小糠雨が降っているようだ。瓦屋根がしっとりと濡れている。12月4日、日曜日。朝も8時になった。風は吹いていない、そよとも。アスパラガスの軽い針葉すらもおだやかにして、平和で屈託がない。僕はベートーヴェンのエグモント序曲を聴いている。でもって、やはりおだやかである。朝食の時間だが、面倒臭い、抜くとしよう。
夜明け方怪しい夢を見た。なぜか僕は裸になっている。尻の下に、ぐにゃりとした半殺しの蛇を敷いていた。長くて太い。逃げ去ろうとするところを弟が押さえつけて新聞紙で包んだら、頭の部分のみがそこを突き出て来た。目がぎょろりとしていた。顔見知りの4人がこの様子をしゃがみ込んで見ていた。ときおりこうした怪奇夢を見る。