フランクフルトから北西のライン川沿いに小都市で閑静なベートーベンの街ボンにも歌劇場はあります。ボン歌劇場の舞台は堅実型舞台の創造とオペラドラマに見合った具体的ビジュアルに重点を置いた演出が主流でした。
さて下の画像はもちろんベートーベン唯一のオペラ「フィデリオ」
モダンで演劇的要素の深い小劇場的空間を生かした造形が目を引きます。
そして、モーツアルト「ドンジョバンニ」はこんな感じです。
小さな劇場でありながら小空間を上手く生かした舞台構成はオペラドラマと音楽が上手く融合する舞台創りが印象に残ります。大都市ほどの規模ではない地方都市歌劇場特有の経済的舞台つくりの苦労の跡が垣間見られます。こう言う空間なればこそ若い演出家諸氏にはいい意味での訓練や演出技術の向上に繋がるのです。壁・パネル』等の使い方に空間を広げる研究創造の後が感じられる舞台です。今の時代においては舞台を作るに当たって経済性の追求か芸術至上主義かが深い議論の課題に
なりえます。但し若ければの話ですが。あまり難しい事は考えずに楽しいオペラ創りが要求される事は良くありますが。それにしても今の日本では何よりも歌劇場後進国の自覚からはじめるのが妥当と考えます。若者には若いうちにヨーロッパ歌劇場武者修行をお勧めします。飛行機代の安い時期ほど安く楽に回れるし列車は空いていて、歌劇場は何処も賑わっています。若いうちにはホテルは避けオペラを見終えたら駅にって夜行列車がお勧めです。夜中のうちに移動出来ますし,とにかくドイツなら確実にオペラはやっています。もしお望みならヨーロッパ歌劇場巡りのアドヴァイスは可能です。観光シーズンオフこそが狙い目です。ヨーロッパの歌劇場は毎年9月が年度の開始で1シーズンでの山場は9月・11月・2月・5月・です。そのほか夏のシーズンには観光的オペラフェスティバルがヨーロッパの約70箇所で開催されています。その代表格にベローナ・ブレゲンツ・バイロイト祝祭・ザルツブルグ祝祭等が有ります。この様にヨーロッパでは一年を通じてオペラや歌劇場に接する事が出来ます。昔歌劇場めぐりの途中に出会った若者いわく「何の目的も無くただ観光でヨーロッパに来て始めて歌劇場に目覚めてオペラなるもの野を発見しました」といっていました。この事から、日本は如何に歌劇上後進国であるかが伺えます。これは日本の文化民度が低いものと思われる事例です。
そして音楽を生業とする者は音楽の楽はただのんべんだらりの楽ではなくて
歌劇場後進国の自覚を元に「音楽の楽は、プロにとっては学であると自覚する事」
これが、これからの若者に残したいメッセージですどうぞ研究して下さい。
さすれば、チェリビダッケ・カルロスクライバー ・ガルデルリ・フルトヴェングラー諸氏の音楽が理解できるようになります。かな?
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