいい」という絵本があります。(鈴木出版/
1992年)。シンプルで楽しめる絵本。こどもがおもわず「わたしゃほんとにうんがいい」と口ずさみたくフレーズに、おもわずほっこりしました。
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