どんぴんからりん

昔話・絵本いろいろ。語るのを目的としたものでしたが・・。それにしてもまるで森に迷い込んだ感じです。(2012.9から)

ネズミの嫁入り

2017年08月10日 | 昔話(日本・外国)
 昔話、童話とはあまり縁がなかった中でも、何十年たっても記憶にのこっているものの一つが「ねずみの嫁入り」の話。

 絵本も軽く30種類以上のものがあります。

 ねずみの夫婦がむすめに世界一のむこをさがすことになり、お日さまに頼むが、お日さまは、雲のほうがえらいといい、雲は風がつよいといい、風は蔵の壁が世界一えらいという。蔵はねずみがえらいといい、結局ねずみ同士が結婚することになるというおなじみの話。


        けものたちのないしょ話・中国民話選/君島久子訳編/岩波少年文庫/2001年初版
        子どもに語る中国の昔話/松瀬七織訳 湯沢朱実再話/こぐま社/2009年初版

 「けものたちのないしょ話」の中に、カザフ族の「ネズミ美人」という話が入っている。
 また中川李枝子さん作の「ねずみのおむこさん」も楽しいお話になっている。

 ウズベク共和国の「ねずみ娘」も同じ話型。ストーリーはほぼ同様であるが、ねずみが女の子に変身したので、最後にねずみと結婚することになっても、ねずみの巣に入れず、母親が神様に頼んでねずみの巣穴に入れるようもとのねずみになるという結末が楽しい。
 「ビルマ」では「ねずみの婚約者」。 
 ギリシャでは「ネズミのむすめご」。


        行者とねずみ/世界の民話19 パンジャブ/小澤俊夫・編 関楠生・訳/ぎょうせい/999年新装版
        ネズミのむすめご/世界むかし話3 南欧 ネコのしっぽ/村 則子・訳/ほるぴ出版/1979年初版

 この本の中に収録されている古代インダス文明発祥の地パンジャブの「行者とねずみ」もねずみの嫁入りの話であるが、でだしがカラスからのがれたねずみが、行者にたすけられ、いったん人間の子どもにかわり、女の子が大きくなると、行者がその子を見つけたときの様子を語って聞かせ、夫を探しなさいというもの。

 「鼠の嫁入り」をたどると古代インドの寓話集パンチャタントラ(1~6世紀)に同様の話があるということ。
 「シンデレラ」の内容も9世紀の唐の文献にみえ、ヨーロッパの古い記録が17世紀ということからすると800年前に原型があったということになる。

 こうした内容は現時点存在する文献で確認されていうことだけで、記録に残されなかったことも考えるともっとさかのぼることができそう。例えば、古代エジプトは紀元前何千年もの歴史があることから、昔話の源があっても不思議な話ではない。

 昔話がどのような道を通って広まっていったかに思いをはせることも楽しい。宗教の広がりと同時に、また大陸や海を行き来した商人がもたらしたことも。そしてローマ帝国、モンゴル帝国、そして中国の歴代王朝などの超大国が伝播を可能にしたこともありそうである。 


        ねずみのおむこさん/よみたいききたいむかしばなし2のまき/中川李枝子 文 山脇由利子 絵/のら書店/2008年初版
        ねずみ娘/シルクロードの民話3 ウズベク/池田香代子訳 小澤俊夫編/ぎょうせい/1990年初版
        ねずみの婚約者/ビルマのむかしばなし/中村祐子ほか訳/新読書社/1999年初版


        ねずみのけっこん/マヤ族の昔話/ジュデス・デュプレ・文 ファビリシオ・ヴァンテン・ブレイク・絵 晴海耕平・訳/童話館/1994年

 この絵本は、メキシコマヤ族の昔話。
 太陽、雲、風、壁の表情が楽しい。
 あらためて世界中に分布しているのがわかります。、
ジャンル:
文化
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« じぞうのふしぎなはさみ | トップ | なんでもふたつ »
最近の画像もっと見る

昔話(日本・外国)」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事