<おでいげ>においでおいで

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渋柿の渋が強かったものほど甘く熟す

2015年11月25日 19時48分06秒 | Weblog

買っておいた渋柿8個が、時を経ているうちに熟して柔らかくなって「しゅうれん」になっている。

「しゅうれん」或いは「しゅうれん柿」、当地ではそれをそう呼んでいる。これに適した柿はとんがり柿。実がたっぷり大きいのが特徴だ。

指で押せば薄皮が破けてしまう。ここまで来れば、渋みは消えてしまっているだろう。やがてとろとろして極甘のシロップ状になる。

そうすれば炬燵の上に運んで来て、深いお椀に入れて、これをスプーンで掬って食べることになる。

お婆さまが物語をしてこどもたちに聞かせる。昔昔はこれが冬の夜のご馳走だった。ケーキもシュークリームも乏しかった頃だ。

渋柿の渋が強かったものほど甘くなるんだよ。これはお婆さまの口癖だった。お勉強ができなくてもいいんだよ。みんな地上のものは時がたてばこうなるんだ、自然に。熟していい味になるように造られているんだからね。

渋くしているのは鳥避け。甘くなるまで鳥は辛抱強く待つ。そしてその時が来る。すると鳥たちに無償で提供される。

お礼に、鳥たちはしっかりとろみのついた種を遠くまで運んで行く。こうやって共存して共栄して共益が得られることになる。

なんとも自然界は不思議に満ちているところだ。いやいや人間界もまた案外この法則が当て嵌まるところなのかもしれない。

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「お勉強ができなくてもいいんだよ」とも「人に後れを取っているようにみえても最後はみな甘く熟して同じ到達点へ来るんだからね」とも語ってくれた。やさしいお婆さまだった。

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渋柿が甘くなる。甘くなったしゅうれんを実際に食べる。なるほど甘かった。嘘じゃなかった。いまは渋がきつくてもいいのだ。どうにかなるんだ。その体験がどれほどこどもたちを元気づけてくれたことか。

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いまもそういうお婆さまがいて渋柿のことをそんなふうに説いて語ってくれたら、強い自己信頼を抱けない多くのこどもたちが慰められ励まされ助けられていくことだろう。

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