山奥の貧しいお寺にいた猫が、和尚様に恩返しする話。
和尚様が可愛がっていた猫でしたが、食わせることもできず、好きなところにでていくように話すると、猫は、近く長者の娘の葬式があって、困ることが起きるから。お経を読むように言い残します。
猫がいったように、長者の娘が亡くなると、棺桶が空に上がって、降りてきません。
偉いお坊さまたちが、ありがたいお経をあげますが、棺桶はおりてきません。
山奥の坊さまは役に立たないでしょうと、まわりの者はいいましたが、長者は、とにかく呼んでこいと、坊さまにお経をあげてもらうと、棺桶は少しづつ少しづつおりてきて、棺桶を無事、お墓にいれることができます。
この話にもいろいろあって、棺桶を空中に釣り上げるのが、猫だったり、風だったりします。
また空中に浮くのではなく、雨で娘の葬式ができなくなって、和尚のお経で、雨がやんで、無事葬式がができるものも。
猫が自分でお寺をでていくものと、和尚様にいわれてでていくものもある。
調べてみるともっと違いがでてきそうです。
この話で、藤田浩子さんの「ねこ檀家」のお経の受け売り・・・。
お坊さんがとなえるのは
「なむからたんの とらにゃあにゃああ~」
このもとは大悲円満無疑神呪というお経のなかの厄除けのことば
「南無喝羅旦那多羅夜耶(なむからたんのとらやあやあ)」
というありがたいお経といいます。
とら猫とおしょうさ/おざわとしお・再話 かないだえつこ・絵/くもん出版/2010年
青森県八戸市の「猫檀家」の再話ですが、猫がいつも夜中にでかけていくので、不思議におもった和尚が、猫のあとをついていくと、壊れかけた古寺で猫たちが、酒盛り真っ最中。これをみられた猫が寺を去っていきます。
なによりもいいのは、葬式の風景です。このあたりは語りでは表現がむずかしいところです。
猫の酒盛りもにぎやかで、和尚さんもいい味です。最後、桜?のなかを猫がとんでいるのですが、どこへいったのでしょうか。
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