どんぴんからりん

昔話・絵本いろいろ。語るのを目的としたものでしたが・・。それにしてもまるで森に迷い込んだ感じです。(2012.9から)

じぞうのふしぎなはさみ

2017年08月10日 | 絵本(昔話・日本)

               じぞうのふしぎなはさみ/竹崎 有斐・作 清水耕蔵・絵/佼成出版社/1988年初版

 島根の昔話がもとになっているようです。

 いつも暗いうちにおきて、豆腐をつくっては、山のむこうの町まで売りに行っていたおばあさん。

 寒い朝、峠をまでのぼってくると、おじぞうさんの頭には、真っ白く霜がおりています。「おきのどくに」とおばあさんは、頭の霜をはらってあげ、豆腐をうったわずかなお金で、おじぞうさんに頭巾をつくってあげようと赤い布と糸と針をかいました。
 帰り道、おじぞうさんの手の上に、ハサミがのっかっていました。早く頭巾を作れとハサミをくださるんですかとおばあさんは、ありがたくいただいてかえります。

 この冒頭は「笠地蔵」を思い出しますが、このあとが大分異なっています。

 おばあさんが、頭巾を作ろうとするとはさみが勝手に動き出し針も動いてたちまち頭巾が縫いあがります。
 足も冷たかろうと、おばあさんはたびもつくって、おじぞうさんのところへいきます。

 ところが、じぞうさんにたびをはかせようとしてもうまくいきません。そこでおばあさんがたびをはくと、ちいさいたびがおばあさんの足にぴったりでした。
 たびをはいたとたん、おばあさんの足は軽くなって、駆けだしたくなります。たびのおかげで、町まで何回も往復できるようなって、豆腐はどんどん売り切れます。

 ところがハサミのことを聞いた隣の欲張りばあがやってきて、ハサミをかすようにいったので、おばあさんはハサミを貸してあげますが、ハサミは欲張りばあのいうことは、ちっともきかず、指を怪我してしまいます。

 怒った欲張りばあが、本物のハサミをだせと、おばあさんをおいかけると、一本の紐がするすると天からおりてきます。

 おばあさん、欲張りばあが、紐をのぼりはじめると、おばあさんのふところから、ハサミがポンと飛び出して、欲張りばあのところで、ぷつんと切ると、欲張りばあは真っ逆さまにおちていきます。

 欲張りばあの赤い血が三つの畑に飛び散り、粟と黍と蕎麦の根元は赤くなります。

 赤いたびをはいたおばあさんが、いまも元気に走り回っているかもしれません。

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