Flour of Life

煩悩のおもむくままな日々を、だらだらと綴っております。

映画「ブルックリン」(9月17日)

2016-09-18 15:37:05 | 映画


本年度の米国アカデミー賞作品賞&脚色賞&主演女優賞にノミネートされた映画、「ブルックリン」を見てきました。
主演はシアーシャ・ローナン。今作で初めて見ましたが、主人公エイリシュの感情の揺れ動きを細やかな演技で表現していたと思います。オーバーアクションで怒ったり泣いたりする役よりも、ちょっとした表情の変化や立ち居振る舞いで、その人物が何を感じて何を考えているかを表現するのは難しいでしょうから。主演女優賞を獲得したのは「ルーム」のブリー・ラーソンも、素晴らしかったですけど。

映画の舞台は1950年代。アイルランドのエニスコーシーで、口うるさい意地悪な女店主の雑貨屋で働いていたエイリシュは、姉ローズの知り合いの神父のつてでアメリカへ旅立つことを決める。最初は慣れないニューヨークの生活にとまどい、ホームシックで涙にくれる日々を送っていたエイリシュだったが、イタリア系移民の息子トニーと出会ったことで笑顔を取り戻し、ニューヨークに馴染んでいった。しかしそんなある日、エイリシュのもとに悲しい知らせが届く。故郷で母と暮らしていたローズが、病死したというのだ…。



※ここから先はネタバレがあります。ご注意ください。






大西洋を渡る方法が船しかなかった、60年も昔の話なのに、見ていて既視感を覚えることがいくつもあってくらくらしました。
田舎の閉塞感、都会の排他的な空気、そしてどちらの場所にも、良くも悪しくも存在する、人々の善意。

恥ずかしながら、私はアイルランドやその他の国からアメリカへ移り住んだ人々の歴史をほとんど知らないので、映画を見るだけではこのエイリシュの物語を完全に理解できてないと思いますが、それでも共感したり、身につまされたり、課題を突き付けられたりした気がしました。

とくに、「共感」という点では、この映画では主人公のエイリシュだけでなく、様々な登場人物に自分が持っているのと同じ側面を見つけて驚きました。
意地悪な女店主の店で働くしかない、故郷での生活に倦んでいるエイリシュ。アメリカへと旅立つエイリシュを見送り、母と2人で暮らす姉のローズ。イタリア系なのに、イタリア系移民のコミュニティに馴染めないトニー。ローズの死をきっかけに故郷へ戻ったエイリシュが出会った、元ラガーマンのジムは、爽やかで紳士的だけど、故郷に束縛されている。そして、裕福な客に媚び、ゴシップが好きで、他人の幸せに嬉しそうにケチをつける、女店主のケリー。数え上げたらきりがありません。ニューヨークでエイリシュを支えた神父や、勤務先の上司のような視点から、エイリシュを眺めていられたらよかったのですが、実際はその逆で、各登場人物が自分と重なる顔を見せるたびに「うわああ」と叫びたくなりました。

映画のラスト、エイリシュは故郷にとどまるのではなく、ニューヨークに戻ったけれど、私にはこれが「2人は末永く暮らしましたとさ。めでたしめでたし」には見えませんでした。これから先、2人は様々な苦難に立ち向かうことになるんじゃないでしょうか。もちろん、だからといって、アイルランドにとどまった方が良かった、なんては思いませんが。自分で選んだ道だからこそ、責任も負えるし、戦うことができるのでしょうから。

エイリシュがニューヨークで住んでいた寮の寮母・キーオ夫人役で、ジュリー・ウォルタースが出ていましたが、「ハリー・ポッター」シリーズのイメージが強くて、最初は誰だかわからなくて、「イメルダ・スタウントンかな?」と思ってました。(さすがにジュディ・デンチでないことはすぐわかった)キーオ夫人はいい味出してたので、もっと出番があればよかったのになと残念でしたが、BBCでスピンオフのドラマが作られるそうです。見てみたいけど、日本では無理かしら…。

あと、映画の内容とは関係ないけど、イタリア系移民のトニーの職業が配管工だと聞いて、「マリオかよ!」と突っ込んでしまいました(心の中で)。というか逆に、スーパーマリオのキャラ設定は、配管工だからマリオというイタリア系の名前になったんでしょうか。教えて任天堂!

8月9月は映画を見るのに忙しかったので、10月はちょっとお休みしようかな…と思ったけど、大都市では公開が終わった「シングストリート」や「好きにならずにいられない」、小泉今日子&二階堂ふみ共演の「ふきげんな過去」など気になる作品が高松で上映されるので、また時間のやりくりをせねば…とほほ。

三連休の最終日は久しぶりに姪っ子たちに会いに京都へ行きます。台風が来る前に帰れたらいいけど…。

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