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高橋 由一 ≪墨堤桜花≫

2016年10月19日 | 美術さんぽ

 

                 

 

 作 者     高橋 由一

 作品名     ≪墨堤桜花≫

 制作年     明治10(1877)年

 素 材     油彩 麻布

 収蔵先    香川 金刀比羅宮博物館

 参考図書   展示会図録 『近代洋画の開拓者 高橋由一』2012年

          坂本一道 『新潮社日本美術文庫 高橋由一』2005年

 

 モチーフについて

          空の雲と堤の上の桜の木が画面上部に相対していて、桜の下では人々が

          花見をして夕陽のピンクの雲が水平線に広がっている。 畑の黄色や森の

          薄紫と近くの池は、薄暗く夕陽の影の様子が描かれている。 空には鳥が

          飛び、春の夕方の情景を表している。

 

 作品解説

          高橋由一は、明治6(1873)年のウイーン万博への出品依頼をきっかけに、

          名所風景図や歌川広重の浮世絵名所江戸百景を意識した油絵を制作した。

          当時は、まだ野外でスケッチ(写生)したものを画室で油絵に描いていた。

          この絵は、近くの堤の桜と夕焼け空、地平線、森、立木、と遠近を強く意識

          しているように思われる。広重が浮世絵で確立した、前景に大きくモチーフを

          配し、遠景に森や家が水平線を意識したような単純な風景構成ではない。

          当時、工部美術学校の教師であった、バルビゾン派のイタリア人画家

          フォンタネージの技術指導の結果が影響しており、本作は、近景の精緻な

          描写、色調の微妙な調和を生み、その結果、いっそう奥行きのある風景に

          仕上がっているのだと思う

 

 感 想     油絵の先駆者である高橋由一が、ワーグマンやフォンタネージから指導を受け、

          江戸百景の浮世絵を意識しながらも、バルビゾン派のミレーのような夕暮れを

          描写しているところが、何とも興味深かった。    

 

 

 

         

          

          

           

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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