どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

だごだごころころ

2017年09月11日 | 絵本(昔話・日本)


    だごだごころころ/梶山 俊夫:石黒 なみ子・再話 梶山 俊夫・絵/福音館書店/1993年

 絵は「クムカン山のトラたいじ」の梶山 俊夫さんです。特に絵で選んだわけではありませんが、たまたま同じ時期になりました。おじいさん、おばあさんの瓢箪顔、首が見えない赤鬼といい、昔話にピッタリです。

 「だご」とは、団子のこと。
 おじいさん、おばあさんがでてきて、おばあさんがつくった「だご」がコロコロ転がって、おちた穴にはこわーい赤鬼がいて、おばあさんが鬼につかまって、やがてそこから逃げ出します。

 逃げ出すとき、助けてくれるのは赤とんぼ。おばあさんは、蜘蛛の巣にひっかかっていた赤とんぼを助けたことがあったのです。

 鬼から逃げ出すとき、おばあさんがのった船をおしてくれるのですが、大きな大きな赤とんぼに描かれていて、赤トンボが船をおせるかという疑問が浮かぶ間もありません。

 おばあさんが鬼のところでつくらされたのは「だご」。鬼のところにはしゃもじがあって、このしゃもじを使うと、粉はすぐにいっぱいになり、逃げだした川の水が、赤鬼に飲み込まれそうになって、しゃもじをひとごきすると、水が がっぽ がっぽと増えます。

 赤とんぼが船をこぐのは「えいこら ぎっこら、ぶーんぶーん えいこら ぎっこら、ぶーんぶーん」
 おばあさんがしゃもじで船をこぐのは「えいこら ぎっこら、ほーい ほい えいこら ぎっこら、ほーい ほい」と、なんともいえないリズム感があります。

 赤とんぼども からだを まっかにして、ちからいっぱい ふねをこいだので、それから とんぼのからだは、なおさら まっかになったと。かたってそうろう、かたらいでそうろうという最後も楽しい。


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