どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

はじめてのかり・・モンゴル

2017年06月23日 | 絵本(昔話・外国)


      はじめてのかり/オノン・ウルグンゲ・唐亜明/作 ムンフジン・チュールテミン・絵/福音館書店/2005年

 福音館書店のこどものとも世界昔ばなし旅シリーズの一冊ですが、昔話なのでしょうか。

 馬に乗ることが上手になったバートルは、おとうさん、おじさんとはじめての狩りにでかけます。

 広い草原ですが季節は凍てつく冬。

 絵はモンゴルのかたが描いていて、冬の草原の厳しさがつたわってきます。

 狩りの目当てはシカですが、おとうさんは夕方バートルを連れて湖に。
 シカは、夜になると湖の塩をなめにくるとおとうさんは、教えてくれます。
 ところが、はじめての狩りは、トラと遭遇してうまくいきません。

 次の日も雪の上に大きな足跡をみつけたおとうさんは、トラを警戒してテントに帰ります。

 しかしその途中、イノシシが岩に牙をこすりつけているのを見つけます。イノシシは川に飛び込み今度は砂の上をころげまわります。おとうさんはイノシシがトラと戦うつもりで、戦いに備えて自分の毛皮をカチカチに固めていると教えてくれます。

 イノシシとトラの戦いは、決まって冬の真夜中にはじまるのです。

 おとうさんはトラには決して近づきませんし、イノシシとトラの戦いも見たことはありません。

 狩りというと勇敢なイメージですが、おとうさんの行動から、危険と紙一重だと気がつかされます。