どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ふくろの なかには なにがある?

2017年06月28日 | 絵本(昔話・外国)


      ふくろのなかにはなにがある?/ポール・ガルドン・再話絵 こだま ともこ・訳/ほるぷ出版/2009年07月

 著者の紹介で、ポール・ガルドンは、1914年ブダペストで生まれ、その後アメリカで活躍されたことがわかりました。
 ブダペスト生まれですからハンガリーの昔話の再話なのでしょうか。どこの国のものかわかりませんが、同じような話を読んだ記憶があり、絵本の特徴を生かした楽しい話です。

 ある日、キツネはまるまるふとったハチをつかまえ、ふくろにいれて、ともだちのスキンタムのうちにいくからと、ちっちゃなおばさんのところにあずかってもらいます。
 「ぜったいに ふくろのなかを のぞくなよ!」と言い残すのですが、のぞくなよといわれるとのぞいてみたくなるのが人間のつね。
 ちっちゃなおばさんがふくろをのぞくと、なかからハチがとびだしますが、ニワトリに食べられてしまいます。

 しばらくしてかえってきたキツネは、ハチの代わりにおばさんのニワトリをつかまえて、ふくろにいれてしまいます。
 キツネはニワトリの入っているふくろを、まえとおなじように、ふとったふとったおばさんにあずかってもらいます。
 このおばさんも袋の中をのぞくと、ニワトリが逃げていってしまいます。
 またもどってきたキツネは、ニワトリのかわりに、ブタをつかまえ、ふくろに入れて・・・。

 ブタの次は、男の子です。

 ここにでてくるおばさんは、ちいさい、おおきい、やせた、ふっくらふとったおばさんたち。

 おまけに、袋の中身がすけて見え、ニワトリやブタのなんともなさけなさそうな表情に興味津々。

 語る場合は、袋のなかのことはなにも語りませんが、絵だと表情で語ることができます。

 キツネはスキンタムどんのうちにいくと袋をあずかってもらうのですが、このスキンタムも、本当にいたのか怪しい存在。
 キツネもやりすぎで、結末もあざやかです。