“ハリポタを観る勇気”が持てたので、『謎のプリンス』 『死の秘宝 part1』 をレンタルしたのが、以前にも書いた ように 7月26日の火曜日のこと。
―― やっと、本日、ただいま、先ほど、なんとか、観終わりました。
胸毛ハリィを堪能いたしました―― スタッフ、ややお遊びが過ぎるのではないかと思います。
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正直、「面白い!!」 とまでは、思いませんでした。
原作の日本語訳を刊行した出版社が、買い切り商品としてしか、書店小売させない―― えげつない商法を行なったという苦汁を呑まされた過去があっても。
私自身が、善なるサイドのキャラよりも、むしろ悪のサイドのキャラを好む傾向があるにしても。
アラサーになり、ファンタジーへの採点表が、さらに辛口になっているにしても。
―― 観ている途中で、がっつんがっつん眠ってしまう というのは、映画の造り自体が、どうなのか。
以前に、『死の秘宝 part1』 が劇場公開された当時、Newsweek誌のような リベラル誌やブログにて、辛辣な批評を読みました。
( 日本の映画雑誌や、ファンのブログは、一律「ハリポタ最高☆」 との論調でしたが… )
アクションシーンと、仲良し三人組のキャンプシーンとの、ちょっと問題じゃないのか… というぐらいの温度差。
視点がぐるぐる… いやブルブルか… 揺れて、カメラワークが定まらない。
キャラの使い捨て感が、尋常ではない。
( 妖精トビーや マッドアイが、久しぶりに出たかと思えば、即退場。 )
原作が、「そういったシナリオ」 だというのなら問題ないのですが。
シリーズ第1作『賢者の石』 は、チケットを貰って劇場に足を運び、観終わった後、そのまま書店に突撃して、原作を買った―― あの感動は、いったいどこへ??
『ゴブレット』 までは、それなりに面白かった。 脇役の俳優が、味のある演技で支えてましたし。
『不死鳥』 からは、ハリーとその周辺キャラが出張りすぎて、彼らのお遊戯会のような演技ばかりが鼻につき過ぎたきらいがあります。
ヴォルデモート卿を「演じた」、レイフ・ファインズのように、首のかしげ方・指先の わずかな動かし方まで、計算しつくした感のある演技をこそ、ハリー役の ダニエル・ラドクリフにも期待したのが 間違いだったのか。
The Internet Movie Database で、出演歴を観ても、ハリポタ専属の感がある。
たしか、舞台をやって、ヌードになったことでは、「評価」 されていたかと思います。
( そもそも、脱ぐ意味は あったのか。 )
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ハリポタの作中世界観は、いまだに興味があります。
この現実と異なり、一般の人間が知らないだけで、「魔法省」 という機関が実在し、魔法が本当に存在する世界。
杖を振り、呪文を唱えれば、さまざまな魔法が使える。
―― そんな世界で、「神」 は、どのような位置づけなのか。
聴衆に、パンや飲み物を 無限にふるまったのは、イエスのささやかな奇蹟のひとつ。
死んだ後も、自分だけは死から蘇ったという奇蹟。
天空に、十字の印を浮かび上がらせ、ローマ帝国軍の勝利を導いたという奇蹟。
作中でも、ハーマイオニーが、「クリスマスが…」 ナントカと言っています。
クリスマス―― 神の子 イエスの生誕を記念する祝祭ですが、出産と死亡 以外なら、たいていの「奇蹟」 は魔法で起こせる、この作中世界の設定。
神は、いったいどんな位置づけなのか。
例えば、ダンブルドア校長が、「愛・思いやり」 といた事柄には言及していましたが、神に関係する事柄はノータッチでした。
デス・イーターの皆さんが、事あるごとに、ヴォルデモート卿の印を お空に浮かび上がらせるのは、上記の例を踏まえたオマージュなのでしょうか。
劇場公開中の最終作を、実際に観に行くかどうか。 今なお保留中です。
「感動した!!」
という、絶賛の声を、観に行った人から、いまだ聴いていないのがネックでございます…。