<おでいげ>においでおいで

たのしくおしゃべり。そう、おしゃべりは楽しいよ。

距離を縮めるという仕事に精を出す

2017年01月23日 15時56分40秒 | Weblog

こっくりこっくりしている。こっくりは老人の仕事である。何もすることのない老人の唯一の仕事である。炬燵の中に足を入れて座椅子に凭れてこっくりこっくり。こうしてやがて到達する地点までの距離を縮めて行く。ゆっくりと。であるから、腹が減らない。食べることにもだんだん興味が萎えていく。身が細る。こころが細る。これでいい。これでいいのだ。老人のする仕事とはまさしく死までの距離をおいおい縮めて行くことなのだから。雪がまだ残っている。北向きの屋根瓦の影の部分にうっすら残って消滅に耐えている。日が笹藪のあたりから翳って来た。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 肉体はお殿様 帝王 | トップ | 老爺が鼻水小僧となる »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事