ロンポポ/作・絵:エド・ヤング 訳:藤本 朝巳/古今社/1999年
母親が、おばあさんの誕生日のお祝いに出かけ、家に残った三人の娘。
そこへ夜オオカミがやってきます。おばあちゃんというので、戸をあけてしまった三人。
いちばん上のシャンは、一度食べたらいつまでも元気にいられるという銀杏のことをオオカミに聞きます。
木には登れないというオオカミに、銀杏をとってきてあげると、三人は外にでます。
いくらまっても三人が帰ってこないので、イチョウの木までいくと、三人は木の上。
かごにのって、縄を放り上げたら、ひきあげるという娘のいうことをきいたオオカミ。
一回目は、一人で、二回目は二人で、三回目は三人でひきあげるのですが、途中で縄をはなすと、三回目にはオオカミは地面に落ちて死んでしまいます。
ロンポポは「虎姑婆」と書くようですが、漢字だとオオカミというのがイメージしにくいようです。
絵は、中国の屏風絵の手法をとりいれられていて、二つの分割されているページがありますが、独立した絵ではなく一枚の絵になっていてもおかしくなく、他の絵本にみられない特徴があります。
暗闇の中のオオカミは ぼやけているようにみえながら怖さが伝わってきます。そして三人の目の向きに注目です。
千年以上も前の昔話がもとになっているというのですが、すぐに思い浮かぶのは「おおかみと七ひきのこやぎ」
で、こやぎと娘というちがいはありますが、同じ話型です。