ごめんなさいね。こうやって堅い物を噛むようにして味わうようにすると、しだいしだいにこころが安らぐのです。
おんなじようなことを何度も何度も口が酸っぱくなるほどに繰り返し繰り返し説かれています。
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必至無量光明土 諸有衆生皆普化 「正信念仏偈」より
ひっしむりょうこうみょうど しょうしゅじょうかいふけ
必ず無量光明土に至らしめたまへば、諸有の衆生は皆 普化せり。
死んだ後に到着するところは仏さまの国=無量光明土です。そこへ到着すればわれわれ迷いの凡夫がたちまちに教化されて仏さまの分身=化身となるのです。(さぶろうの解釈)
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無量光明土は量ることの出来ないほどの光明があまねく行き渡っている国です。仏さまの国、仏国土、お浄土です。そこへ必ず至るのです、われわれは一人も洩らされることなく。「諸有」は「迷いの境界にある者」の謂と解釈しました。実体があるとしてそれに執着をすることを有見(うけん)といいます。有見をする者は迷いが断ち切れません。しかしその衆生を皆悉く普く仏の化身としてくださるというのです。「化」は「変化」であり、「変化した者」です。「教化を頂いた者」です。
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「必ず無量光明土に至る=必至無量光明土」というこの一行をもぐもぐもぐもぐ唱えながら、わたしは死後の旅をすることができそうです。でもそれもあっという間で、たちまちそこは仏国土です。阿弥陀如来様にお会いすることになります。あまりの明るさ、あまりの輝きに目が潰れてしまうかもしれません。でもこれでわたしはとうとう救われるのです。わたしの救済(自利)が完了するのです。そこから次のステップに移っていきます。