file.no-90 『 性転換補完計画 （TS計画） 』

“性転換補完計画（TS計画）
エヴァアニメの本編を、（女性キャラ限定で）性転換して漫画にし、性転換妄想を補完する計画。”

…「18禁限定」というリミッターが当初から導入必須の計画ですね。
そして、属性「ＢＬ以外不可」も（笑
TS計画…Trans-sexual Supplementing Project…の略称でしょうか。
たしか、オリジナルの人類補完計画の英語表記が、Human Instrumentality Project でしたので、それをもじったのだと思います。
外来語を使用の際は、正式名称も表記してほしいもの。
（ちなみに、当方の正式表記は、Artificial Nest for Abandoned Lambkin Corporation Ltd. Executive Office of the President でございます）
TS という略称があること自体、今回初めて知りました。世界は驚きに満ちておりますね。

とある、エヴァファンの方のHPを拝見したのですが…ファンって、すごい！
BL自体は、意外性はありませんが、始まりからすべて性別逆転という発想が、驚異的です。
すでにいくつか、「補完済みのエピソード」などがあり、見てみたのですが、これ ヒットするんじゃない？…というのが正直な感想です。
商業的な意図がなく、純粋に、ファンの願いを叶えるためだけのものですので、創造意欲に限りがございません。
…その分、プロットに限度がない。
出版社などなら、抑制するところが、まさしく限界突破。

アスカがアス男、というネーミング・センスが聊か問題ありますが。
全般的に、女性キャラの男性体への移行がスムーズに行われており、エヴァンゲリオンのＢＬ要素が十二分に活性化されております。
赤木リツコと伊吹マヤの二人のレズ絡みも、リツオとマヤという男性キャラの絡みとなると、意外に拒否感がなくなるというＢＬマジックの妙…。
現在、葛城ミサオとシンジの絡みが最多というところが、ＨＰ管理人の方の「願い」（妄想？）の現れなのでしょうか。

一見の価値がございました。
そんな性転換補完計画を推進する、コアなファンの方のＨＰは、
ぷち★びれっじ
　http://puchivillage.xxxxxxxx.jp/index.htm

基本は大人向け。裏は成人オンリー。
そして ♂×♂ 。
「なんでもＯＫどんとこい」という方は、行ってみるのもひとつの選択。

…ということで、以下は私の過去の経験から。

男女の性行為をテーマ（男性向け）にした書籍類は、「成人向」扱いで18歳未満には販売不可。
男同士の性行為をテーマ（女性向け）にした書籍類は、18歳未満にも販売可。
（ただし、ＢＬあるいはそれに近い属性に限定）
ＢＬは、克明なエロスの描写のあるものでも、女子中高生が購入できるという日本の不思議。
ただ、公共図書館では、過激な描写があるということで「有害図書」扱いで18歳未満への貸出を禁止する動きもあり微妙なライン。
私自身は、いわゆる「ＢＬ」は、有害図書には当たらないと考えます。
なぜなら、ＢＬには、男性向エロスにはない情愛の物語があるから。

男性向けエロスは、終始一貫して、性行為のみを表現しており、巻頭巻末に
「犯罪を教唆するものではありません。決してマネをしないで下さい」
という表記をする始末。
翻って、ＢＬは、青少年あるいは青年間の交感…とでもいうのでしょうか、性行為も扱いますが、様々なエピソードを巧みに織り交ぜ、情愛を豊かに謳いあげて綾なす物語。
この違いは、男性は「肉欲」で行動し、女性は「心」で行動するからでしょうか。

とは言っても。
ＢＬも多種多様。
清らかな、えっちなんて少ししかないモノもあれば。
男性向けエロスを はるかに凌駕する、脅威的なガチンコモノもある。
おそらく、有害図書などを選定する人々が、目にしたこともない、氷山の一角の その下の。
見たことを後悔する、とても新聞やＴＶで公開できないような 禍々しい世界があることは、真実。
だからこそ、ＢＬ市場はまさしく 出版業界に残された最後のフロンティアなのですが。
あはははははははは…。

（ 09/07/13 一部改訂 ）